食品分野の多国籍企業ダノン、ESG分野注力のため独立委員会設置

本記事では、社会的インパクトと経営管理等について、海外のニュース(原典英語)をご紹介します。

記者:Maitane Sardon, Cristina Roca @THE WALL STREET JOURNAL
URL:https://www.wsj.com/articles/danone-to-place-greater-focus-on-esg-11590004975
掲載日:5月20日

ニュース内容

    • 本社をパリに置く多国籍企業のDanone SA(以下、「ダノン」)は、環境・社会・企業統治の分野(以下、「ESG分野」)に更なる力点を置き、フランス政府の「使命ある企業」のための法的フレームワークに適応するため、社内に独立委員会を設置し、ESG分野にかかる取り組みを監督する取り組みを始めると発表した。
    • 同社は2025年までに米国の非営利団体B Labが運営するB Corp認証を取得するとしており、今回の動きはその一環でもある。なお、B Corp認証は特定の社会面、環境面の指標をクリアする企業に対して発行されるもので、株主の財務的な関心事項と(社会的な)関係者の関心事項の両面のバランスをとるための、法的な説明根拠を企業に対して与える認証とされている。
    • ダノンの取締役会議長兼最高経営責任者であるEmmanuel Faber氏は、自社の(ESG面での)進捗を自分たち自身で監督することができるよう、主要パフォーマンス指標を設計中だとしている。

トークンエクスプレス社のひとこと

ダノンの動きは他の大企業の先行事例になりうる

ダノンは日本でもよく乳製品を見かける多国籍企業ですが、そうした大企業が、ESG分野における進捗の確認のための独立委員会を社内に設置するというのは、他の多国籍企業の今後の追随も期待されることから、大きな一歩だと考えられます。

フランスが2014年に採択した「社会および連帯経済に関する法律」

記事中にありますフランス政府の「使命ある企業」のための法的フレームワークとは、2014年にフランスで採択された法律「社会および連帯経済に関する法律(Law on the Social and Solidarity Economy)」を指していると考えられます。この法律には、フランス政府が「社会的革新(Social Innovation)」を定義する指標を制定し、企業に対して認証を付与し、認証を持つ企業に優遇策を提供するという狙いがあります。(この法律に関する端的な説明がEUとOECDの合名ウェブサイトに掲載されています。)

このフランス政府の施策は興味深く、ダノンのような大企業も意識はしていたと思いますが、一方で法律自身はかなり以前から存在していたものであり、この法律が今回のダノンの意思決定の直接的要因になったとは考えにくいです。

B Corp認証の広まりとESG投資のブーム

今回の意思決定には、米国の非営利団体B Labが運用するB Corp認証が世界的に広まって力を有してきており(現在3,327社に認定付与)、その動きに早い段階から乗っておいた方が企業ブランディング的に好ましいという事情と、新型コロナウイルス感染症の蔓延のなかでESG投資のパフォーマンスが比較的良く、そこへの資金流入が起こっているという背景があるものと考えられます。

なお、ダノンの子会社たちのなかには既にB Corp認証を得ているものもあり、その結果、親会社の取得が有意だという判断もあったものと想像されます。

トークンエクスプレス株式会社では、中規模企業(従業員100人から300人程度の企業)の経営者様に、経営の可視化に関するサービスをご提供しています。ご関心ある方は、お問い合わせページからお気軽にご連絡ください。