スリランカ中央銀行、ブロックチェーンベースのKYCに向け前進

本記事では、持続可能な社会づくりに関する議論やブロックチェーン活用等について、原典がフランス語のニュースをご紹介します。

記者:NICHOLAS SAY @Coin.24
URL:https://coin24.fr/actualites/le-sri-lanka-designe-des-entreprises-pour-travailler-sur-le-systeme-kyc-base-sur-la-blockchain/
掲載日:7月13日

ニュース内容

    • スリランカ中央銀行は、概念実証段階にあるブロックチェーンベースの本人確認(Know Your Customer, KYC)システム開発のための開発業者を絞り込んだ(開発者のショートリストを作成した)。昨年、スリランカ中央銀行は、銀行のセキュリティと詐欺防止を強化するために、ブロックチェーン技術を同国の銀行システムに統合したいと述べていた。現在、中央銀行はどのようなタイプのプラットフォームを開発できるかを発表しようとしている。
    • 同行のD.Kumaratunge理事によると、国内外の36社がプロジェクトに参加し、国内2社、国外1社が選ばれた。KYCとは、銀行口座を開設したい潜在的な顧客について、彼らが誰であるかを確認することを可能にする検証プロセスである。KYCのプロセスには、本人確認書類の確認、公共料金の支払履歴、顔面および生体認証等が含まれる。従来、このプロセスでは大量の書類確認と人的な作業が必要で、ブロックチェーンを使用することでKYCの手順を簡素化することができる。

トークンエクスプレス社のひとこと

本日ご紹介した上記の記事にて、「ブロックチェーンを使用することでKYCの手順を簡素化することができる。」と記載がありますが、これは少し言葉足らずです。KYCの手順そのものがブロックチェーンによって簡素化できるわけではなく、「同一の人物のKYCを複数の金融機関が別々に何度も行う手間を、ブロックチェーンで共有化されたデータを用いれば、一度で済む。」という意味だと思います。すなわち、Aさんに銀行口座を提供しようとする金融機関Xがあったとして、スリランカの別の金融機関YがAさんのKYCを既に実施していてその情報がブロックチェーン上で共有されていれば、金融機関XはAさんのKYCを実施する必要がない、もしくは簡素化できるという意味でしょう。

ブロックチェーンを用いたKYCというのは、実は日本ではすでに実証実験が実施されています。(下記関連外部記事ご参照)

関連外部記事(ニュースリリース)
ブロックチェーン技術を活用した本人確認(KYC)高度化プラットフォーム構築の実証に係る報告書を公表
発信者:デロイトトーマツコンサルティング
掲載日:2018年7月13日

メガバンク三行や主たる証券会社が参加し、金融庁、日銀もオブザーバーとして参加したこの実証実験は、ブロックチェーンのKYC実務への活用が技術的に実施可能であると認められつつも、利用者の需要が大きくない見込みや利用者に利便性の面でメリットが少ない等の考えが示されています。KYCの法整備がしっかりしている日本においては、そこと折り合いをつけつつブロックチェーンを適用しようとすると、劇的なメリットが見いだせない、ということのようです。

スリランカのKYCに関する法制度について存じ上げませんが、既存の法制度に改善の余地がある国では、メリットを作りやすいかもしれません。

トークンエクスプレス株式会社では、国内外の持続可能な社会づくりに寄与する事業・プロジェクトの企画、構築、運用サービスを提供しています。ブロックチェーン技術に知見がありますが、その利用を前提とするものに限りません。
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