ジュネーブ商工会議所、オンライン投票にブロックチェーン利用

本ブログでは、持続可能な社会のためのブロックチェーンの活用等について、原典が外国語のものを中心にご紹介してまいります。

本日は、海外ニュース(原典フランス語)をご紹介します。

記者:STANISLAS POGORZELSKI @CRYPTONAUTE
URL:https://cryptonaute.fr/confinement-chambre-commerce-geneve-blockchain/
掲載日:4月22日

ニュース内容

    • コロナウイルス危機により、第155回ジュネーブ商工会議所(CCIG)がオンラインで開催された。スイスのスタートアップCryptolexのブロックチェーンソリューションを利用してオンライン投票が実施された。CCIGは、オンライン投票システムにブロックチェーンを使用する世界で最初の商工会議所となった。
    • ブロックチェーン技術に基づくシステムは、CCIGのメンバーでジュネーブに拠点を置くスタートアップCryptolexによって開発された。約100人が自宅から投票し、ローレンス・デ・ラ・セルナを史上初の女性代表として選出した。

トークンエクスプレス社のひとこと

オンライン投票の可否は世界で議論の的

ブロックチェーンはオンライン投票の実現に使えるのではないか、という期待と、その期待に対する疑念は今世界中で議論の的となっています。本ブログで以前ご紹介したとおり、本年秋には世界で最も重要と言っても過言ではない米国の大統領選挙が予定されていますが、それをオンライン投票でやるかやらないかという議論も真剣に検討されているところです。

関連記事
新型コロナによって始まった米国大統領選挙の遠隔投票の議論
(本ブログ4月12日記事)

上記4月12日の記事では、著名科学雑誌Scienceの発行元であるアメリカ科学振興協会(American Association for the Advancement of Scienece, AAAS)が、オンライン投票について以下のような意見を発信したとご紹介しました。

現時点では、インターネット投票は米国での投票のための安全な解決策ではなく、また近い将来にはありません。
(中略)
前例のない公衆衛生危機に直面したアメリカの選挙に不可欠なセキュリティ、正確性、有権者保護をより適切に維持するために、インターネット投票システムの使用を許可せず、郵送による投票へのアクセスと早期投票を拡大することを検討することをお勧めします。インターネット投票は安全ではありません。

議論の「目的」と「前提」を見誤らない

上記引用だけを見れば、AAASは「郵送を用いた投票の方がオンライン投票よりセキュリティ面で優れている」という意見ですが、これには「選挙という手法で米国大統領を選出する」という目的と「全米国民が関与し、短期間で投票・開票を行う」という前提があります。この「目的」と「前提」が異なれば、当然ながら「郵送投票の方がオンライン投票より優れている」という結論も変わります。

新技術は小さな成功を積み重ねて育てることが必要

本日ご紹介したジュネーブ商工会議所の例は、まさにそれを表している事例です。米国大統領選挙と目的も前提も異なるこの選挙では、関係者の間でオンライン投票がベストという結論になったのでしょう。オンライン投票も、こうした(大統領選挙と比べれば)小さな成功を積み重ねて、問題点を発見し、改善策を講じ、徐々に市民権を獲得していってもらいたいです。