ロナルド・コーエン卿「インパクト投資が資本主義を永遠に変えうる」

本記事では、社会的インパクトと経営管理等について、海外の有識者のオピニオン(原典英語)をご紹介します。

記者:Marina Gerner @RACONTEUR
URL:https://www.raconteur.net/finance/responsible-investment-2020/sir-ronald-cohen
掲載日:2020年8月9日

オピニオン内容

    • ロナルド・コーエン卿は、英国のベンチャーキャピタルの父であり、社会的インパクト投資のパイオニアとして知られている。現在75歳のコーエン卿は、「2000年に英国財務省から、貧困の問題をベンチャーキャピタル的視点で取り組むことが可能か、という電話を受けたときから、社会的インパクト投資家としてのキャリアが始まった。」という。
    • ピーターバラ刑務所で再犯率を下げることに成功した世界初のソーシャル・インパクト・ボンド(SIB)が彼の功績として有名だ。この事例の核心は、事業の社会的成果(アウトカム)に基づく財務的成功のために、投資家が社会的事業に投資することだ。この投資は、社会的に意義のある成果を達成できてこそ、リターンが生まれる仕組みだ。
    • 「それは世界が向かう方向を示していた。」とコーエン卿は言う。ビジネスの世界では、リスクとリターンに基づく事業評価から、リスクとリターン、そして社会へのインパクトに基づく評価へとシフトしている、というのだ。
    • 大恐慌の前、企業はそれぞれ独自の会計原則を用いていたが、1933年に米国政府は企業が一般に受け入れられている会計原則に従って口座を更改し、監査を受けることを義務付けた例を引きつつ、「私たちは今、1929年と同様に歴史的な岐路に立っていると思う。」とコーエン卿は言う。すなわち、企業が、その事業がもたらす社会的インパクトを報告・開示するよう、政府による義務付けを行うべきだというのだ。新型コロナウイルス感染症によって人々の価値観が揺さぶられている今、そうした転換を行うために歴史的な時期であり、それを実現する決意が必要だと、コーエン卿は締めくくった。

トークンエクスプレス社のひとこと

コーエン卿は社会的インパクト投資の分野では著名なリーダーです。2000年前後から貧困地域限定の社会的インパクト投資ファンドを立ち上げています。彼は、2018年のイベントで、2020年に社会的インパクト投資の転換点がやってくると予想していました。(参考資料:笹川平和財団ウェブサイト

まさかその年に感染症の世界的流行が発生するとまでは予想していなかったでしょうが、確かに今年はインパクト投資にとってチャンスの年、または期待を失望に変えないための試練の年になると、私は感じています。

彼の意見では、政府の規制整備がキーになるとしていますが、私は異なる意見を持っています。行政による規制というのは市場において具体的実例が多く存在し、多数の人々が必要と考える規制のイメージを共有している状態になったところで整備されるものですので、現時点でインパクト投資普及のキーに行政の規制を位置付けてしまうのは悪手だと感じています。それよりも実例を積み重ね、市場に熱狂的な「ファン」を作り上げ、エネルギーを充填する活動にリソースを割くべきでしょう。

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