廃棄物問題に立ち向かう活動に寄付する仮想通貨プラットフォーム

本記事では、持続可能な社会づくりに関する議論やブロックチェーン活用等について、原典が英語のニュースをご紹介します。

記者:Darrel Moore @Circular.
URL:https://www.circularonline.co.uk/news/partnership-brings-benefit-of-blockchain-to-global-fight-against-plastic-pollution/
掲載日:7月16日

ニュース内容

    • エジンバラを拠点とする仮想通貨プラットフォームであるZumoが、廃棄物管理に関するNPO団体WasteAidと協力し、発展途上国のプラスチック汚染対策活動をサポート。Zumoは、途上国で推定17億人が金融サービスにアクセスできていない状況をブロックチェーン技術で解決しようとしている企業。
    • このパートナーシップを通じて、Zumoユーザーは、Zumoアプリを介して仮想通貨(暗号資産)あるいは法定通貨で送金、交換、購入、支払いを行うたびに、WasteAidに資金を自動的に寄付できる。資金はすべて、WasteAidの活動、特に実用的で低コストの廃棄物管理の専門知識やその公衆衛生上の利点を、コミュニティへ提供する活動に利用される。
    • WasteAidは、企業、コミュニティ、および政府に廃棄物管理に関する研修等を実施し、海洋プラスチック汚染を防ぎつつ、貧困に暮らす人々に持続可能な収入源を提供。WasteAidはさらに、既存の活動に加えて、南アフリカ、インド、ベトナムでグリーン起業家を支援するイニシアチブを立ち上げている。
    • Zumoのニック・ジョーンズ氏によれば「ブロックチェーンテクノロジーと廃棄物管理は異なる目的に見えるが、実際には、コミュニティに力を与え、世界中の人々の長期的で持続可能な生活を生み出すという共通のビジョンを共有している。」
    • WasteAidのセリス・ターナー-バイレス氏によれば、「世界の3人に1人は廃棄物管理サービスを享受しておらず、廃棄物を焼却または廃棄する必要があり、深刻な健康問題を引き起こすと同時に、海洋ごみや気候変動等の問題を引き起こしている。」

トークンエクスプレス社のひとこと

仮想通貨の送金、交換、購入、支払行為が、特定のアプリを介すると、非営利団体への寄付が行われるという仕組みの記事です。仮想通貨取引のプラットフォームを提供している会社とすれば、自社のマーケティング施策の一環なのだろうと思います。
一方で、仮想通貨関連の取引規模がまだまだ小さい中で、寄付額が小さいだろうという点と、仮想通貨取引と廃棄物管理とのテーマの距離がありすぎて、話題作り以上の効果を期待するのが難しいと感じます。

世界の廃棄物処理問題は、仮想通貨取引の手数料の一部程度では賄いきれないほど、社会資源を必要とする重大な課題です。都市における人口の集中や、生活用品へのプラスチックやビニール等の浸透により、街中にごみがあふれることになります。廃棄物処理は都市設計の一部です。当然、自治体等の責任として対処されるべきですが、財源不足、自治体の計画能力・実施能力不足等により、廃棄物処理に関する問題が発生している街は世界中に存在します。

寄付で賄われるべき問題ではありません。もっと大掛かりな仕組みで、社会全体で対処すべきレベルの問題です。現状、上手く対処できていない自治体があれば、他の自治体との連携や、社会の資金の流れを変えるほどの対策を打たなければなりません。

本ブログで以前ご紹介した、国連の機関UNDPと非営利団体FairChain Foundatoinとが共同で実施している”The Other Bar”プロジェクトは、企業が支出する広告費を、貧困削減に振り向けさせるための実験的プロジェクトです。「資金の流れを変える」というアプローチの方が、持続的な社会づくりにより大きな成果をもたらす可能性があるうえ、マーケティングとしても優れたアプローチだと感じます。

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