軽視できないESG投資の「グリーンウォッシング」:韓国の事例

本記事では、社会的インパクトと経営管理等について、海外のニュース(原典英語)をご紹介します。

「グリーンウォッシング」とは

「グリーンウォッシング」は歴史の古い言葉で、「ESG」という言葉が出るよりも前から使われていたものです。環境面での配慮を行っているように見せかけているが、実際にそうではない活動のことを指します。グリーンというイメージが表すように、環境配慮面を対象に使われていた言葉でしたが、環境面に加えて社会面、企業統治面を含む概念であるESG投資においては、環境面以外でも同様の偽称が行われる可能性があります。

規制の弱い韓国で課題となるグリーンウォッシング

Financial Timesが韓国のESG債券市場において、大々的にグリーンウォッシングが発生していると指摘しています。

関連外部記事
Asia’s biggest market for ESG debt hit by `greenwashing` concerns
メディア:Financial Times
掲載日:8月16日

上記外部記事によれば、韓国は2020年にESG債券の発行額でアジア最大となり、119億ドル(約1兆2,700億円)に達したようです。(日本は95億ドル、中国は90億ドル。)しかしながら、韓国のESG債券の発行に際しての規制フレームワークは用意されておらず、例えば韓国ガス公社が発行した5億ドル(約530億円)の「持続可能性ボンド」では、ほんの一部だけが低炭素輸送プロジェクトに割り当てられ、残りは「天然ガスバリューチェーンにおける雇用創出」として通常の業務に用いられていたようです。

韓国の事例は世界的課題の氷山の一角

これは、「ESG」という切り口が持つ根源的な課題を浮き彫りにしています。この韓国の事例の何がいけないのでしょうか?どのようにするのが正解だったのでしょうか?「ESG」と聞いて多くの人がイメージする資金使途と、韓国ガス公社の用途とに相違があり、多くの人から見て韓国ガス公社が投資家を「欺いている」ととらえられることをしていたことが課題であることはわかります。

しかし、雇用創出は持続可能な社会づくりには全く貢献しないものでしょうか?もしくは、二酸化炭素排出の少ない輸送に対する投資が、雇用創出よりも、社会にとって持続可能な投資と言えるでしょうか?

ESGは、かなり幅広い解釈を許容する言葉です。実はそうした言葉は、規制とはかなり相性の悪いものと言えます。ESGという言葉は、こうした「概念」「考え方」が存在するということを世の中に広く知らしめた時点で、一定の役割を果たしたとする割り切りが必要だと考えています。

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