ESGの株式市場への浸透、それを示す株式銘柄

ESGを謳う投資信託への資金の流入が増加していると言われて久しいです。ESG投資が盛り上がったのは、人々が社会善の意識に目覚めたというよりは、年金基金を中心に、短期ではなく、中長期的に高いリターンを産む投資商品への投資に関心が高まったためだと考えられます。

一方、ESG投資の盛り上がりは、金融業界が食いつく新たな”ブーム”となり、ESG格付をもつ投資信託が好リターンを産むことを主張する記事が多く世に出回りました。そうした主張は根拠に欠くという趣旨の記事も多く見られました。

もてはやされるESG投資:金融業界の「ブーム」に要注意

投資信託等の複数の株式にまとめて投資する商品の投資成績となると、ESG目線との関係は曖昧になってしまいますが、個別企業の株式にスポットを当てると、ESGという枠組みに関わらず、持続可能な社会のための責任感のある企業を「価値ある企業」とみなす世の中が出来つつあると感じます。逆に、社会的責任を果たしていないとみられる企業はその評価、すなわち株価が低迷するという事例が出てきています。

その事例としてbloombergは、ブラジルに本拠を構える多国籍企業である食肉生産加工業者のJBS S.A.を挙げています。

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Being the Meat Industry’s Top Cash Cow Isn’t Enough in ESG Era
(ESG時代では、食肉産業のキャッシュカウでも満足されない)
記者:Tatiana Freitas & Vinicius Andrade @Bloomberg Quint
掲載日:10月1日

JBS S.A.はコロナ禍においても米国内の利益幅を拡大し、中国への輸出も増加させ、申し分ない財務成績を残していましたが、株価は低迷しています。その遠因と考えられているのが、同社の本拠地で起こっているアマゾンの火災とアマゾンの環境危機への政府の不作為です。投資家は、このブラジルの政治的課題にJBS S.A.がどのように関わっているのか厳密に調査を行うようになり、結果としてノルウェー最大の年金基金であるKLP and Nordea Asset Managementが、ESGの観点から同社への投資をしない方針を決定するなどしたようです。

これを受け、JBS S.A.は、5カ年計画を発表し、アマゾンからの全ての食肉供給者の追跡調査をブロックチェーン技術を用いて行う方針を示しました。JBS社に次ぐ規模の食肉加工業者であるMarfrig Global Foods SAも同様の計画を発表しています。

サプライチェーン管理による環境破壊防止:ブラジル市場の牛肉

世の中が環境や社会に配慮した企業の行動を重視し、それが金融を通じて企業の行動を変えていくというのは、国連をはじめとするESGの提唱者が思い描いた理想像に沿うものです。いよいよそのような時代が来たことを予見させる、象徴的な事例だと言えます。

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