ルクセンブルグの社会的責任投資リーダーの視点

本記事では、社会的インパクトと経営管理等について、海外の有識者のオピニオン(原典英語)をご紹介します。

有識者:Nathalie Dogniez of PWC in Luxembourg @DELANO
URL:https://delano.lu/d/detail/news/green-finance-systematic-consideration-sustainability-risks/211130
掲載日:7月24日

オピニオン内容

    • PwC(訳者注:PricewatherhouseCoopers、ロンドンを本拠とする世界4大会計事務所の一つ)のルクセンブルグのパートナー社員であり、持続的投資分野のリーダーでもあるNathalie Dogniez女史は、20年以上前にマイクロファイナンス(訳者注:発展途上国を中心に広がっている、低所得者層向け小口金融のこと)に出会い、持続的投資分野に関わることとなった。まず彼女は社会的責任投資(Social Responsible Investment、SRI)に関して関心を寄せ、そこから派生したESGアプローチ(環境、社会、企業統治の側面に配慮した投資手法)のうち特に環境面において自身の信念に基づいた活動を行うようになった。彼女はルクセンブルグ投資業協会(the Association of the Luxembourg Fund Industry)に対して、SRIワーキンググループを立ち上げるよう提案し、自身がその議長となった。
    • 彼女は今、持続的投資にかかる真の革命が眼前で起こっており、投資における非財務的要素とそのリスクに係る体系的な検討が真剣になされているという。彼女はよく「ESG準拠」の判断根拠となる定義について問われるが、「ESG」と「準拠(予め定められた物事に追従・迎合すること)」は相矛盾する用語と言い、世界共通のESGの定義と手法は存在しないという。投資家の価値観を反映した投資となることが、標準的な定義や手法に則ることよりも重要だというのだ。例えば、生態系の保護に関心のある投資家は、アルコール産業への投資の是非について関心を持たない可能性があり、それが否定されることではない、という趣旨である。持続可能性の概念は、個人的な概念であるとし、その投資の責任は個人が負うべきであって、それはすなわち、金融商品の持続可能性へのアプローチ方法にかかる透明性(説明責任)が重要な要素であることを示す、としている。

トークンエクスプレス社のひとこと

私が社会的責任投資(SRI)という言葉に出会ったのは8年ほど前だったかと記憶しておりますが、当時は全くマイナーな言葉であり、ごく限られた一部の理想主義的な人々の夢、というような扱いだったと記憶しています。それが実は20年も前からあった概念だったというのは驚かされました。

マイクロファイナンスは1970年代から存在しています(有名なグラミン銀行が融資を開始したのは1976年です)。1990年代頃からマイクロファイナンスへの原資の出し手が、開発金融機関(途上国の社会開発・経済開発に取り組む金融機関)から社会投資家や資本市場に移行しました。その後、ビル・ゲイツと世界銀行が協力し、マイクロファイナンスの提供者と各国の市場環境に関する世界的な調査を実施しました。この標準化された指標に基づいた世界レベルの調査によって、国境を越えるマイクロファイナンス投資が加速しました。

本日ご紹介したNathalie Dogniez女史同様、私も2013年から2016年までエジプトでマイクロファイナンスの実務に関わる中で、営利と両立する社会的責任投資の可能性に目覚めました。ルーツが似ているため、ESG投資・評価に関する彼女のスタンスに共感できるのかもしれません。

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