ハラール医薬品市場の成長とブロックチェーン

本ブログでは、持続可能な社会のためのブロックチェーンの活用等について、原典が外国語のものを中心にご紹介してまいります。

本日は、海外ニュース(原典フランス語)をご紹介します。

記者:orbis @Journal l’action régional
URL:https://journallactionregionale.com/2020/02/21/halal-pharmaceuticals-market-2020-opportunites-mondiales-part-de-marche-acteurs-cles-et-prevision-du-paysage-concurrentiel-jusquen-2025/
掲載日:2月21日

ニュース内容

    • ハラール製薬市場調査レポートによると、ハラール医薬品市場は2025年までに1,745億9,000万米ドルに達し、CAGR(年平均成長率)は9.4%に達する見込みである。イスラム人口の増加と経済規模の成長のために、イスラム教徒の消費者支出の大幅な増加が見込まれる。多くの企業は市場進出の機会を伺っていて、例えば、米国に拠点を置くNoor Vitaminsは、高品質なハラール認定マルチビタミンの需要にこたえるために創設された。また、マレーシアSelangorの子会社、ワールドワイドメディブストSdn Bhdは、ハラール外科縫合糸の部門を組織化するために8,000万RM(マレーシアの通貨単位)を費やした。
    • 世界のイスラム経済は、最近、商業技術や金融に関連する分野で発展を遂げている。ある企業は、ハラール認証に関し、医薬品、食品、化粧品のサプライチェーンのあらゆる段階の追跡のためや、支払いのためにブロックチェーン技術を実装している。また、一部企業は、新製品の発売、拡販、パートナーシップ、契約、買収、合弁事業など、さまざまな戦略を使用して、この市場でのシェアを増やしている。例えば、Pharmaniaga やAJ Pharmaなどの企業は、ハラールワクチンの研究開発に多額の投資を行っている。

トークンエクスプレス社のひとこと

    • 各ビジネス・セグメントの市場予測をする会社は世界中に多く存在し、そのPR記事も多くあります。普段そうした記事は予測の妥当性の判断ができないので本ブログではあまりご紹介しないのですが、本日の記事はハラール医薬品市場という独特の切り口が興味深かったのでご紹介いたしました。
    • ハラールというのはイスラム教の用語です。食品等に用いられた場合、口にしてもかまわないものといった意味です。ハラールは、コーランという、イスラム教で最も重要な聖典にも出てくる概念ですが、その聖典等で明確に口にしていいものの条件がわかるものもあれば、それが不明確な部分もあります。
    • 上記の記事でご紹介した、ハラール認証の遵守のためにブロックチェーンを用いることは、こちらの外部メディアの記事で紹介されているように、シンガポール発のスタートアップなどが挑戦しているようです。しかし、何がハラール(OK)で何がダメなのかは、解釈的にもグレーな部分があります。豚肉を食べることは明確にダメですが、豚に由来する酵素やたんぱく質を、医薬品や化粧品に用いて良いかどうかも、国によって、人によって考え方が異なったりします。ハラール認証は世界中のイスラム教徒の関心事項だと思いますが、そうした人の価値観等が混ざる分野なので、最初からマス市場に向けてのサービスリリースは現実的ではないでしょう。一般的にブロックチェーンを用いた事業を検討する際と同様、ロードマップを作成し、最初は限定された範囲での仮設設定と検証のサイクルを繰り返す必要があると考えます。
    • そういう観点で、昨日本ブログでご紹介したMediLedger Networkのアプローチは、限られた企業(それも業界を代表する企業)と小さくプロジェクトを開始し、計画的に対象範囲を広げているという点で、優れたアプローチを取っていたと考えます。
トークンエクスプレス株式会社では、国内外の持続可能な社会づくりに寄与する事業・プロジェクトの企画、構築、運用サービスを提供しています。ブロックチェーン技術に知見がありますが、その利用を前提とするものに限りません。
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