ケニアにおけるブロックチェーンの勃興

本ブログでは、持続可能な社会のためのブロックチェーンの活用等について、原典が外国語のものを中心にご紹介してまいります。

本日は、海外ニュース(原典フランス語)をご紹介します。

記者:Claudia Lacave @jeune afrique
URL:https://www.jeuneafrique.com/884850/economie/au-kenya-la-blockchain-entre-dans-le-quotidien/
掲載日:1月24日

ニュース内容

ケニアは南アフリカ、ナイジェリアと並んでアフリカにおけるブロックチェーンのリーダー国である。政府主導でブロックチェーン活用を進めている一方で、民間においても、急速な開発・発展が行われている。

Grassroots Economicsの創設者のDama とRuddickは、2012年、同国第2の都市モンバサ郊外のスラム街で、最初のコミュニティ通貨プログラムであるブロックチェーンベースのbangla-Pesaを立ち上げた。モバイルアプリケーションを介して利用可能なこのシステムは、銀行システムや現金から遠く離れた人々が仮想ウォレットを介して商品やサービスを交換することができる。87,200ケニアシリング(約800ユーロ)に相当する価値は、ネットワークの一部である200店舗のクーポンの形で流通し、国内の他の5つのコミュニティでも再現されている。

Technobrainは、ケニア製の製品のトレーサビリティを確保するために、作成された各製品に割り当てられたコードをデータベースに記録する識別ツールであるNumber Seriesというブロックチェーンを開発。「目標はケニアの産業部門をデジタル化すること」と、同社のコマーシャルディレクター、アユギ氏は言う。現在はケニア最大のアパレルメーカーが偽造のリスクを減らすこのプログラムの顧客である。

The Bhubは、「ブロックチェーンと人工知能を使って国の問題を解決すること」を掲げる。2018年1月に設立された同社は、ケニアの開発者にブロックチェーンシステムに基づくソリューションを作る訓練をしている。彼らのプロジェクトの一つである“Makao”は、不動産需要と建設プロジェクトに合わせて、現在政府のインキュベーターで検討中である。このアイデアは、バイヤーがブロックチェーンを通じたプラットフォームを介して不動産パートナーと連絡を取り、プロパティの設計について意見を述べることができ、またこの技術は、支払い追跡とクラウドファンディングへのプロジェクトアクセスを可能にする。その目的は、スラム街の人々(2018年の都市部の人口の23%)の数を減らすことである。

トークンエクスプレス社のひとこと

    • アフリカのVC投資とブロックチェーンの勃興

アフリカにおいては、南アフリカ、ナイジェリア、ケニア、エジプトが、技術系スタートアップ向けベンチャーキャピタル(VC)投資額の大きな国々です。(参考資料の例はこちら。)

ブロックチェーン事業はまだ収益モデルが世に広まっていないので、我慢強い資金(patient capital)による投資が必要であり、間接的にではありますが、そうしたスタートアップ投資が盛り上がっている国において、ブロックチェーン事業が興りやすいと考えます。

    • ケニアはICTイノベーションの実績国

本日ご紹介した記事では、ケニアにおける具体的なブロックチェーンを利用する事業が紹介されています。紹介されている企業のウェブサイト等に行っても、それぞれの事業に関する具体的な情報は得られませんが、ケニアはM-Pesaという、世界の発展途上国がモデルとするような、携帯電話(スマホではなく、極めて低機能なガラケー)で小額の送金ができるサービスを生み出した国ですので、あなどることはできません。

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(ブログ「マイクロファイナンスをめぐる世界のいろいろ」)

    • 開発途上国では政府との適度な距離感が大事

上記記事の中で紹介されているMakaoという事業は政府と協力しながら進めているようですが、一般的に開発途上国においては、政府の行政能力は低く、また企業の法的な権利保護なども弱い場合が多いので、政府と組んでやることが事業構築において吉と出るか凶と出るか、予断を許しません。途上国に限らずですが、スタートアップは政治的な動きをするよりも先に市場シェアを取りに行くことが優先された方が望ましいと感じます。

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