米国大手IT企業主導の標準化組織、炭素排出量トークン標準化へ

本記事では、持続可能な社会づくりに関する議論やブロックチェーン活用等について、原典が英語のニュースをご紹介します。

記者:Leo Jakobson @ Modern Consensus
URL:https://modernconsensus.com/technology/interwork-alliance-tokenize-carbon-emissions/
掲載日:7月29日

ニュース内容

    • 非営利のブロックチェーン業界団体であるInterWork Alliance(IWA)が炭素排出量取引プログラムで使用できるブロックチェーン・トークン(訳者注:価値を表象するデータ単位)の基準を制定するワーキンググループ設立を発表。企業が多くの地球温暖化削減計画で使用される炭素排出クレジットを売買しやすくすることを目指している。そのため、特定のブロックチェーンのトークン規格ではなく、任意のプラットフォームで機能するトークンの基準制定を試みている。
    • 太陽光発電や植林イニシアチブなどのグリーンプロジェクトからカーボンオフセット・クレジットを購入できるようにするプログラムは多くあるが、2015年のパリ協定第6条が炭素市場の創設を決定し、はるかに重要性が増した。
    • IWAは、ERC-20(訳者注:ビットコインに次ぐ規模のブロックチェーン”Ethereum”の規格の一つ)等のブロックチェーン・プロトコルではなく、温室効果ガス削減市場に固有の、中立的なトークンの標準に取り組んでいる。IWA規格は、さまざまな業界間、国家間での炭素市場の作成と運営を容易にすることを目的としている。
    • 6月に設立されたIWAは、各プログラムのトークンの「価値」がどこでも等しくなるようにすることを目的として、トークンを補完する認証基準を作成する予定。IWAのメンバーには、アクセンチュア、マイクロソフトなどのブロックチェーン技術を扱う企業や、Digital Asset、Chainlink等の業界企業が含まれる。

トークンエクスプレス社のひとこと

本日ご紹介したInterWork Alliance(IWA)には、2020年6月2日に立ち上げられた新しい団体で、米国の大手IT企業(マイクロソフト、IBM、アクセンチュア等)、ブロックチェーン専門テック企業に加えて、World Economic Forum(WEF)や、Nasdaq等の企業も含まれています。インターネットの黎明期には、特に米国のIT企業たちによる熾烈な「標準化」競争が行われましたが、IWAに参加しているメンバーが米国を代表する企業たちを含んでいることを鑑みると、ブロックチェーンが生み出すトークン(価値を表象するデータ単位)の標準化競争においては、個別企業同士の争いではなく、最初から米国、中国、欧州等の国家レベルの標準化競争となりそうな様相を呈しています。

記事中にもありますERC-20は、トークンの規格としては現状最も普及したもののひとつですが、どこかの企業、または企業群が主導するものではありません。支持者が多いから、最も普及しているという、ブロックチェーンらしい「在野」の規格と言えます。一方のIWAは大企業たちが連合を組んでいるものです。IWAはブロックチェーンの種類にかかわらず利用できる標準を作るとしていますが、既にERC-20の規格でサービスを提供している企業としては、IWAの動きから目を離すことはできないでしょう。そうした意味で、IWAの誕生は、ブロックチェーンの世界に、資本の論理が本格的に介入してきたことを示すものだといえます。

トークンエクスプレス株式会社では、国内外の持続可能な社会づくりに寄与する事業・プロジェクトの企画、構築、運用サービスを提供しています。ブロックチェーン技術に知見がありますが、その利用を前提とするものに限りません。
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