新型コロナで露見した医療用品サプライチェーンの5つの課題と対処法

本ブログでは、持続可能な社会のためのブロックチェーンの活用等について、原典が外国語のものを中心にご紹介してまいります。

本日は、海外有識者のオピニオンをご紹介します。

有識者:Nishan Degnarain @Forbes
URL:https://www.forbes.com/sites/nishandegnarain/2020/03/22/5-ways-blockchain-can-unblock-the-coronavirus-medical-supply-chain/#74ffba451380
掲載日:3月22日

オピニオン要約

新型コロナウィルスで高まる医療用品の需要に、供給メカニズムが対応できていない。そのボトルネックは、需要、供給、資金調達メカニズム間の信頼の欠如にある。例えば、世界中の多くのサプライヤーが、ブローカーや仲介業者の中から信頼できるものを区別しようとし、前払いの現金支払いを求めるという金融面の課題があったり、発注した機器が適切な仕様で適切な場所に適切なタイミングで届かないといったリスクが、サプライチェーン上に存在する。

医療サプライチェーンの信頼性に関する課題とそれに対してブロックチェーンが貢献できる部分を、以下の5つに整理した。

1. 製品要件:各国で異なるだけでなく日々変更される基準。

<ブロックチェーンによる貢献可能性>
最新の製品要件と仕様を継続的に更新するためのメカニズムを提供。

2.  サプライヤーの信頼性:工場の能力検証のための訪問なしに、どのサプライヤーが適切な品質、生産量、タイミングで生産できるか不確実。

<ブロックチェーンによる貢献可能性>
高い品質管理、適切な仕様、生産量を工場ごとに評価する信頼できる方法を提供。

3. 支払い:工場や貨物会社は前払いを要求。

<ブロックチェーンによる貢献可能性>
ブロックチェーンによって保証された条件付き前支払いメカニズムを提供。事前に合意された段階に、運転資本や次工程への移行資金がリリースされる。

4. 税関認証:高度な規制が課せられる医療機器を国際的に迅速に輸送するために、税関認証を迅速化する必要がある。

<ブロックチェーンによる貢献可能性>
ブロックチェーンベースの税関認証は、野生生物取引や医薬品等の輸出規制するために使用されており、適用できる。

5. 輸送の追跡:輸送条件を検証して、適切な条件(医薬品の温度管理など)で、世界中の工場から空港、配送センター、ヘルスセンターに適切な物資を輸送する必要がある。

<ブロックチェーンによる貢献可能性>
サプライチェーンの透明性を確保するために、ブロックチェーンベースの来歴追跡技術で世界中で安全に追跡できる。

トークンエクスプレス社のひとこと

    • 新型コロナで脆弱化する医療用品のサプライチェーン

新型コロナウイルスで世界が混乱する中で、医療用品のサプライチェーンの課題は、日本でもマスクなどで実感されているところですが、世界では人工呼吸器の不足などで大きな問題になっています。上記の記事は、その課題を分析し、そのブロックチェーンが貢献できる余地について整理してくれているものです。

    • サプライチェーンの情報管理に、総合的に対処するならブロックチェーン

医療用品のグローバルなサプライチェーンの情報を管理することが、事態を好転させるだろうことは想像に難くありません。しかし、特定の主体がそれを管理することは前例がなく、また不可能と言えるほど困難です。上記の5つの個別の課題に対して、個別に対処する方法は、既存の技術と几帳面な運用などでカバーできる部分があるかもしれませんが、総じて対応するためには、ブロックチェーンの利用は有効な手立てだと考えます。ただ、問題は「いかに実行するか」です。

    • どのようにブロックチェーンを導入するか

上記課題の1, 4, 5は各国の政府機関をも巻き込む必要のあるものです。このように考えると、こうしたサプライチェーン管理のためのグローバルなシステム作りは、既存の仕組みも活用して進めるのがいいかもしれません。具体的には、まずは各国の政府機関を中心にシステム作りを行い、徐々に幅広い民間企業に参加者のすそ野を広げていくというアプローチが向いているかもしれません。

また、現在のような「非常時」にこそ、グローバルな医療用品サプライチェーンの情報管理システムを、ブロックチェーンを用いて構築するというような大掛かりな取り組みが行いやすく、危機下におけるチャンスといえるでしょう。

トークンエクスプレス株式会社では、国内外の持続可能な社会づくりに寄与する事業・プロジェクトの企画、構築、運用サービスを提供しています。ブロックチェーン技術に知見がありますが、その利用を前提とするものに限りません。
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