モバイル・ヘルスケアにおけるブロックチェーンの可能性

本ブログでは、持続可能な社会のためのブロックチェーンの活用等について、原典が外国語のものを中心にご紹介してまいります。

本日は、海外ニュースをご紹介します。

記者:Stepan Shablinsk @SupplyChainBrain
URL:https://www.supplychainbrain.com/blogs/1-think-tank/post/31046-how-blockchain-technology-will-improve-mobile-healthcare
掲載日:3月27日

ニュース内容

    • 今日のヘルスケア管理の主要な懸念は、データ処理とデータセキュリティ。患者が自分の健康状態と保険情報にリアルタイムで安全にアクセスできることが理想だが、患者は自分の医療記録の所有権を持っておらず、情報更新を制御できない。ブロックチェーンの特徴である安全性、透過性、改ざんの不可能性、攻撃へ高い耐性は、医療記録管理と親和性が高い。
    • 医療記録は、一般的に多様な医療施設に分散しているが、ブロックチェーンは全データ統合を可能にする。ウェアラブルの台頭で、患者はスマートウォッチで記録された心拍数、睡眠、ジョギング等の活動データをアプリを用いてブロックチェーンネットワークに送信できる。医師は統合されたデータに基づいて個別化した指示を出すことが可能になる。位置情報の追跡は、プライバシーが保証されれば、昏睡状態等の重篤な状況への対応も可能にする。
    • ブロックチェーンは、透明性と偽情報の検出を提供できるため、臨床試験のデータ追跡や医療保険事業にも利用可能。多様な利害が関係する臨床治験を検証しやすいものでなければならない。スマートコントラクトは、オープンで公に検証可能な環境で、同意を収集したり、適用されたプロトコルとその結果の保持に優れた方法。医療保険事業では、保険金請求管理のブロックチェーンベースのシステム等が可能。
    • すべてのトランザクションがビットコインやイーサリアム等の暗号化コインで支払われる必要があるため、ブロックチェーンの使用に関する一般的な懸念事項である、実装コスト、膨大なエネルギー消費、マイニング技術者への報酬の高騰等が課題。

トークンエクスプレス社のひとこと

    • 本日ご紹介する記事は、サプライチェーンに関するニュースを提供しているメディア上の記事です。サプライチェーンのメディアが医療情報管理に関するテーマを取り上げているのは不思議な印象ですが、医療においては、個人からデータが「生産」され、それを基にサービスが提供されるため、その一連の医療情報のフローが、サービスの提供に至るまでのサプライチェーンであるというイメージなのかもしません。
    • そして、実際ブロックチェーンはそうした複数の主体間での情報のやり取りにおいて強みを発揮する技術です。その強みについてよく整理されている記事だと感じましたので、本日ご紹介させていただきました。医療情報の管理という事例において、ブロックチェーンの技術的優位点を上手く引き出せているということは、その利用用途に向いた技術だと言えるでしょう。
    • 優れた記事ではありますが、最後の部分「すべてのトランザクションがビットコインやイーサリアム等の暗号化コインで支払われる必要がある」以降の記述は誤解を招く内容です。ブロックチェーンの管理方法には大きく3種類あり、上記の記載はいわゆる「パブリックチェーン」というモデルを利用した場合です。医療情報の管理にパブリックチェーンを用いる例はないと考えられ、記事に記載の課題は該当しないと考えられます。

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(本ブログ3月10日掲載記事)

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