ユニセフが取り組む、新しい国際援助の提示

数年前から、国際連合児童基金(ユニセフ)が革新的な取り組みを行っています。

以前本ブログでもご紹介した、ユニセフ暗号通貨ファンド(UNICEF Cryptocurrency Fund)という名称の、暗号資産を用いて世界のテクノロジー系スタートアップに投資を行う取り組みは、その革新的な取り組みの一つです。

ユニセフの基金が7か国の8企業に仮想通貨で投資実行

上記の記事を記載した際には、このユニセフの取り組みの狙いが、単に暗号資産を用いて投資に伴う送金の手間やコストを減らせることを示す点にあると捉えていました。

しかし実はユニセフは、この暗号資産ファンドをはじめとする取り組みを通じ、国際援助の新しいカタチを示そうとしていたのです。私はそれを、ユニセフに近い関係者の方から教えていただく機会がありました。

ユニセフ内のチームであるUNICEF Venturesが目指しているのは以下の3つです。
(1)資源(資金等)の分配における革新的な金融モデルを生み出す
(2)内部プロセスの効率性と透明性を高める
(3)オープンソースのデジタル公共財の構築にインセンティブを付与し奨励する

私が注目するのは3つ目のデジタル公共財の構築の奨励です。

ユニセフの投資の条件として、生成されたITプロダクトをオープンソース化する、というものがあるようです。一般的なスタートアップはそのプロダクトのソースコードを外に出さないようにしますが、社会課題に挑むスタートアップの持つプロダクトは、オープンソース化に抵抗がない可能性があり、さらにオープンソース化されることで、他国も含めて大きな社会的インパクトを生み出す可能性があります。

UNICEFは営利組織ではないので、投資の対価として、投資が生み出す社会的インパクトを求めます。また、オープンソース化を要件とすることで、投資先がビジネスとして成功しても失敗しても、その社会実験を通じて得られる学びとオープンソース化されたプロダクトをもって、UNICEFの他の支援に役立てることができる可能性があります。これはUNICEFにとって、また世界にとって貴重な価値です。

特に投資先がパブリックなブロックチェーンを活用するプロダクトを開発・運用する場合、プロダクトのオープンソース化の条件は、受け入れられやすいと言えるでしょう。このスキーム設計をしたUNICEF Venturesというチームは、ブロックチェーンのもたらす社会的意義をよく理解していると感じます。新時代の開発援助の在り方を示す意味で、価値ある枠組みだと言えます。

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