モロッコの金融包摂:国民IDへのブロックチェーンの適応

本記事では、持続可能な社会づくりに関する議論やブロックチェーン活用等について、原典が英語のニュースをご紹介します。

記者:Kareem Hussein @Morocco World News
URL:https://www.moroccoworldnews.com/2020/07/307556/how-morocco-can-apply-innovative-methods-to-advance-financial-inclusion/
掲載日:7月2日

ニュース内容

現行のモロッコ国家国家電子身分証明書(CNIE)システムが、ブロックチェーン・テクノロジーとデジタル・ファイナンスの革新的なアプリケーションを通じて再設計され、”e-CNIE”となる予定だ。ベーシック・インカムを安全に実装し、金融包摂の向上ひいては貧困削減、ジェンダー平等に寄与することが期待されている。

金融包摂

多くのモロッコ人は銀行口座をもっていない(成人29%が銀行口座を持ち、口座所有率に約25%の性差がある(世界銀行、Global Findex 2017))。モロッコの男性(15歳以上)の41.5%に対して、モロッコの女性(15歳以上)の約16.8%が金融機関またはモバイルマネーのアカウントを保有(世界銀行、 2017年)。

ベーシックインカム

ベーシックインカム(BI)とは、収入、年齢、または雇用に関係なくすべての人に与えられる現金給付のこと。貧困層に必要な収入を提供するための簡単な手段となる。不正防止ブロックチェーン・テクノロジーを使用することで、低所得世帯に必要な収入を提供でき、貧困緩和を促進できる。

モロッコの国民IDシステムの課題

約2,000万のCNIEが発行済。登録費用はMAD 75($ 7.73)と高額で貧しい家庭では作成できず、全国的なID登録を阻害。CNIEプログラムが、総人口の約60%をカバーすると推定。CNIEは出生証明書、生命証明、国籍証明書、および居住証明書の役割を果たし、銀行口座の作成に使用される。

ID登録の問題点としては、市民登録簿のデジタル化の欠如及び完全な分散化、ID番号の急増、オンラインだが非トランザクション、認証インフラストラクチャが無い、生体認証登録が不完全、国家戦略の欠如、およびCNIEスマートカードのコスト高、他の国家プログラムとの未統合などがあげられる。

豊かで経済的に包括的なモロッコのための革新的なアプローチ

モロッコは、この生体認証全国IDプログラムのインフラストラクチャとして、分散型の分散型デジタル台帳を作成・実装し、金融機関、およびモロッコ銀行の口座を各国民に提供する予定だ。ブロックチェーン技術を用いたこの革新的なアプリケーションは、経済的包摂促進、貧困緩和に貢献する。

トークンエクスプレス社のひとこと

    • 日本でマイナンバー・カードが最近になって普及しつつある一方、開発途上国ではかなり以前から国民IDを証明・管理するためのIDカードの配布を行っている国が多くあります。本日ご紹介したモロッコの事例は、その国民IDの仕組みを金融包摂(正規の金融機関によって提供される広範な金融サービスに、個人やビジネスがアクセスできる機会を有し、また利用することができる状態)に活かそうという試みに関するものです。
    • 現状の国民IDシステムの課題が具体的に書かれていますが、この記事に記載の限りだと国民IDの管理状況としては相当の課題が存在し、システムの信頼を脅かすレベルのものもあるように見受けられます。
    • ブロックチェーンによって課題の解決に期待している模様ですが、ブロックチェーンでの改善が期待されるのは、例えば中央サーバーの管理負担の軽減といった点であり、列記された課題がブロックチェーンの利用でいきなり全て改善するものではありません。トライ&エラーを重ねながらの継続的な努力が必要でしょう。
トークンエクスプレス株式会社では、国内外の持続可能な社会づくりに寄与する事業・プロジェクトの企画、構築、運用サービスを提供しています。ブロックチェーン技術に知見がありますが、その利用を前提とするものに限りません。
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