気候変動に偏りがちな環境問題、生物多様性も重要

本記事では、社会的インパクトと経営管理等について、海外の有識者のオピニオン(原典英語)をご紹介します。

記者:Billy Nauman @ Financial Times
URL:https://www.ft.com/content/100f0c5b-83c5-4e9a-8ad0-89af2ea4a758
掲載日:7月29日

オピニオン内容

    • 森林やサンゴ礁を含む生態系への被害は、世界経済に多大な影響を与えると予測されている。環境(E)、社会(S)、ガバナンス(G)への投資が金融業界全体に広まっているが、ESGの「E」は気候変動を緩和する試みとほぼ同義語となっている。しかし、気候だけでなく生物多様性の損失や生態系の破壊に起因する重大な財務リスクを注視する必要がある。
    • 世界自然保護基金(WWF)によると、森林、草原、サンゴ礁などの生態系への損傷、およびそれに伴う生物多様性の損失により、2050年までに世界経済が約10兆ドル損失する可能性がある。損失は、作物収量と漁獲量の減少、洪水やその他の自然災害のリスク増大に起因する。
    • 投資家や企業は、自然界から得られる利益に値段を付けることにたびたび失敗する。それは主にデータと測定基準の欠如に起因する。気候変動は、「二酸化炭素(CO2)換算」など温室効果ガス排出を定量化する標準方法があるが、生物多様性に関しては、同様の測定基準がない。
    • 私たちは生態系の生物多様性からさまざまな方法で恩恵を受けているが、これらの利益にお金を払っていないため、価格を設定する習慣がない。現在、マイクロソフトなどの企業や、国連環境計画の金融イニシアチブ(UNEP FI)などの組織が、人間や企業が自然界から受ける価値を定量化するプロジェクトを立ち上げている。また、UNEP FIは、英国やスイスの政府、WWFなどと協力して、自然関連の財務情報開示に関するタスクフォース策定を発表しており、今後、自然の価値設定や財務関連の指標設定が進んでいく可能性がある。

トークンエクスプレス社のひとこと

何かを評価する際、特に複数の選択肢の比較を不特定多数に示す必要がある場合に、定量化された指標が必要になります。この指標化において、金銭価値は、万人に価値を伝えるために有効な指標です。

気候変動においては、温室効果ガス排出量、特に二酸化炭素の排出量がその比較検討によく用いれられます。これは、さまざまに存在する事業のほとんどで二酸化炭素を排出するため、各事業が気候変動に与える影響を比較するのに二酸化炭素の排出量が便利だからです。

本日ご紹介した記事のテーマである「生物多様性」については、そうした指標が今後出てくるでしょうか?

私は、生物多様性全般を横断的に評価する指標を定めるということが意義のあることなのか、疑問に感じます。生物多様性においては、その課題も多様であり、各課題の重要度、解決策の甲乙の付け方も多様であるといえます。こうした場合には、指標もそれを利用する個々人の価値観によって大きく異なる可能性があります。

生物多様性においては、横断的な指標を用いることよりも、各課題に対して問題意識を持つ人たちに「刺さる」個別指標を、わかりやすく「デリバリーする」ことが重要であり、そのための「情報開示の標準化」の方が重要だと考えます。

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