ブロックチェーン技術でバッテリーのサプライチェーンを可視化

本記事では、持続可能な社会づくりに関する議論やブロックチェーン活用等について、海外の有識者のオピニオン(原典英語)をご紹介します。

本日は、海外有識者のオピニオンをご紹介します。

記者:PV Magazine(Alexander Preston@SAFE)
URL:https://www.pv-magazine.com/2020/07/04/the-weekend-read-adding-blockchain-to-battery-supply-chains/
掲載日:7月4日

オピニオン内容

    • 携帯電話、電気自動車、および代替エネルギーの需要が増加し続けているため、バッテリーのサプライチェーンは重要なテーマ。エンドユーザーが、バッテリーの原材料調達、加工、製造過程で環境、人道、および社会へ与えた影響を追跡することはほぼ不可能だった。ブロックチェーン技術の実装により、バッテリー材料の来歴に可視性を与えることができるようになる。
    • サプライチェーンのトレーサビリティは、責任ある調達に関する投資の観点からも重要。サプライチェーン上の多様なアクターがそれぞれ独自に記録を保持しているため、非効率で、セキュリティの問題が発生する傾向にある。しかし、ブロックチェーン技術の適用し、単一データベースにすべてを記録することで、エラー減少、リスク軽減、ビジネスプロセスの簡素化、仲介者の減少による取引コスト減も見込まれる。例えば鉱物の追跡にブロックチェーン技術を使用した成功例の1つは、ダイヤモンド業界。De Beersは、Tracr(ダイヤモンドの採掘時にデジタルバージョンが作成され、鉱山の起源から最終顧客まで追跡するシステム)を独立した企業として設立し、業界に普及。
    • ある時点のサプライチェーン関連書類は膨大。例えば、国、倉庫、港湾、処理業者等の間で材料が移送されると、相互に依存する大量の書類が作成される。手動のやり取りでは、常にエラーや破損のリスクが存在する。ブロックチェーン技術適用により、各トランザクションが瞬時にブロックチェーンに保存され、エラーがすぐに表示されるようになる。さらに、書類間の関係をすべて公開で検証することができ、ドキュメントの改ざんは事実上不可能となる。
    • ブロックチェーン技術の適用を通じて、すべての利害関係者が、あらゆる材料のライフサイクルの信ぴょう性に関する標準化されたデータへリアルタイムにアクセスできるようになる。これにより、コンプライアンスを確保のためのコスト削減や情報漏洩のリスク軽減にもつながる。

トークンエクスプレス社のひとこと

    • あらゆるモノにサプライチェーンは存在するものの、サプライチェーンの「重要性」、すなわちどの製品のサプライチェーンが特に管理を必要とするのかは、原油や軍事利用製品等、極端に重要性の高い物品を除いて、普段ほとんど意識することがないでしょう。これはサプライチェーンを「可視化」することが、これまでの技術ではとても実現できなかったからだと考えます。目の前にあるのは製品だけであり、その来歴は目に見えないからこそ、そのサプライチェーンが重要性などには思考が至らないのです。
    • しかし、ブロックチェーンという技術の誕生により、サプライチェーンの可視化が可能になりました。結果として、ブロックチェーンに載せて管理しようとする対象になったサプライチェーンが、社会的・経済的に重要なサプライチェーンなのだとわかるようになりました。これはとても興味深いことです。
    • 一方で、技術的に管理が可能になったとしても、その実践にはまだ大きなコストがかかります。多くの関係者を巻き込んでサプライチェーンのブロックチェーン管理を実現するためには、その実現によってコストを上回る大きな便益を得る旗振り役が必要です。
    • 冒頭よりお話ししている「サプライチェーンの重要性」という観点でも、結局は「誰にとって重要なのか」という視点が存在し、それが、ある特定の社会にとって重要であるという場合は公的な機関が旗を振るでしょうし、ある特定の企業にとって重要であればその企業が旗を振るということになるでしょう。

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