ESG格付業者はデータ・テクノロジーの領域へ

本記事では、社会的インパクトと経営管理等について、弊社の最近の考えをご紹介します。

昨日、本ブログにて、ESG投資において投資家の主要な情報源となるESG格付情報と、実際の投資先から得られる経済的リターンとの関係には、地域(米国、欧州、日本等の単位)による差異がありうるというお話しをしました。

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ESG格付と経済的リターンとの相関関係、地域性があるか
(本ブログ8月30日記事)

この地域性について考えるには、ESG格付を付ける業者の実務まできちんと把握する必要があります。

最近のESG格付の裏側

伝統的なESG格付では、一般に得られる情報は活用しつつも、格付業者が格付対象企業にアンケートやヒアリングを行い、対象企業自身から情報を得ることが、格付行為の中心にありました。

しかし、それでは企業に不利益な情報がなかなか得られないのと、データの入手サイクルが非常に長くなることが課題となります。つまり、ほとんどの企業はESGに関する情報を1年ごとにしか発行しないため、そこにESG格付が依存してしまうと、投資家にとって役立つタイムリーな情報を提供できません。そのため、一般に得られる情報を、より広く、より深く、より早く収集してESG格付に反映する仕組みが必要になります。

そうした理由から最近では、ESG格付業者はウェブ上にでるニュース情報なども含めて、広範な情報を大量に取得し、それを活用するようになってきています。それほど多くの情報を収集し、処理し、格付に反映するためにはマンパワー(人力)だけでは不十分です。そのため、昨今のESG格付業者は、データ・テクノロジー分野で多くの投資を行っています。

ESG格付の元情報の収集、ロジックに地域性

こうした大量のデータの取得と処理は、一見客観的に行われるように見えますが、実際にはその取捨選択とロジック構築において、地域性が出ます。

例えば、最近の米国のBlackLivesMatter(黒人の生命も大事だ)運動により、米国においては、企業の雇用の現場における多様性の有無が、今年のESG投資における大きな評価軸になろうと思います。一方で、日本の投資家が日本企業へのESG投資を考える際には、雇用の現場における黒人への配慮状況などは、米国ほど重要視されないでしょう。

ESG格付業界は現在、欧米の格付業者に席巻されている業界ですが、今後はこうした地域性にも目が向けられ、市場が細分化してくると考えられます。

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ESG data – mind the gaps
記者:Lucy Fitzgeorge-Parker @EUROMONEY
掲載日:8月27日

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