ESG投資熱は社会変化の証か?オーストラリアの古代遺跡爆破が試金石

本記事では、弊社の最近の考えをご紹介します。

世界最大手資源会社による故意の遺跡爆破事件

あまり日本で報道されていなかったと思いますが、世界トップクラスの資源メジャーであるリオ・ティント社が、先月5月24日、オーストラリアの先住民アボリジニが神聖視する、起源46,000年前の洞窟を、鉄鉱石採掘の規模拡張のためにダイナマイトを使って爆破したという事件が起こっています。現場はJuukan Gorgeと呼ばれる2つの洞窟からなる遺跡で、CNNの報道によれば、数万年にわたって継続的に人間が居住していた痕跡がみられるものだったそうです。

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リオ・ティント、先住民の洞窟遺跡爆破し謝罪 豪西部の鉄鉱石開発で
メディア:CNN
掲載日:6月2日

リオ・ティント社は、爆破された地域を管理するアボリジニ団体に対して精神的苦痛をもたらしたことについて謝罪したものの、同事業の実施については2011年以降「包括的かつ相互的な合意」が結ばれており、正当なものであるという立場です。

国際経済資本と地域社会の対立は、外部者には意見しがたい

私はこの事件に関して報道でしか知ることができないので、現時点ではいかなる立場も取ることができません。というのも、企業活動とその現場に根差す地域社会との関係というのは、どちらも正当性を主張し、経緯も長く複雑である場合が多く、外部者が一時の報道内容に基づいて意見することが的外れとなる場合が多いからです。一般に国際的な大企業は経済的体力があり、地域社会はそれがないために、前者が悪者になることが多いですが、第三者から見てよりフェアなのがどちらかという点においては、内部者しかうかがい知ることができませんし、判断できません。

ESGとの関係で、まず注目されるのは投資ファンドの動向

一方で、その企業に投資している投資ファンドたちは、内部者になりうる存在と言えます。少なくともESG投資の理念に理解を示す投資ファンドは、投資先の企業が今回のような社会との関係に疑義を持たれる行動をとった場合、出資者たちを代表して調査を行い、自らの立場を明確にする必要があると思います。

リオ・ティントに投資している投資ファンドたちがこの事象に対してどのように対応するか。それはその個別の投資ファンドのESG投資への真摯さを測る尺度になると同時に、ESG投資に関心を高める社会が、それらの投資ファンドに調査をさせ、結論を表明させるだけの熱意を持っているかを測る尺度になると思います。すなわち、ESG投資への昨今の熱が、真に社会の価値観の変化となるかどうかの試金石に、今回の事件がなりうると言えるのです。

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