他企業と差をつける!SDGsの認証制度6選

最近、企業の広告やイベントでよくSDGsという言葉を耳にしませんか? SDGs (持続可能な開発目標:Sustainable Development Goals)とは、2015年に国連が定めた、より持続的な社会を実現するための17の目標です。SDGs施行から5年が経ち、日本のビジネスシーンにも浸透してきました。

SDGsにとりくむ企業は、社会に対する責任をもってビジネスを行い、社会問題の解決に貢献していることを消費者や投資家、または取引先にどのようにアピールできるでしょうか?

その方法の一つとして、それぞれの分野の国際認証を得ることがあります。認証の取得で、SDGsへの取り組みの本気度を示し、顧客の信頼を獲得することができます!この記事では、SDGsに関連する認証制度つ紹介します。

目次

  1. 認証制度について
  2. 分野別の認証制度
  3. SDGs全体の国連機関によるイニシアティブ
  4. まとめ

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1. 認証制度について

認証制度とは?

認証制度とは、企業が製品やサービスを提供する際に、そのサービス・製品自体、または製造や運搬の過程に関して、その品質保証したり、その過程が倫理面で問題なく行われているかを保証するものです。多くの場合、製品広告や企業広告に認証エンブレムロゴを貼ることで、消費者、投資家やその他のビジネス・パートナーに対してアピールできます。

参考資料:Hatanaka, M.; Bain, C. and Busch, L. (2005) ‘Third-party Certification in the Global Agrifood System’, Food policy 30.3: 354-369, doi:10.1016/j.foodpol.2005.05.006

最近は国際的な認証を獲得する日本企業も増えています。原料調達や製造過程か国境を超える場合が多い企業のあいだで、国際的な認証を取得する重要性が高まっているのです。

国際認証を発行するのは誰?

一企業や業界内で定めた基準に基づく認証制度もありますが、信頼度が高いのが第三者機関による国際認証です。企業自らではなく、国際NGONPO、その他イニシアティブが基準を定め、オーディタ―(監査員)を派遣し、基準を満たしているかどうかを客観的に審査します。合格すれば国際認証を受けることが出来ます。

しかし、一度認証を受けたら終わりではなく、通常は基準を満たした状態が保たれているか数年ごとの審査があります。

SDGsとの関係は?

冒頭に登場したSDGsの17個の目標の中には、いくつか企業活動と関連の深いものがあります。例えば、目標8「働きがいも、経済成長も」では包摂的で持続可能な経済成長を下支えするディセント・ワーク働きがいのある人間らしい仕事)を推進しています。目標12「つくる責任、つかう責任」では、製品等でもちいる資源の循環に関する企業の責任にも言及しています。
(目標12に、製品デザインやビジネスモデル構築を通じて貢献している企業の例については、こちらの記事をご覧ください。)
目標14「海の豊かさを守ろう」目標15「陸の豊かさを守ろう」では、持続的な水資源管理や森林の管理などを定めています。

参考資料:
SDGs(エス・ディー・ジーズ)とは? 17の目標ごとの説明、事実と数字
国連広報センター

これらの目標にとりくむ際に、その投資の成果を数値化・可視化するのは難しく、他社との差別化がしづらいときがあります。
そんなとき、国際的な認証を受け、企業として責任ある活動をしていることを保証してもらうことで、他社との本気度(コミットメント)の違いを見せることができます!

さらに、SDGsは2030年までの期間限定の目標ですが、各種認証制度はその後も続いていきます。長期的に見れば、SDGsに特化したアワード等の取得をねらうよりも、海洋資源や森林資源保全などの分野別の認証制度や、国連のイニシアティブを含めた信頼性が高く、国際的に認知度の高い認証を取得したり、ネットワークへ参加する方が効果的です。

本記事では、分野別の認証制度と具体的な事例について見ていきます

2. 分野別の認証制度

ここでは特にSDGs目標8「働きがいも、経済成長も」目標14「海の豊かさを守ろう」目標15「陸の豊かさを守ろう」に関連する認証制度を紹介します。ただし、多くの認証制度が複数の目標に関連していますし、目標別に国連公認のSDGs認証制度がある訳ではないことに注意してください。

それでは見ていきましょう!

目標8:質の高い仕事を保証する

国際フェアトレード認証

最初に紹介するのが、目標8に関連の深いフェアトレード認証です。目標8は包摂的で持続可能な経済成長を遂げるために、人々に雇用機会質の良い雇用環境を提供することが目標です。例えば、危険・劣悪な環境で働いていたり、適当な支払いが得られなかったりする場合は、それは質の良い仕事とは言えませんよね。

世界には各団体が発行している様々なフェアトレード認証がありますが、ここでは最も代表的な認証である国際NPO国際フェアトレードラベル機構(Fairtrade International)」が発行している国際フェアトレード認証を紹介します。

フェアトレードとは直訳すると「公平・公正な貿易」。つまり、開発途上国の原料や製品を適正な価格で継続的に購入することにより、立場の弱い開発途上国の生産者や労働者の生活改善と自立を目指す「貿易のしくみ」をいいます。

参考資料:Fairtrade Japan「フェアトレードミニ講座

この国際フェアトレード認証ラベルをスーパーで見かけたことがある人も多いのではないでしょうか?主に食品、特にコーヒーや紅茶、チョコレート、バナナなど途上国原料調達製造が必要となる製品に使われます。認証ラベルは、原料が生産されてから、輸出入、加工、製造工程を経て「フェアトレード認証製品」として完成品となるまでの各工程で、国際フェアトレードラベル機構が定めた国際フェアトレード基準が守られていることを証明しています。

国際フェアトレードの基準は?

原料や生産者の規模によって基準は異なりますが、共通する基準は以下の通りです。経済的、社会的、環境的基準の3つに分かれています。

国際フェアトレード基準の原則
経済的基準  社会的基準  環境的基準
• フェアトレード最低価格の保証
• フェアトレード・プレミアムの支払い
• 長期的な取引の促進
• 必要に応じた前払いの保証など
• 安全な労働環境
• 民主的な運営
• 差別の禁止
• 児童労働・強制労働の禁止など
• 農薬・薬品の使用削減と適正使用
• 有機栽培の奨励
• 土壌・水源・生物多様性の保全
• 遺伝子組み換え品の禁止など
フェアトレードロゴで堂々とアピール!

フェアトレードに20年以上前から取り組み、現在99%のコーヒー豆をエシカル(倫理的)に調達しているスターバックスコーヒーの例を紹介します。米スターバックス社は2013年度のコーヒー購買量を1,500万キロに増やし、世界最大の国際フェアトレード認証コーヒーの購買者になりました。

また、スターバックスの日本の店舗では毎月20日を「Ethically Connecting Day ~エシカルなコーヒーの日~」と定め、国際フェアトレード認証のコーヒー豆「フェアトレード イタリアン ロースト」を提供したり、店舗によってはコーヒー栽培や生産地での持続可能性(サステナビリティ)に配慮した取り組みをクイズ形式で紹介したりしています。

フェアトレード認証ロゴをパッケージに貼り、また商品名にも含めることで、生産地の人々の生活や環境保全に敏感な若者世代に直接アピールしています。

取得までのステップ

出典:フェアトレードジャパンのWebサイト情報から弊社作成

商品や企業の役割によってステップが違ってくるので、詳しくは特定非営利活動法人フェアトレード・ラベル・ジャパンのWebサイトでご確認ください。

目標14:サステナブルな海洋資源管理で、高まる水産物需要を満たす!

次に紹介するのが、海洋資源の持続可能な管理を目指す目標14に関連する認証です。日本人も昔からよく食べる魚介類。しかし、漁業資源は無限ではなく、既に海水魚の86%は限界まで漁獲されている、とも言われています。今後、世界の人口が増え続け、安定した魚介類の供給を続けていくには、魚の乱獲を減らし養殖を拡大するのが効果的です。

MSC認証:天然水産資源のサステナブルな管理を保証する

MSC認証(海洋管理協議会:Marine Stewardship Council)は世界中の天然の水産資源において持続可能な管理を保証する認証です。世界水産物持続可能イニシアチブ(GSSI)に承認された唯一の国際的な水産物認証であり、これはFAO(国連食糧農業機関)のガイドラインなど様々な国際基準を満たしていることを証明します。

MSC認証を受けるには以下の3つの原則をすべて満たす必要があります。

MSC認証の3原則
      1. 過剰な漁獲を行わず資源を枯渇させないこと。枯渇した資源については回復を論証できる方法で漁業を行うこと。
      2. 漁業が依存する生態系の構造、多様性、生産力等を維持できる形で漁業を行うこと。
      3. 地域や国内、国際的なルールを尊重した管理システムを有すること。また、持続可能な資源利用を行うための制度や体制を有すること。

認証機関が、漁業の取り組みを3原則とその下にある28の業績評価指標に照らし合わせて審査を行います。

取得のステップ

審査は第三者機関が行います。企業は審査申込を行い、審査費用を支払った後、予備審査と本審査を経て、認証取得となります。認証の有効期限は5年で、取得後5年以内に再審査を受けることができます。

申込については、MSC日本事務所がサポートを行っており、審査費用についても資金援助を得られる可能性があるそうです。詳しくは、MSC日本事務所のWebサイトをご覧ください。

ASC認証:養殖による水産物を認証

MSC認証天然の水産資源を対象にしているのに対し、ASC認証(水産養殖管理協議会:Aquaculture Stewardship Council)は養殖の水産物を対象にしている認証制度です。養殖魚に対する需要が急激に高まったことで、水質汚染など様々な影響が発生しました。そこでASC認証は、養殖が環境やコミュニティーに与える影響を軽減し、高まる水産物の需要を満たそうとしています。

ASC認証は次の7つの原則に基づき、認証可否を判断します。

ASCの7原則
      1. 法令遵守
      2. 自然環境および生物多様性の保全
      3. 水資源や水質の保全
      4. 天然個体群の保全
      5. 責任ある飼料や資源の調達と利用
      6. 適切な魚病管理と生産
      7. 地域社会に対する責任と適切な労働環境
取得までのステップ

出典:ASCのWebサイト情報から弊社作成

詳しい取得の要件とステップはASCのWebサイトをご覧ください。

目標15:森林保全を通して、サステナブルな経済活動を目指す

森林の持続可能な管理を目指すSDGs目標15と関連の深い認証制度を紹介します。

地球の表面積の30.7%を覆う森林は、食料の安定確保と住処の提供のほか、気候変動との闘いや、生物多様性と先住民の移住地の保護にも鍵を握る役割を果たします。私たちは森林を保護することにより、天然資源の管理を強化し、土地生産性を高めることもできます。

参考資料:国連広報センター「目標 15 森林の持続可能な管理、砂漠化への対処、土地劣化の阻止および逆転、なら びに生物多様性損失の阻止を図る

ここでは、FSC認証(森林管理協議会 :Forest Stewardship Council®)とレインフォレスト・アライアンス認証(RA)について紹介します。

FSC認証

FSC認証は、「環境社会経済の便益に適い、きちんと管理された森林からの製品を目に見える形で消費者に届け、それにより経済的利益を生産者に還元する仕組み」であり、適切な森林の管理体制を示した組織に対して付与されます。

取得までへのステップ

出典:FSCのWebサイト情報から弊社作成

日本国内の認証機関のリストや認証の有効期限などの詳細は、FSCのWebサイトから参照できます。

レインフォレスト・アライアンス認証

レインフォレスト・アライアンス(RA:Rainforest Alliance)認証は特に熱帯雨林のサステナブルな管理を保証するものですが、原則は以下の通りです。

RA認証の原則
      1. 社会・環境管理システム
      2. 生態系保全
      3. 野生生物保全
      4. 水保全
      5. 労働者の公正な処遇と良好な労働環境
      6. 職業上の健康と安全
      7. コミュニティーとの関係
      8. 作物の総合的管理
      9. 土壌の管理と保全
      10. 廃棄物の総合的管理

あれ?この経済的、社会的、環境的な原則はフェアトレード認証の基準と非常に似ていますよね。実はRAはもともと熱帯雨林保全、フェアトレードは公平で公正な取引をそれぞれ目指し出発しましたが、基準が発展するにつれ、重要事項が似通ってきたため、現在の基準は非常に似ています。企業側としてはターゲットの消費者に認知度の高い認証制度を選ぶといいですね。

取得までへのステップ

出典:フォレストパートナーシップ・プラットフォームのWebサイト情報から弊社作成

さらに詳しい情報は、フォレストパートナーシップ・プラットフォームのWebサイトをご覧ください

3. SDGs全体の国連機関によるイニシアティブ

最後に認証制度ではありませんが、国連機関が企業のSDGsに貢献する取り組みに対して行っているイニシアティブを紹介します。

国連グローバル・コンパクト:世界160か国のグローバル・ネットワーク

国連グローバル・コンパクトは国連によって立ち上げられたイニシアティブです。10の原則に基づき、企業の責任ある活動を促すことで、SDGsなどの持続可能な世界の実現を目指しています。現在、379日本企業が加盟しています。

グローバルコンパクト10の原則

グローバルコンパクト10の原則は、「人権」、「労働」、「環境」「腐敗防止」の4つの分野に分かれています。

人権分野
原則1:人権擁護の支持と尊重
原則2:人権侵害への非加担

労働分野
原則3:結社の自由と団体交渉権の承認
原則4:強制労働の排除
原則5:児童労働の実効的な廃止
原則6:雇用と職業の差別撤廃

環境分野
原則7:環境問題の予防的アプローチ
原則8:環境に対する責任のイニシアティブ
原則9:環境にやさしい技術の開発と普及

腐敗防止分野
原則10:強要や贈収賄を含むあらゆる形態の腐敗防止の取り組み

企業は以上の原則を守り、グローバル・コンパクトに参加することで、経営リスク低い、安定したビジネスを展開することができるとともに、ブランドイメージを上げ、消費者や投資家からの信頼を獲得できます。

グローバルとローカルの繋がりを活かす

グローバル・コンパクト世界160か国の企業からなる世界的なネットワークですが、日本国内のローカル・ネットワークもあり、国内外の様々な企業との繋がり強化できるというメリットもあります。

グローバル・コンパクト・ネットワーク・ジャパンは、ビジネスのSDGsのための実施ガイドや取り組み事例を日本語で紹介しています。資料はこちらを参照してください。

取得へのステップ

署名企業には、10原則の実践状況と成果を国連グローバル・コンパクト本部に提出することが義務付けられます。また、署名後1年以内COPCommunication on Progress第1回目を提出し、以後1年に1回提出することが求められます。

詳しい取得へのステップや書類はグローバル・コンパクト・ネットワーク・ジャパンWebサイトを参照してください。

持続可能な社会づくりへの貢献はビジネス成功のカギ!

国連がアクセンチュアと共に、世界のCEOを対象に2019年に行った調査によると、年間売上が10億円規模の会社のCEO99%が「サステナビリティ(持続可能な社会づくりへの貢献)は企業の将来的な成功にとって重要である」と答えました。また、8割のCEOが「サステナビリティは業界で競合するにあたって優位にはたらく」と答えました。

更に詳しく、日本企業がSDGsに取り組むメリットについてはこちらの記事を参照してください

4. まとめ

いかがでしょうか?自社で活用できそうなSDGsに関連する国際認証制度はありましたか?

記事内で説明した通り、認証を取得したら終わりではなく、基準も時代に沿って変化しますし、数年ごとの審査が行われる認証制度もあります。自社の経営を定期的に見直し、経営リスクを減らしておくことが安定的な経営に繋がります。

何より、第三者機関による国際認証を活用することで、持続可能な社会づくりに対する自社の取り組みの本気度(コミットメント)インパクト消費者投資家アピールすることができます。SDGsに取り組み始めている企業は多いですが、基準が明らかになっている国際認証を取得することで、他社との差別化を図りましょう

認証取得による他社との差別化を考え始めたら・・・

本記事でご紹介した認証制度は、取得後も継続的な審査があります。コスト低く認証を獲得し維持するためには、業務オペレーション改善に取り組む必要があります。トークンエクスプレス株式会社は、業務オペレーション改善にかかる具体的打ち手をご提案できます。ご関心ある方はぜひ「お問い合わせ」よりご連絡ください。