技術がもたらす価値の違い:インターネットとブロックチェーン

本記事では、弊社の最近の考えをご紹介します。

アラブ首長国連邦が発表したブロックチェーン・プラットフォーム

最近、アラブ首長国連邦(UAE)が、農産品売買のための電子プラットフォームの提供を発表しました。これは、インドの地方部に所在する農家と、UAEの食品産業との間に存在するギャップを埋めるためのものだとしています。

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New e-market platform launched to bridge gap between Indian farmers and UAE food industry
記者: nadadur v @The Economic Times
掲載日:8月29日

ドバイの免税区画に所在するドバイ・マルチ・コモディティセンター(Dubai Multi Commodities Centre, DMCC)と商品売買に関するドバイ政府の担当部局が発表したこのイニシアティブでは、電子プラットフォームを通じ、インドの何百万もの農家がUAEの食品産業(食品加工業、取次業、卸売業)と直接につながる機会を得るといいます。

この電子プラットフォームにはブロックチェーン技術が適用される予定ということです。ブロックチェーンを用いてエンドツーエンドの取引が可能になるため、農家がサプライチェーンを最適化し、(コストとなる)仲介者を迂回して買い手と直接取引ができるメリットがあるとしています。

インターネットとブロックチェーンがもたらす価値の違い

この情報に接したとき、「中抜き」を可能とする、情報の非対称性解消のツールとしてのインターネット技術のもつメリットが、ブロックチェーン技術にも期待されているのだと感じました。その根底には「仲介業者が不当な利益を搾取している。それを取り除けば、もっといい売買が可能になるはずだ。」という前提があります。

しかし、農作物のような実際のモノ、特に固有の品質の差異を持つ産業においては、仲介業者がもたらしている価値が必ずあるはずです。その価値を看過して、既存のサプライチェーンを迂回するようなルートを作っても、その施策は実効性がありません。

さらに、ブロックチェーン技術は、サプライチェーン上の上流側と下流側の情報の非対称性を無くすというメリットよりも、サプライチェーンの参加者全体に共通の情報基盤をもたらすというメリットがあります。サプライチェーン上の一部の参加者のみが参加して直接つながることでその参加者だけがメリットを得るというよりも、サプライチェーンの上流から下流まで関係者が全員参加することで、大きな価値を社会にもたらします。

インターネットがもたらした、サプライチェーンの上流側と下流側の直接のコミュニケーションの創出による価値をブロックチェーンに期待するのではなく、サプライチェーン全体で協力して持続的な社会を実現するなど、インターネットとは異なる次元の価値の創出をブロックチェーンに期待するべきだと考えます。

トークンエクスプレス株式会社では、国内外の持続可能な社会づくりに寄与する事業・プロジェクトの企画、構築、運用サービスを提供しています。ブロックチェーン技術に知見がありますが、その利用を前提とするものに限りません。
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