医療データの閲覧可否を患者が管理できるモバイルアプリ@カナダ

本ブログでは、持続可能な社会のためのブロックチェーンの活用等について、原典が外国語のものを中心にご紹介してまいります。

本日は、海外ニュースをご紹介します。

記者:Josh Rub @THE STAR
URL:https://www.thestar.com/business/2020/03/04/toronto-hospital-trial-looks-at-allowing-patients-to-see-all-their-records-and-control-who-else-sees-them-too.html
掲載日:3月4日

ニュース内容

    • 北米最大級の医療研究機関(カナダのトロントに所在)である”University Health Network”(以下、「UHN」)は、患者が自分の医療データをいつ誰に閲覧させるか制御できるモバイルアプリを、ブロックチェーン技術を用いて開発している。
    • これはUHNがIBMらとともに共同で取り組むプロジェクトで、一人の患者に対して、複数の医療機関に散逸しがちであった医療データについて、医師や研究者、または親族などがそのデータを見たいとき、患者のスマートフォンに通知を出して、アクセスの可否を聞くことができるものだという。これまで、患者はかつて掛かった様々な医療機関に別々に管理されていた医療データを集約的に管理することはできず、さらにそのアクセス可否をコントロールすることもできなかった。このアプリによって、まずはアクセス権の管理が可能になる。
    • 現在開発中のアプリケーションは、ブロックチェーン上には医療情報は載せず、プライベートな(「閉じた」)ブロックチェーン上で、各医療データへのアクセス履歴を管理する仕組みだという。

トークンエクスプレス社のひとこと

    • ブロックチェーンは元々暗号技術を用いた技術なので、あるデータへのアクセス権の管理を従来の技術よりもセキュリティ面で高度化するために、ブロックチェーンを用いるというアプローチは自然なものといえます。特に今回のような、データの利用者が多数で、データの所在場所も多数という”n:n”の「分散的な」データ管理においては、ブロックチェーンがそのポテンシャルを発揮できる場だといえるでしょう。
    • 上記の記事で重要なのは、様々な医療機関に散逸する医療データを無理に集約管理せず、それぞれへのアクセス権の管理をブロックチェーン上で行うにとどめているという点です。集約管理するとそこにセキュリティ面やデータベース管理上のリスクが集中してしまいます。分散的に発生するデータを分散化したまま管理できるのであれば、それがベターともいえます。
    • UHNは北米で最大級の医療研究機関です。その医療機関が、実際にこれまでの技術では実現不可能だった(セキュリティ上のリスクが大きかった)社会的課題に、ブロックチェーンを用いることでチャレンジできるようになった本件は、大きな社会インパクトをもたらすと感じます。

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