スイス、社会インフラとして、自動車ライフサイクル記録の整備に着手

本記事では、持続可能な社会づくりに関する議論やブロックチェーン活用等について、原典がフランス語のニュースをご紹介します。

記者:Steven Wagner @ICT Journal
URL:https://www.ictjournal.ch/news/2020-06-24/le-dossier-automobile-basee-sur-la-blockchain-se-concretise
掲載日:6月24日

ニュース内容

    • スイスの連邦技術革新委員会によって出資され、チューリッヒ大学、ルツェルン応用科学大学、AMAG(スイス最大の自動車輸入業者)、AXA(フランスの保険・金融グループ)、およびアールガウ道路交通局のメンバーによって構成されるCardossier協会 は、車の完全な履歴を記録し、誰でも閲覧できるようにすることを目的としたブロックチェーン・ベースのプラットフォーム作成を始めた。自動車ディーラーのみならず、道路交通局や連邦道路局(OFROU)、保険会社等、自動車のライフサイクルに関わる主体のために、車体データを透明性高くプラットフォーム上で管理する。
    • Cardossierによると、これまで車体データは企業や行政機関などによってバラバラに管理されており、包括的で透明な方法で提示されることはほとんどなかった。ブロックチェーンを使用すると、データは同じ品質で複数の市場プレーヤーにより共有され、常に最新に保たれる。
    • このプラットフォームは、まずは協会のメンバーのために提供される予定だが、その後、今後数年間での一般への開放も計画されている。協会はまた、2年以内に車の輸入と登録のためのデジタル保険証明書の管理に関する機能も提供したいとしている。

トークンエクスプレス社のひとこと

    • 弊社ではブロックチェーンは公益目的での利用が最も有望と考えておりますが、公益目的でのブロックチェーン利用を実現させるには、プロジェクトをいかに限定的な範囲から始めるか、という観点が重要です。解決するとインパクトが大きいが、そのアプローチ範囲を十分に限定できる部分から小さくプロジェクトを開始し、実験→検証→改善のサイクルを繰り返したうえで、徐々にプロジェクト対象範囲を広げていくことが、公益目的でブロックチェーン技術を適用していくうえで必須のアプローチだと考えます。
    • 本日ご紹介した、スイスの自動車の修理履歴、流通履歴等をブロックチェーン上に管理し、行政も自動車輸入業者も保険会社も皆が便利になるブロックチェーンのデータベースというのは、公益に資する事業と言えます。このプロジェクトは産官学の多数のプレイヤーを巻き込んでおり、プロジェクト目的を限定しきらずに開始されています。多数のプレイヤーを巻き込むことで、プロジェクトの難度は大変高くなり、プロジェクトが対処しようとする社会課題も発散してしまう可能性があります。
    • 一方で、プロジェクトを主導する主体が高い調整能力を持ち、巻き込んだ多数のプライヤーから、十分に社会的インパクトを有する限定的な範囲の社会課題を見出すことができ、そこからプロトタイプを作ることができれば、プロジェクトは大きな成果を出すことができるでしょう。
トークンエクスプレス株式会社では、国内外の持続可能な社会づくりに寄与する事業・プロジェクトの企画、構築、運用サービスを提供しています。ブロックチェーン技術に知見がありますが、その利用を前提とするものに限りません。
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