サプライチェーンでのブロックチェーン利用はどのように広まるか

本記事では、弊社の最近の考えをご紹介します。

サプライチェーンへのブロックチェーン適用の2パターン

ブロックチェーンの利用事例は、いくつかのパターンに収れんしつつあると感じますが、最も有力な利用方法の一つは、サプライチェーンでの利用です。世界中で食料品や貴金属、ダイヤモンド、ブランド品等のサプライチェーンでブロックチェーンを利用しようというプロジェクトが増えています。

今後もサプライチェーンへの適用が有用だと「発見」される対象は増えていくと思います。一方で、現段階であっても、①ある製品市場の一部のサプライチェーンのみでブロックチェーンを用いるパターンと、②市場の大半の流通でブロックチェーンが用いられるパターンと大別できるだろうと感じています。

①市場の一部のサプライチェーンで利用

例えば、ある製品に係る、ある1社の卸売業者が関与するサプライチェーンでのみブロックチェーンが適用された場合です。ネスレやウォルマートと協業してサプライチェーンのブロックチェーン化を進めるIBM Food Trustのアプローチなどが該当します。
その一部のサプライチェーンのブロックチェーン化には、当該サプライチェーン内のあらゆる部分で、その製品の来し方行く末がわかる、というメリットがあります。
その結果として、そのサプライチェーンに関連する主体には、以下のような行動の選択肢が生まれます。

    • チェーン出口にいる人(消費者)にとっては、製品の信頼性を確認し、買う製品を選択できる
    • チェーンの上流~中流にいる主体にとっては、流通の履歴と結果を確認して仕入先、卸先を選択できる

ブロックチェーンに載せることにはコストがあるので、そのコストを消費者が負担しても出自を知りたいと思うような高価な産品、もしくは生産過程の信用度が価値を大きく上下するブランド製品、食料品等でこのパターンの利用が進むと考えられます。

②ある製品にかかる市場の大半のサプライチェーンで利用

例えば、ある製品に係る、あるサプライチェーン断面の大半を占める業者がブロックチェーンを利用した場合です。

その市場の流通経路の大半が「見える化」されているので、逆にブロックチェーンで流通経路が見える化されてない製品の信用度、および価値が下がります。そうするとその市場プレイヤーの多くがブロックチェーン適用に乗り出し、その製品市場における「見える化」がさらに加速すると考えられます。

ある市場のサプライチェーンのどこかの断面が、限られた数のプレイヤーで占有されている場合、この状況は作りやすいです。例えばカナダ王立造幣局が関与して取り組んでいる金のサプライチェーンの見える化の例が該当するでしょう。

関連外部記事
Tradewind、カナダ造幣局、ブロックチェーン上の貴金属の起源を検証
原題:Tradewind, Canadian Mint to Verify Origins of Precious Metals on Blockchain
記者:Nathan DiCamillo @CoinDesk
URL:https://www.coindesk.com/tradewinds-canadian-mint-to-verify-origins-of-precious-metals-on-blockchain
掲載日:2019年11月5日

なお、「市場」の捉え方は多様なので、いくつかの基準で限定的な「市場」についてブロックチェーン適用すると、②のパターンに該当するようになります。ある製品のサプライチェーンを網羅的に「見える化」したい場合には有効な戦略だと考えます。

トークンエクスプレス株式会社では、国内外の持続可能な社会づくりに寄与する事業・プロジェクトの企画、構築、運用サービスを提供しています。ブロックチェーン技術に知見がありますが、その利用を前提とするものに限りません。
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