ブロックチェーンを用いたIBMの農作物トラッキング事業、オリーブオイルとコーヒー取扱い開始

本ブログでは、持続可能な社会のためのブロックチェーンの活用等について、原典が英語のものを中心にご紹介してまいります。

本日は、海外ニュースをご紹介します。

記者:Tom Li @IT WORLD CANADA
出典元URL:
https://www.itworldcanada.com/article/ibm-food-trust-ensures-savory-olive-oil-and-better-coffee/426581
発信日:1月28日

ニュース内容

    • IBMが主導するプロジェクトIBM Food Trustにおいて、オリーブオイルとコーヒーをトラッキング対象に含めることを発表。これにより、例えば、コーヒーのバイヤーが、その豆の生産地を知ることができるだけではなく、直接的に生産者に対して支援を提供することが可能になるという。
    • オリーブオイルは、長年、品質にかかる不正(オリーブオイルを称しながら、キャノーラ油や大豆油を混ぜたものが流通するなど)が問題になっていた。コーヒーは、その生産現場における労働問題、児童労働が問題になってきていた。IBMは、IBM Food Trustによって、そうした社会課題の解決に貢献できると謳う。

トークンエクスプレス社のひとこと

    • IBMはHyperledgerという、ブロックチェーンの規格を主導しています。このブロックチェーンは、誰でも参加できるものではなく、参加に許可が必要な、プライベートな許可制のブロックチェーン・ネットワークです。上記のIBM Food Trustも、Hyperledgerが用いられ、米国WalmartとIBMが共同で始めたプロジェクトです。
    • このニュースで注目すべきは、その追跡対象の農作物の選定です。高品質なオリーブオイルとコーヒー豆は、産地が限定されているという特徴があり、それを対象とすることで社会インパクトが出やすい作物と言えます。また、オリーブオイルもコーヒーも、その生産および流通過程における社会的課題が昔から問題視されており、これまでもスターバックスなど様々な企業がその解決に乗り出してきていました。(スターバックスの事例では、マイクロファイナンスが活用されています。本件の関係記事はこちら。)
    • 本仕組みを用いて、一般の消費者がコーヒーの産地情報などをスマホで閲覧できるようにもなる予定とのこと。(2020年初頭にアメリカ、カナダ、ヨーロッパでローンチ予定とのこと。)toC向けのサービスとして十分興味深いですが、SDGsの認知度が高まり持続可能な社会のための取り組みが企業に求められる現在、リスクヘッジ観点でのtoB向けの用途がより有用性を持つのではないでしょうか。