持続的社会づくりに意欲的な企業例:米国オン・セミコンダクター社

本記事では、社会的インパクトと経営管理等について、海外のニュース(原典英語)をご紹介します。

記者:Patrick Moorhead @Forbes
URL:https://www.forbes.com/sites/moorinsights/2020/07/23/on-semiconductor-issues-a-differentiated-annual-csr-report/#618cd6010872
掲載日:7月23日

ニュース内容

    • 米国の大手半導体メーカーであるON Semiconductor社(以下、「オン・セミコンダクター社」)が、2019年度CSRレポートを発行した。オン・セミコンダクター社のCSRレポートは、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の蔓延の中にあっても倫理観に基づいて活動すること、(他者への)尊重、誠実さ、そしてイニシアティブの存在の重要性を示し、併せて、同社がそれらの保持に注力してきていることを示している。同社の「倫理および企業の社会的責任プログラム」は今年、同社内でCEO報告事項へと格上げされた。これは意義あるオペレーション変更であると言える。
    • オン・セミコンダクター社のサプライチェーンは、素材の供給者、鋳造所、下請等多面的の直接的取引先から、材料供給者、専門サービス提供業者等の間接的取引先まで、多面的な構造を有しており、世界中で10,000社程度存在する。オン・セミコンダクターの中核的価値(誠実さ、村長、イニシアティブ)の遵守の一部として、同社はその供給者に対して、高い水準で社会的責任を果たすことを求めている。例えば、安全な労働環境、尊厳と尊重を持った従業員待遇、人身売買と奴隷の禁止、倫理的対応の促進、環境への責任の履行等である。また、暴力や人権侵害の原因となる紛争鉱物への対処も重要視している。
    • さらに、オン・セミコンダクター社は、2019年に財団を設立し、同社の従業員が理事会を運営している。同財団は、オン・セミコンダクター社が実施するGlobal Corporate Giving Program (GCG)およびEmployee Volunteer Program (EVP)に参加している。
    • オン・セミコンダクター社の半導体産業のイノベーションへの意欲は、同社の尊重、誠実、イニシアティブ重視の精神に基づくものだ。同社は、同社への供給者の社会的責任を管理し、同社の従業員の寄付やボランティア活動を奨励している。深く多様で包括的な価値観を社内に取り込むことで、企業文化において他社との差別化に成功し、業界のリーダーシップを示している。

トークンエクスプレス社のひとこと

ESG投資、インパクト投資が盛り上がる中で、優れた取り組みを行っている企業の事例を学ぶことは、目指す方向性を確認する意味で重要と言えます。本日ご紹介したオン・セミコンダクター社が担う半導体産業は、そのサプライチェーン上の原材料の生産や加工過程において、社会的な課題を含む可能性が高い産業といえます。そうした社会課題への企業の対処に、世界中の非営利団体等が目を光らせています。自社が社会的課題の原因とならない(非営利団体に糾弾されない)ように気を配るだけにとどまらず、サプライチェーン上を通して、社会にポジティブな影響を与えようとしている事例として、オン・セミコンダクター社はForbes誌に紹介されています。

88ページにも上る同社のCSR(企業の社会的責任)レポートは、それほど目新しい構成とは言えませんが、同社が社会的責任について、CEOレベルに報告する事項としているという点は、同社が企業として社会的責任を果たそうとしている意欲を、一定程度示していると考えます。

オン・セミコンダクター社の取り組みは、同社が自ら検討して取り組むからこそ意義のあるものであり、他社がこの真似をすべきということではありません。その観点では、企業の社会的責任(CSR)、ESG(環境配慮面、社会配慮面、企業統治面)評価等について、複数企業を横並びで比較することは容易ではありませんし、合理的でもありません。むしろ社会的責任への配慮にかかる、企業自身による情報公開の促進、開示方法の標準化に、業界は注力すべきです。ESG投資等に取り組む投資家は、単純化された指標や評価で投資決定をすべきではなく、企業が公開している情報を基に、自らの価値観に照らして投資判断を行い、その判断基準を開示していくべきだと考えます。

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