IoTが普及する中で重要度を増すブロックチェーン

本記事では、弊社の最近の考えをご紹介します。
  • IoTの普及の加速と課題

モノのインターネットと言われるIoT(Internet of Things)。インターネットの高速化、スマホの普及によるセンサー類の小型化・低価格化・省電力化、Wi-Fi、Bluetooth等のネットワーク技術の進化、クラウドサービスの進化・一般化等によって、近年利用シーンが一般化しつつある技術領域といえます。

IoTの一般化が進むと、人間だけが生み出すよりも更に多くのデータが世の中に生まれることになります。個人に紐づいていないデータ(例えば川の流量データや交通量に関するデータ等)については、データの所有権という話はあまり問題になりませんが、IoTによって、個人に紐づくデータ(電気の使用量データや個人の心拍数のデータ等)については、IoTによって常に生成されるデータを、その個人、企業、社会がどのように管理するかが大きな課題になってきます。

IoTデバイスを、様々な機器に埋め込むのは、その機器を製造するメーカーです。しかし、そのデバイスから生み出されるデータが個人にとって秘匿性の高いものであればあるほど、その管理者の負担は大きくなります。また、個人にとっては、そのデータを他のサービスでも利用したいというニーズが高まるでしょう。データは元々個人が所有し、個人が管理すべきものであるという考え方と、それを個人の意思のもとで様々なサービス等で利用できるようにしてほしいというニーズがあります。IoTによって、生み出されるデータ量が多くなり、質が高まれば高まるほど、データを取り巻くシステムとしても、個人がしっかりとデータの格納先、公開先、利用先等を選択・管理できる、社会で合意された建付けとする必要があります。それは一企業が提供・管理できるレベルのものではなく、複数の企業、場合によっては世界規模で合意された仕組みとなるべきと考えられます。

  • 手を打ち始めるプレイヤー

先日、本ブログで、EUが個人のデータの取り扱いに関するツールの提供を、「欧州データ戦略」(”A European strategy of data”)の中で打ち出しているとご紹介しました。IoTの発展に伴い、この重要性はさらに高まっていきます。

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欧州委員会のデータ戦略、ブロックチェーンに言及

こうした中で、ブロックチェーンは、「個人がしっかりとデータの格納先、公開先を管理できる」建付けを実現するのに重要な役割を果たす可能性があります。なぜなら、ブロックチェーンには中央管理者が不要で、複数の、場合によっては無数の主体でデータを管理することができる仕組みだからです。

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ブロックチェーンが問いかけるデータの共同管理におけるガバナンス

一昨日のトヨタのブロックチェーン技術に関する発表は、まさに本稿で述べた未来を見据えた一歩だととらえています。

関連外部プレスリリース
「トヨタ・ブロックチェーン・ラボ」、ブロックチェーン技術の活用検討と外部連携を加速化
発信元:トヨタ自動車株式会社
URL:https://global.toyota/jp/newsroom/corporate/31827409.html
発信日:3月16日