新型コロナによって始まった米国大統領選挙の遠隔投票の議論

本記事では、弊社の最近の考えをご紹介します。

米国大統領選挙は今年秋

今年秋に予定されている米国の大統領選挙ですが、その時まで新型コロナの影響が残り、避難所や封鎖措置が必要なままだった場合、どのように選挙を実施すべきなのか。その議論が、既に米国で始まっています。新型コロナによって大勢の有権者が投票所にいって投票するというスタイルが、社会にとってリスクの高いものだとした場合、代替手段として検討されるのが、オンライン投票と郵送での投票です。

科学雑誌”Science”発行元の公開レター

そうした中、4月9日、歴史と権威のあるアメリカ科学振興協会(American Association for the Advancement of Scienece, AAAS)が、「オンライン投票の不安に関する州知事および国務長官への手紙」と題された公開のレターを発出し、ブロックチェーンを含むオンライン投票へ否定的な意見を表明しました。AAASは有名な科学雑誌”Science”の発行主体です。

そのレター内では、以下のような記述があります。

現時点では、インターネット投票は米国での投票のための安全な解決策ではなく、また近い将来にはありません。

 

前例のない公衆衛生危機に直面したアメリカの選挙に不可欠なセキュリティ、正確性、有権者保護をより適切に維持するために、インターネット投票システムの使用を許可せず、郵送による投票へのアクセスと早期投票を拡大することを検討することをお勧めします。

インターネット投票は安全ではありません。

そしてレターはこう締めくくられています。

インターネット投票に関する追加の科学的証拠を提供できる場合、またはリソースとなるために他に何かできる場合は、お知らせください。私たちの組織と私たちが代表する科学者、エンジニア、統計家は、あなたを支援する準備ができています。

検討の端緒に立ちつつあるオンライン投票

この公開レターを読んだとき、私はいよいよ始まった、と思いました。

というのは、世界を左右するともいえる、米国の大統領選において、オンライン投票という可能性が、見向きもされない「バカげた考え方」から、権威のある団体が意見を表明せねばならぬほど「可能性のある選択肢」となったのだと感じたからです。

オンライン投票にはリスクがある。それは事実でしょう。ただ、郵送はリスクがないのでしょうか?新型コロナの脅威下で投票所に向かうことはリスクがないのでしょうか?

全ての比較には「目的」と「前提」があり、その中での比較になります。そこを曖昧なままで議論することはできません。

また、技術の利用方法には、たくさんの方法があります。公開レターはおそらく、有権者の太宗が自分のスマホから限られた日程のなかで集中的に投票するイメージでのものだと思いますが、克服すべき課題を細分化、具体化すれば、局所的なオンライン投票の実施、技術の利用なども選択肢に上がるでしょう。

忘れてはいけないのは、すでにオンライン投票を実現しているエストニアのような国があるということです。エストニアにできて米国にできない理由は何なのか。議論の端緒として面白い問いかけかもしれません。

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