カカオ豆農家への寄付を消費者が選択可能なチョコレートのブロックチェーン・プロジェクト、発起人とUNDPがその真の狙いを説明

本ブログでは、持続可能な社会のためのブロックチェーンの活用等について、原典が外国語のものを中心にご紹介してまいります。

本日は、海外ニュースをご紹介します。

記者:Oliver Nieburg @FOOD navigator.com
URL:https://www.foodnavigator.com/Article/2020/01/23/Blockchain-tokens-marketing-UN-s-zero-poverty-chocolate#
掲載日:1月27日(2月7日更新)

ニュース内容

    • オランダ出身の起業家によって創設されたFairChain Foundationと、国連開発計画(UNDP)は、Podcast番組のインタビューに答え、両者が取り組む”The Other Bar”というチョコレート商品に絡めたブロックチェーン・プロジェクトの狙いを説明した。FairChain Foundationの創設者であるGuido Van Staveren氏によれば、”The Other Bar”プロジェクトは、「世界での貧困をなくすために1,700億ドル(約19兆円)必要なのに、8,000億ドル(約88兆円)ものマーケティング費用が支出されている現状は、何かがおかしい」という考えのもと行われている社会実験なのだという。また、たとえ今の市販のチョコレートの価格を倍にしたとしても、カカオ豆農家が得られる収入は、必要な生活費の60-70%に留まるという現状から、カカオ豆農家の生計向上のための新たな仕組みが必要だという課題意識から始まったという。
    • このプロジェクトの仕組みはこうだ。”The Other Bar”を購入した消費者は、商品に記載のQRコードをスマホで読み取ることによって専用トークンを入手できる。このトークンは、次回購入する”The Other Bar”を25%割引で購入するために使用することもできるし、カカオ豆農家にカカオ豆の苗木の一部(1/4相当)にあたる寄付のために使用することもできる。寄付されたトークンがどの苗木に使われているかは、ブロックチェーンで追跡可能という。どちらの用途に使うかは、消費者に任されている。
    • このプロジェクトは2019年12月に開始されたが、少なくとも1年間はデータ分析に費やし、消費者が社会的インパクトに貢献するブランドに対してどのような行動をとるかを注視する予定だ。その結果によっては、両者は企業に対し、ブロックチェーンを使ったSDGsプロジェクトへの投資を促していきたいという。

トークンエクスプレス社のひとこと

    • 本プロジェクトを主導しているFairChain Fundationは、バリューチェーン上の富の分配について、全ての主体に公平なビジネスモデルを実現するために活動している団体です。”The Other Bar”プロジェクトは2019年12月に開始されたと記事中にはありますが、まだ実際のチョコレートの配布はしていない一方、プロジェクトのウェブサイトから事前予約できるようです。(日本に届くかはわかりませんので、注文は自己責任でお願いいたします。)ウェブサイト上には、26,000本用意したチョコレートは残り8,615本と表示されています。(2月9日の本記事執筆時。)
    • 弊社が社会的インパクトを志向するブロックチェーン・プロジェクトをご検討中の法人様とお話しさせていただく際には、①目的を明確化した上での多角的なビジネスモデルを構築・検証することと、②丁寧な顧客調査・マーケティングの実施をお勧めしています。(その実行伴走も行っております。)本プロジェクトはそのお手本のように感じます。すなわち、記事の元となっているPodcastでのGudio Van Staveren氏の発言にあるとおり、本プロジェクトの上位には、企業のマーケティング支出の社会的インパクト投資への振り替え、という上位目的が明確に存在しています。そして、今回チョコレートとカカオ豆農家という題材を一つの事例として活用し必要な情報収集を行うというプロジェクト目的がしっかりと設定されています。
    • また、現時点で国連機関を巻き込み、インタビューに共同で答えている点も、マーケティングの観点でも、今後のプロジェクトの進め方(企業への働きかけ)の観点でも、巧みだと感じます。
トークンエクスプレス株式会社では、国内外の持続可能な社会づくりに寄与する事業・プロジェクトの企画、構築、運用サービスを提供しています。
ブロックチェーン技術に知見がありますが、その利用を前提とするものに限りません。
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