暗号資産を使った慈善活動の広がり

本ブログでは、持続可能な社会のためのブロックチェーンの活用等について、原典が外国語のものを中心にご紹介してまいります。

本日は、海外ニュースをご紹介します。

記者:Mathew Di Salvo @Decrypt
URL:https://decrypt.co/19244/how-charities-are-using-crypto-to-feed-the-world
掲載日:2020年2月15日

ニュース内容

    • 慈善事業セクターはテクノロジーへの対応が遅いことで有名だ。英国の慈善団体のうち、新しいアルゴリズムや暗号資産(仮想通貨)、AI等の新技術をどのように利用するか検討しているのは12%に過ぎない(参考文献はこちら。)
    • しかし、一部の先進的な組織は、既に寄付を受け取るために暗号資産(仮想通貨)を利用している。例えば、世界でインフレ率が高く、犯罪が急増し、基本的な商品が不足しているベネズエラは、住むこともお金を稼ぐことも難しい国だ。2018年2月、ベネズエラの兄弟であるホセとガブリエル(どちらも暗号の長いユーザー)が、ビットコインキャッシュ(BCH、ビットコインからフォークした通貨)を用いて、非営利の食料提供方法を提供する”eatBCH“を立ち上げることを決めた。
    • ホセは身元を明らかにしていないが、Reddit(訳者注:日本以外でメジャーな掲示板サービス)から始まったこのプロジェクトは、BCHとTwitterを駆使して、現在ではベネズエラ周辺の23か所で事業を展開している。(訳者注:eatBCHのウェブサイトを見ると、現在では南スーダンでも事業を展開している模様。)この事業で暗号資産が用いられているのは、ベネズエラが国際的な制裁を受け、ウェスタンユニオンやペイパルなどの国際送金の手段がないため、これ以外に寄付を受け付ける方法がないという理由もあるが、ホセによれば、暗号資産が慈善団体に寄付するための方法として、既存の方法よりも良い選択だと考えているという。
    • 他にも、Ethereumブロックチェーン上に構築された、慈善活動用のアプリケーション開発に取り組むGivethや、ケニアで暗号資産を用いたトークン経済の創出を目指すGrassroots Economics(訳者注:詳細は下記関連記事ご参照)など、ブロックチェーンを用いた慈善活動に取り組む団体が出てきている。

関連記事
ケニアにおけるブロックチェーンの勃興
(本ブログ3月27日記事)

トークンエクスプレス社のひとこと

  • しっかりと活動している暗号資産を使った慈善活動

ブロックチェーンや暗号資産を慈善活動に用いようという構想、試みは多くありますが、それを鮮やかに実現したのが、本日ご紹介したeatBCHと言えるでしょう。

eatBCHは、国際的な金融サービスに接続されていないベネズエラで生まれました。世界中から寄付金を受け取れるようにして、貧しい人々に食料を提供するという、とてもシンプルに見える慈善活動です。しかし、実際にそれを実行するとなると様々な課題があります。eatBCHは、そうした課題を、ウェブ上に存在する既存の仕組みと、人々の善意を用いて鮮やかに乗り越えていっているように見えます。eatBCHのウェブサイトにも活動の内容が記載されていますが、彼らのTwitterアカウントを見ると、活動のイメージがつかめると思います。

  • この活動が今後の暗号資産のユースケースのモデルになるのでは

この活動は、ウェブという場所に縛られない基盤の上で始まっていますので、現在のベネズエラ、南スーダンから、どんどん広がっていく可能性があります。その広がりの中で、暗号資産を寄付手段として使うにあたっての課題が出てくると思います。ただ、そうした壁を一つ一つ乗り越えていく中で、暗号資産を取り巻く現実世界の課題の解決が進んでいくのではないかと期待しています。

  • 法的側面が最大の課題なるも、社会善なら乗り越えられるのでは

eatBCHのウェブサイトにも明記してありますが、彼らの活動は、特に国際送金のところだと思いますが、一部完全に合法と言えない部分があり得ます。しかしながら、社会善だと多くの人が考える活動は、既存の法制度の中で相応しくない部分を変えていく力があると思います。そうした部分すら、この活動が成長していく中で明らかになっていくことを期待しています。

トークンエクスプレス株式会社では、国内外の持続可能な社会づくりに寄与する事業・プロジェクトの企画、構築、運用サービスを提供しています。ブロックチェーン技術に知見がありますが、その利用を前提とするものに限りません。
ご関心ある方は、お問い合わせページからお気軽にご連絡ください。