ブロックチェーンは発展途上?今あるチカラを最大限活かそう

1月1日から1月5日まで、連日ブログ投稿させていただく取組みを行っております。本稿は第4回目の記事です。

1月1日:世界の価値流通の全体像
2日:企業・個人が国境を超える経済活動を行う際の大きな課題
3日:代表・紺野が実際に経験した国際送金の不便、不安、不満
4日:ブロックチェーンは発展途上?今あるチカラを最大限活かそう
5日:紺野がブロックチェーンに賭けた理由

第1回目の記事では、開発途上国-先進国間の国境を超える、インターネットを活用した価値交換を、ブロックチェーンを用いて格段に便利にするサービスを提供していきたい、と弊社が考えている旨をお話ししました。
第2回目の記事では、開発途上国-先進国間の国際送金の課題が、幅広い主体のサービスの価値交換における障害になっている旨を申し上げました。
第3回目の記事では、実際に私が体験した国際送金の苦労の経験について述べ、その解決にブロックチェーンが使えるという考えを述べました。
本稿では、ブロックチェーンの意義、および今このタイミングで事業を始めた理由について述べさせていただきます。

トークンエクスプレス株式会社を創業してから、ブロックチェーンを一言で説明する必要があるときが時々あります。その際に私がよく言うのは以下の説明です。

「ブロックチェーンとは、世界中で常に同じ内容の台帳データを共有する技術です。その台帳では、どの口座がいくら保持していて、いつどの口座からどの口座にいくら送ったか、という情報が記録されています。ノードと呼ばれる世界中にあるコンピューターで情報が共有されているので、どこかの部分が止まっても全体が止まってしまうことはなく、常に記帳され続けています。そのため改ざんも極めて難しいです。そのシステムの維持は、システム維持への貢献者にルールに沿った報酬を与えることで担保されています。中央集権的な管理者がいないので、誰でも利用することができるインフラです。こうした斬新な仕組みによって、利用者のコストは、既存の技術を使って同様の機能が提供される場合よりもとても低く抑えられます。」

技術に明るい方に対してであれば、他にも様々なキーワード(公開鍵暗号方式、Proof of Work、暗号学的ハッシュ関数、マークルツリー等)を使って、ブロックチェーン技術の素晴らしさをお伝えした方がいいと思うのですが、私は、そこまで必要になったケースに未だ出会いません。
上記の説明で必ず含めるのは、「可用性」「完全性」「分散性」の要素です。それぞれの言葉の説明は、私が見た中では総務省の資料(※1)が最もわかりやすいと思いますので、ここに引用させていただきます。

高い可用性
中央一元管理では、管理体に不具合があった場合に全てのシステムが停止してしまう可能性がある。分散管理・処理を行うことで、ネットワークの一部に不具合が生じてもシステムを維持することができる。

高い完全性
ブロックチェーンは取引ごとに暗号化した署名を用いるため、なりすまし行為が困難である。加えて、取引データは過去のものと連鎖して保存されているため、一部を改ざんしても過去のデータも全て改ざんする必要があり、改ざんはほぼ不可能である。また、台帳により過去のデータを参照することができるため、データの改ざんをリアルタイムで監視可能である。

取引の低コスト化
中央一元管理では、中央で管理する第三者に仲介手数料を支払う必要がある。ブロックチェーンのシステムを用いれば、仲介役がなくとも安全な取引が行えるため、取引の低コスト化が望める。

さて、ブロックチェーンの世界では、今も多くの技術者がブロックチェーンの技術的課題の解決に取り組んでおり、「ブロックチェーンは不完全な技術だ」という人や、「ブロックチェーンはまだ実用フェーズではない」という人に出会うことも多いです。

こうした言葉を聞くと、私はインターネットの発展の歴史を思い出します。
私は1986年生まれで、物心ついたころにWindows95が発売され、インターネットが人々の生活に入っていく過程とともに過ごしてきました。初期のインターネットは、できることは限られていたし、これが今のような未来をもたらすことを想像させるものではなかったと私は思います。しかしその後、Googleが現れ、Amazonが現れ、Facebookが現れ、そしてスマホが現れる中で、インターネットの「不完全さ」を覆い隠してしまいました。もっと正確に言えば、不完全であっても、それは前提としたうえで、できることをどんどん育てていった結果、今の世界が成り立っているのだと思っています。(例えば、あるページから別のページに1方向しかリンクが貼れないことや、リンク切れが起こってしまう問題は、Webが登場した当初は、Webの構造的欠陥として技術者たちに捉えられていたようです。(※2)今じゃ当然のこととして皆さん受け入れてしまっていますよね。)

この経験から、「ブロックチェーンは不完全な技術だ」という人に出会っても、その人がブロックチェーンをさらに高度にしてくれることは期待し応援しつつも、その完全化が完了するまで待つ必要は全くない、と思っています。

また、「ブロックチェーンはまだ実用フェーズではない」という人は、ブロックチェーンへの期待が大きすぎるか、「ブロックチェーン」という言葉の定義が狭いのだろうと考えるようにしています。なぜなら、既に仮想通貨がこれだけ広がり、それに価値を認める人々が世界中にいて、世界中の金融当局において具体的な対応が行われている現在において、その一点においてはブロックチェーン技術は十分実用フェーズに入っていると、私は考えているからです。もちろんスケーラビリティの問題等はありますが、出来ることが既にあるという意味で、既に実用フェーズだと考えます。

ブロックチェーンの得意分野を正しく認識したうえで、その得意分野を活かして世界をより良くする具体的打ち手を打つべきだ、それを自分がやろう、と私は思っています。

連日ブログ投稿の最終日となる明日は、なぜ私がブロックチェーンに賭けようと思っているのか、そのきっかけと長期的目的をご紹介させてください。


※1
総務省「平成30年版 情報通信白書のポイント」
https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/h30/html/nd133320.html

※2
「Webを支える技術」、山本陽平、2010、技術評論社

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