「質の高い」企業はビジョン・ミッションの浸透から

本記事では、社会的インパクトと経営管理等について、海外の有識者のオピニオン(原典英語)をご紹介します。

記者:Alfred Liu @Bloomberg
URL:https://www.bloomberg.com/news/articles/2020-05-08/ubs-s-lo-says-pandemic-transforming-wealth-management-industry
掲載日:5月8日

ニュース内容

    • スイスの銀行であるUBSのアジア太平洋地域の富裕層向けサービスにかかる共同責任者であるロ氏は、「富裕層向け金融サービスと、その裏側のオペレーションを転換させました。我々の顧客であるアジア太平洋地域の富裕層は、より注意深く、彼らの富を維持することにより関心を払うようになり、大恐慌以来の急激な景気収縮に向かう世界経済における資産構成を再編成しています。」という。多くの顧客の目的は、資産の分散化と変動の大きい相場を上手く乗り切ることだ。
    • ロ氏によれば、富裕層顧客のうち8割程度は環境(E)面、社会(S)面、企業統治(G)面への配慮を行う企業等への投資に対する意識を強めている。「(顧客たちは)持続的成長の重要性を認識しており、ESGに焦点を当てた、より質の高い企業に注目しています。」

トークンエクスプレス社のひとこと

投資家側の行動変容

先日、本ブログにてESG投資のパフォーマンスが、新型コロナウイルスの中で優位さを見せているという記事を掲載しました。

関連記事
新型コロナで見えたESG投資の強さ / 企業経営者は何をすべきか
(本ブログ5月6日掲載)

こうしたパフォーマンスを見て、富裕層たちは、そうしたESG銘柄に対する関心を高めているというニュースです。少しうがった見方をすれば、UBS等の銀行が、ESG銘柄を積極的に顧客に売り込んでいる、というニュースかもしれません。

「質の高い企業」とは何か

ご紹介した記事の中で、「質の高い企業」という言葉が出てきました。「質が高い」という言葉は、多くの人がパッとイメージできる割に、そのイメージが各人でだいぶ異なる可能性のある、注意深く使うべき言葉です。今回の文脈でいう「ESGに焦点を当てた、より質の高い企業」とはどういう企業でしょうか。

あくまで資産保全を考える富裕層たちの目線での「質の高い企業」なので、「今回のような危機下であっても財務パフォーマンスが下がらない企業」ということになります。ESG面全てに従前から備えができており、コロナで毀損するような要素に左右されない経営をしている企業ということでしょう。

ビジョン、ミッションの浸透が「質高企業」への第一歩

私は、それは会社の経営陣の自主性と多様性が徹底されている企業ということになると思います。トップの目のみならず、取締役や執行役員の複数人の視点が活かされ、オペレーションで実現されている企業ということになるでしょう。そうした自主性と多様性が徹底されている企業には、企業の目指すもの(ビジョン)、目的(ミッション)の明確化と、その会社全体での共有が必須です。

スタートアップの世界ではビジョンとミッションが強くアピールされますが、私が普段接している従業員100人を超える中規模企業様になると、ビジョンとミッションの徹底が途端に困難になります。結果として、目標値が定めやすい、直近の売上ばかりに目がいく組織になり、経営陣の自主性と多様性が失われ、リスク耐性の低くなり、「質の低い」企業になってしまうのです。

トークンエクスプレス株式会社では、中規模企業(従業員100人から300人程度の企業)の経営者様に、経営の可視化に関するサービスをご提供しています。ご関心ある方は、お問い合わせページからお気軽にご連絡ください。