中央銀行デジタル通貨を奇貨として中銀に近寄るMastercard

ブロックチェーンという技術が「発明」されたのはビットコインがきっかけです。

ビットコインのビジョンには、国や銀行等の権威に管理されない通貨を世界に提供するという考え方がありましたが、皮肉にもFacebookのリブラをきっかけにして各国の中央銀行のブロックチェーン技術を用いた中央銀行デジタル通貨(Central Bank Digital Currencies, CBDCs)への関心が高まりました。

80%の中央銀行がCBDCsについて何らかの行動を起こしており、40%が実証実験や実験のための概念調査をすでに始め、他の10%はすでにパイロット・プロジェクトを開始していると、国際決済銀行(Bank for International Settlements, BIS)の2020年1月の調査レポートが報告しています。

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こうした中央銀行の動きに対して、銀行等の金融機関が協力の姿勢を見せています。
本日ご紹介したいニュースは、クレジットカードの国際ブランドであるMasterCardが、中央銀行がCBDCsの実験や研究等を行う際のテスト・プラットフォームを提供するサービスを始めた、というニュースです。

関連プレスリリース
Mastercard Launches Central Bank Digital Currencies (CBDCs) Testing Platform, Enabling Central Banks to Assess and Explore National Digital Currencies
(Mastercardは、中央銀行デジタル通貨のテストプラットフォームを発表し、中央銀行が国のデジタル通貨を評価・調査できるようにします)
リリース日:9月9日

クレジットカードのビジネスは主に民間同士の決済サービスであり、銀行等の金融機関と異なって中央銀行と直接の接点があるビジネスではありません。(例えば、銀行等の金融機関と異なり、クレジットカード国際ブランドが、日本銀行に預金口座を設けたりはしません。)

しかし、クレジットカード会社には、消費者や店舗などとの直接の接点があり、そのデータを保有します。ブランドの信用力もあります。こうしたアセットを利用して、ブロックチェーン技術という新しい分野で、中央銀行との関係づくりを行おうとするMasterCardの戦略は、とても興味深いものです。先進国の中央銀行のみならず、発展途上国の中央銀行にも幅広くニーズがあるのではないかと考えます。

トークンエクスプレス株式会社では、国内外の持続可能な社会づくりに寄与する事業・プロジェクトの企画、構築、運用サービスを提供しています。
ブロックチェーン技術に知見がありますが、その利用を前提とするものに限りません。
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