医療分野におけるブロックチェーン利用、最大の課題は新習慣への適応

本記事では、弊社の最近の考えをご紹介します。

人の習慣を変えることは最大のチャレンジ

人の習慣や行動を変えるというのはとても大変なことです。特に、本人が差し迫った必要性を感じていない分野において、他者が手取り足取せずに、自ずから習慣の変更を実現してもらうのは至難の業といってもいいでしょう。

本日、ある地域金融機関の方とお話ししていた際に、この事実を再度意識させられました。その金融機関では、顧客からお預かりしている定期預金について、その顧客の戸口まで職員が訪問して集金をしているというのです。日本において定期預金は口座振替が当たり前と思い込んでいた世間知らずな自分にとっては、少し驚きの事実でした。と同時に、開発途上国で広まっているマイクロファイナンスの分野では、金融包摂(誰もが正規の金融サービスを受けられる状態)の実現のための最大の障害は顧客にリーチする難しさ(業界では”Last One Mile”といわれます。)だという当時の気づきも思い出させられました。

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新型コロナによって期待される医療分野におけるブロックチェーン利用

新型コロナウイルスの広まりにより、医療分野におけるブロックチェーン(以下、「BC」)の活用が世界的に注目されています。特に注目されているのは電子カルテ分野だと言われます。BCにより、単一の主体(企業等)が個人データを管理するのではなく、患者自身によるデータ管理を実現できるためです。また、生物医学研究や臨床試験・治験の分野、健康保険分野、医療品サプライチェーン等においてもBCの活用が期待されています。

上記のような分野におけるBCの利用上の課題として、運用コスト、スケーラビリティ(ユーザーの規模や取引量が大きくなったときの運用上の問題)、処理速度の問題等がよく挙げられます。しかしながら、そうした技術的な課題や運用上の課題は、多くの場合他の要素とのトレードオフによって(実用上問題のない範囲での妥協によって)クリア可能です。最大の課題は本記事の冒頭で言及した、人々の習慣の変更の問題だと思います。習慣の問題を乗り越えられるのは、対象の人々が習慣を乗り越える必要性を強く認識したときです。今世界を混乱の渦中に引きずり込んでいる新型コロナウイルスは、その力を持っているのかもしれません。

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メディア:OMICS(生物学のジャーナル)
URL:https://www.liebertpub.com/doi/10.1089/omi.2020.0049

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