ブロックチェーン革命は、まだあまり始まっていない(BBC)

本ブログでは、持続可能な社会のためのブロックチェーンの活用等について、原典が外国語のものを中心にご紹介してまいります。

本日は、BBCのエッセーをご紹介します。

記者:Chris Baraniuk(Technology of Business reporter) @BBC
URL:https://www.bbc.com/news/business-51281233
掲載日:2月11日

エッセー要旨

    • ブロックチェーンは、ビットコインのような仮想通貨以上の利用用途を見つけるのに苦労してきた。中央での一元管理ではない、多様なユーザーによる台帳情報の管理というブロックチェーンの基本アイデアは、多くの関心を呼び起こしてきたし、ブロックチェーン支持者は、既存のデータベースに対するより良い選択肢だと長年主張してきた。しかし、それはどれほど革新的なことなのだろうか?
    • 確かに有用なところもある。2018年にBBCは何千もの経歴詐称が存在する実態を調査した。こうした現実を踏まえれば、資格証明にかかる分散型システムは経営者にとって価値をアピールできるかもしれない。一方で、そうした不正をブロックチェーンそのものが防止できるわけではなく、ブロックチェーンに併せて他の仕組みが必要だという意見もある。こうした課題を解決できれば、ブロックチェーンは本当に価値があるかもしれない。
    • 1971年以前に英連邦から英国に来た移民が、行政上の記録が残っていなかったために、不法入国という扱いになっていた問題があったが、こうした行政手続きにおけるエラーも、分散型台帳によって回避できるかもしれない。
    • いくつかの大型ビジネスでは、この技術を既に取り入れている。海運コングロマリットのMaerskは、国際貨物の関税書類の追跡にブロックチェーンを使っており、港から関税当局に至るまで、全てのステークホルダーが物資の運搬にかかる詳細を素早く調査できるという。Maerskによれば、毎週1億の運搬履歴がシステムに登録されているという。このシステムは非公開のものであり、アクセス権限はコントロールされている。しかし、これと類似のシステムはクラウド・ベースの、暗号化技術をもつものなど、他の技術でも達成できるかもしれない。
    • スウェーデンでは、売主、買主、ブローカーおよび銀行が関与する不動産登記および不動産売買の記録にブロックチェーンを用いる試みが行われている。実験を通じて、スキームが機能することは証明されたが、将来的な拡大には法改正が必要なことが明らかになった。
    • タイでは、ブロックチェーンを用いた投票システムが、2018年11月のタイ民主党の予備選挙で用いられた。こうした事例では、ブロックチェーンが絶対に必須なのかという議論の余地がある。
    • 大規模システムにおけるデータ管理において、ブロックチェーンスタイルのシステムが最も効率的な選択肢だということは徐々に証明されていくだろうと、一部の人々は主張している。懐疑論者ですら、いくつかの具体的な適用事例において、ブロックチェーンが有用であろうと考えている。
    • 現時点ではブロックチェーンは世界を変えていないかもしれない。しかし、多くの人が検討を始めている。

トークンエクスプレス社のひとこと

    • ブロックチェーン技術が社会にもたらすインパクトに対して一見懐疑的にみえるタイトルのエッセーで、文中も両論併記でありながら、最後のまとめ部分はその技術への期待感ものぞかせるという、とてもBBCらしいエッセーをご紹介しました。
    • いくつかの代表的なブロックチェーンの利用事例がまとめて紹介されており、ブロックチェーン技術のポテンシャルを実用面から冷静に紹介した記事です。ブロックチェーンってどう使えるのだろう、と初めてご関心を持たれた方には、最初の一歩として有用な記事でしょう。
    • 一方で、弊社は仕事柄、ブロックチェーン技術のご説明を法人様にさせていただくことが多いのですが、ブロックチェーンに関する事例の羅列や、ブロックチェーンの機能の羅列は世の中にあふれていても、「それで、自分のビジネスではどう使えるの?」という質問に答える「サクセスストーリー」を記載しているものは少ないと感じています。弊社なりにその質問に答える回答は用意しており、日々ブラッシュアップしています。ご関心ある方は弊社までご連絡下さい。
    • 上記のエッセーで、Maerskの事例に触れながら、「他の技術でも達成可能かもしれない」という見方が紹介されていましたが、ブロックチェーンを使って実現している事例を、後付けて「他の技術でもできたかも」と批判することに意味はないと考えます。ブロックチェーン業界では「Why Blockchain?」という質問がキラーワードのように恐れられていますが、その質問への回答に詰まってしまうのは、ブロックチェーン適用予定箇所以外の要件の詰めが不十分だからです。プロジェクトの目的・目標を明らかにし、順を追ってシステム要件を検討・検証していけば、おのずからブロックチェーンの適否が明らかになってきます。大切なことは、ブロックチェーンは単なる技術なので、(必要な場合を除いて、)その利用を目的化しないことです。
トークンエクスプレス株式会社では、国内外の持続可能な社会づくりに寄与する事業・プロジェクトの企画、構築、運用サービスを提供しています。ブロックチェーン技術に知見がありますが、その利用を前提とするものに限りません。
ご関心ある方は、お問い合わせページからお気軽にご連絡ください。

「ブロックチェーン革命は、まだあまり始まっていない(BBC)」への1件のフィードバック

コメントは停止中です。