電気・ガス・水道等ユーティリティ会社が持つブロックチェーン潜在力

本記事では、弊社の最近の考えをご紹介します。
  • 世界のブロックチェーンへのアプローチ

現在ブロックチェーンは、世界中から主に以下の観点で注目されています。
・金融
・不動産
・サプライチェーン
・投票関係
・個人情報(ID)管理
・学歴証明
・ゲーム
・著作権の二次流通
・真贋判断(フェイクニュース対策等)
・IoTとのコラボレーション

一般消費者向け(toC向け)サービスに取り組んでいる企業も多くいますが、より資金とリソースを割いて取り組めているのは企業向け(toB向け)サービス、もしくは企業内利用を前提とするシステム構築です。これは、ブロックチェーン技術における大きな課題であるスケーリング問題(大量のトランザクションを高速で捌くことを得意としていない)や、利用者の扱いやすさの問題(UX問題)がまだ解決できていないからだと考えられます。

  • ブロックチェーンが社会インフラになるための課題と克服方法

昨日の記事にて、スペインの経済大臣がベーシック・インカム導入を宣言したというニュースを取り上げました。そしてベーシック・インカムという政策をより効果的にするために、実務部分においてブロックチェーンを利用することが、「政策への信頼の補完」という観点で有効だろうという意見も述べました。

関連記事
危機下に価値を増す「執行力」、そしてベーシック・インカム
(本ブログ4月20日掲載)

しかし、この例でベーシック・インカムの実務にブロックチェーンを利用するにも、前述のスケーリング問題や利用者の扱いやすさの問題があるので、すぐに実行はできません。また、政府が単体でそれをやりきる能力(構築・運用両面における費用面の妥当性の検証、技術選定能力等)があるとは思えません。ではどのようにすればいいのでしょうか。

  • リテール網を持つ垂直統合型ユーティリティ企業に要注目

ヒントは、アルゼンチンにありました。アルゼンチンでは、IOVLabsというスタートアップがGasnorという国営から民営化された天然ガス販売会社(アルゼンチンの9つの天然ガス販売会社の1つ)と現地ソフトウェア会社と組み、IOVLabsのブロックチェーンを用いて、天然ガス流通におけるブロックチェーン適用をしようとしています。

関連外部記事
アルゼンチンの天然ガスディストリビューターGasnor がレギュレーターでブロックチェーンパイロットを開始
原題:Argentinian Natural Gas Distributor Gasnor to Launch Blockchain Pilot With Regulators
出典:IOVLabsプレスリリース
URL:https://iovlabs.org/press/argentinian-natural-gas-distributor-gasnor-to-launch-blockchain-pilot-with-regulators.html
掲載日:3月20日

本件は、ガス配給会社から小売り先までのネットワークをブロックチェーンに載せ、新しいガス設備を設置する業務プロセスの簡素化と効率化を図るもののようです。また、この業界は規制が多いですが、国の規制機関によるコンプライアンス監視能力を強化することも狙いのようです。

この事例は、ブロックチェーンの仕組みが、消費者の玄関までたどり着けるルートを示していると感じます。すなわち、ユーティリティ企業は、業界の規制の遵守のためや、上流から小売りまでの商流の管理効率化においてブロックチェーンを用いるインセンティブがありますが、副次的効果として、一般家庭にまでそのブロックチェーンが辿り着くことになるのです。

純粋にビジネス的観点で整備されるブロックチェーン網が、一般家庭まで到達している。この仕組みが一般化されていけば、このルートに乗せて上述のベーシック・インカムの供給網を構築する可能性があると考えます。

トークンエクスプレス株式会社では、国内外の持続可能な社会づくりに寄与する事業・プロジェクトの企画、構築、運用サービスを提供しています。ブロックチェーン技術に知見がありますが、その利用を前提とするものに限りません。
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