シエラレオネのCIO、ブロックチェーンを使ったナショナルID付与計画の意義を説明

本ブログでは、持続可能な社会のためのブロックチェーンの活用等について、原典が英語のものを中心にご紹介してまいります。

本日は、海外ニュースをご紹介します。

記者:Rakshitha Narasimhan @AMB CRYPTO
URL:https://eng.ambcrypto.com/blockchain-enabled-digital-ids-help-boost-financial-inclusion-in-sierra-leone/
発信日:2月3日

ニュース内容

    • シエラレオネはブロックチェーンにずいぶん前から取り組んできている。実際、アフリカで最初にブロックチェーン・ベースのナショナルID(訳者注:日本でいうマイナンバーに相当するもの)付与計画を発表した国だ。
    • シエラレオネのChief Innovation OfficerであるMoinina David Sengeh博士(訳者注:シエラレオネの大統領および首相のアドバイザーで、大統領府の科学・技術・イノベーション担当局長)は、先日BBCが行ったイベントにおいて、ブロックチェーンを用いたナショナルID付与計画および、それによって国民の金融アクセスの向上を狙っている旨を説明した。
    • Sengeh博士によれば、現在シエラレオネで金融アクセスを有する人は人口の17-20%に過ぎず、特に女性の金融アクセス向上により、国の経済の拡大に貢献したい考えだ。BBCのインタビューの中で彼は、ナショナルIDを持たない人が多かったことが、人々が銀行口座を持てなかった要因であるとしたうえで、指紋認証とブロックチェーンとを組み合わせることで、ナショナルIDの付与を推進し、銀行口座保有率を上昇させたいと述べた。

トークンエクスプレス社のひとこと

    • シエラレオネのナショナルIDにブロックチェーンを用いる計画は、昨年8月に発表され、国連機関(UNCDF、UNDP)およびオンライン上でマイクロ融資を仲介する非営利団体Kivaが協力していることが公表されています。国連は以前から開発途上国におけるブロックチェーンの活用に積極的であり、シエラレオネでの取り組みも積極的にPRしています。Kivaにとっては、IDを付与し、信用情報の管理を行えるようにした、独自開発のブロックチェーンを用いる初めての案件とのことです。
    • 途上国の金融アクセスの課題を知る弊社としては、このブロックチェーンベースのシステムの導入は、重要な一歩ではあるものの、システム導入だけでシエラレオネの金融アクセスに関する問題を劇的に改善するとは考えられません。Sengeh博士の発言にある「ナショナルIDを持たない人が多かったことが、人々が銀行口座を持てなかった要因である」という発言は、正しい部分もありますが、それ以外の要因の方が大きいでしょう。(必要条件ではあるが十分条件ではない、ということです。)金融アクセスの改善を本質的にもたらすのは、主にシステムの運用における課題の克服と、それにマッチするシステムの継続的な改善活動です。その部分に関する情報がSengeh博士の発言から見えなかったことから、本プロジェクトの挑戦はまだ始まったばかりだと考えられます。
    • 弊社としては、こうしたプロジェクトの実施においては、いきなり国家レベルで展開するのではなく、中長期ロードマップを定め、小規模実験を重ねてシステムの要件定義や運用プロセス等を詰めつつ、多様なアクターを巻き込みながら、段階をおって展開するべきと考えます。政治的パワーの活用はロードマップの後半であるべきと考えます。
トークンエクスプレス株式会社では、国内外の持続可能な社会づくりに寄与する事業・プロジェクトの企画、構築、運用サービスを提供しています。
ブロックチェーン技術に知見がありますが、その利用を前提とするものに限りません。
ご関心ある方は、お問い合わせページからお気軽にご連絡ください。