ESG報告書に企業の実力が露呈する時代

本記事では、社会的インパクトと経営管理等について、弊社の最近の考えをご紹介します。

ESG投資の盛り上がりの先に、企業のESG報告書の充実

環境面、社会面、企業統治面を考慮して投資先を決めるファンド(ESGファンド)への資金流入の増加が盛んに報道されていますが、ESG投資が当たり前になることが、ESGという考え方のゴールではありません。ESG投資という考え方には価値はありますが、資金の流れの変化だけで社会が持続可能になるわけではありません。

その資金の投資先である「活動」がESG側面に配慮したものであること、さらにはそうしたESG配慮型の活動が、世界的に主流になっていくことが目的であるべきです。

進む欧米企業のESGコミットメント

こうしたESG配慮型経営をする企業は欧米で増えている印象です。ESGにも意識を向けていますよ、と表向きアピールする企業は以前からありましたが、そのESG配慮活動の質・量の拡充や、コミット(約束)する資金の規模を増加させる企業が増えています。

国際的な消費財メーカーであるユニリーバは、気候変動事業に10億ユーロ(約1,254億円)投資を行い、2039年までにすべての製品の正味の温室効果ガス排出量をゼロにすると発表しています。

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ユニリーバ、気候変動基金に10年間で10億ユーロを投資
(本ブログ6月18日記事)

米国の大手小売業者であるクローガー(Kroger)は最近、2020年度版のESG報告書を発表するのに際し、「ESG配慮を経営戦略に統合し続けていくことを約束する。」としています。同社は2019年にマイノリティおよび女性が所有する事業に34億ドル(約3,600億円)の投資を行うことを示しており、これは2年間で30%もの増額となるようです。

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記者:Anne Allen @deli MARKET NEWS
掲載日:8月19日

ESG報告書に、その会社の実力が現れる

ご紹介したクローガーの2020年度のESG報告書を見ると、その内容の充実ぶりに驚かされます。

面白いのは、ここまで徹底したESG配慮活動の実施と、結果の追跡、取りまとめ、社外への発信が、同社の経営能力の高さを表していると言える点です。同社はChief Sustainable Officerを配していますが、それがカタチばかりではなく、ESG配慮が既に経営戦略の一つとして実践されていることを、ESG報告書は示していると感じます。

日本でこのレベルの報告が出来ている企業は、寡聞にして存じ上げませんが、ESG投資が盛り上がる今の傾向が続けば、ESG報告書を見てその企業の経営能力を測れる時代がやってくると確信します。

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