チュニジアの政府機関、国内ブロックチェーンネットワークを開始

本記事では、持続可能な社会づくりに関する議論やブロックチェーン活用等について、原典がフランス語のニュースをご紹介します。

記者:Hamza Marzouk @L’ECONOMISTE Magrébin
URL:https://www.leconomistemaghrebin.com/2020/07/08/tunisie-lancement-premier-reseau-national-global-blockchain/
掲載日:7月8日掲載

ニュース内容

    • チュニジアの主要なインターネット供給会社Tunisian Internet Agency(以下、「ATI」)とブロックチェーン企業Universa Hub Africaは、チュニジアで最初のグローバル・ブロックチェーン・ネットワークを7月7日に開始した。各社の責任者が、2018年11月に締結されたパートナーシップの結果を発表したが、協定継続の署名にチュニジアで新しい認定電子署名サービスを初めて使用した。
    • この初めてのサービス“MyDocuments.tn”はブロックチェーン技術に基づいていて、文書の電子署名を証明することができる。デジタル形式または紙に署名された文書を任意の組み合わせで管理する機能もある。受信者数に制限はない。これにより、作業手順の流動性と透明性が向上する。
    • チュニジアの国家ブロックチェーン・ネットワークは、Universa Hub Africaがもつ最新の技術を用いており、将来的にはスマートシティ、電子政府、市民中心のソリューションにも役立てる方針だ。
    • チュニジアは、世界で初めて全国的なブロックチェーンネットワークを持つ国になる。これは、完全に分散化したインターネットという新しい定義を与え、国のデジタル化プロセスに新しい視点を開くだろう。

トークンエクスプレス社のひとこと

    • 本日ご紹介したプロジェクトをリードする会社の一つであるTunisian Internet Agency(ATI)は、チュニジア政府の情報通信技術省の傘下にある組織です。そのため、ATIとブロックチェーン企業Universa Hub Africaとの協働事業というのは、政府機関が主導するプロジェクトということになり、記事中にあるとおり世界で初めて政府がブロックチェーン・ネットワークを提供する国になるかもしれません。
    • チュニジアという国は、2011年以降にアラブ地域の独裁政権たちが次々と民衆の蜂起によって打倒された「アラブの春」の発端になった国です。アラブの春が起こるまで20年以上も、ベンアリ大統領(当時)は秘密警察を用いて強権支配を行っていました。その後、アラブの春に見舞われた国々が混乱に陥ったり、強権政治が息を吹き返したりしているなかで、チュニジアは民主化が順調に進んでいると言われています。
    • チュニジアの政府機関が主導する今回のプロジェクトは、当面はデジタルか紙ベースかに関わらず、署名された文書の証明のためのブロックチェーン・サービスということですが、将来的に市民のためのソリューション提供も視野に入れているということで、10年弱前まで独裁国家だった国が民主化に向かう仮定でブロックチェーンがその実現をサポートするという構図は、見ていて感慨深いものがあります。

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パリ公証人組合、公証ブロックチェーンを紹介
(本ブログ7月12日記事)

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パリ公証人組合、公証ブロックチェーンを紹介

本記事では、持続可能な社会づくりに関する議論やブロックチェーン活用等について、原典がフランス語のニュースをご紹介します。

記者:Christophe Auffray @Cryptonaute
URL:https://cryptonaute.fr/le-grand-paris-dispose-desormais-de-sa-blockchain-notariale/
掲載日:7月9日

ニュース内容

    • パリ公証人組合は現在、グランパリ(パリを21世紀の世界都市に変革する再開発プロジェクト)の専門家のために、Notarial Blockchain(以下、「公証ブロックチェーン」)を開発している。その立ち上げに伴い、ブロックチェーンへの新しいサービスの統合を監督する信用機関も設立される。この機関は、ブロックチェーン・アプリケーションのレビューを担当する戦略委員会によって運営される。TechNot 2019カンファレンスにおいて、パリ公証人組合は、そのプライベート・ブロックチェーンの第1版(Hyperledger Fabricを使用)を紹介した。
    • フランスの公証人にとって、ブロックチェーンは、証拠の作成・保存・返還を確実にするために特に成功した技術であり、公証人の職業の使用と価値に完全に対応する信頼性と不可侵性のすべての保証を与える。運用上の用途に関しては、公証ブロックチェーンは、2020年に大幅な見直しを行っているEspace Notarial(訳者注:既存のオンラインサービス)に相互接続している。このアプリケーションにより、調査の資料を管理し、個人的かつ安全にすべての関連文書を保存することができる。
    • さらに、このブロックチェーンは、非上場企業の株式の動きのトレーサビリティを保証する。このアプリケーションは、“レジストリ”と呼ばれ、現在開発中だ。これは、600万ユーロ以上の公証組合のイノベーション基金の支援を受ける。“レジストリ”の目的について、「投資家に関するすべての情報を統合することです。これにより、さまざまな株主を知り、すべての移転に従い、すべての企業の株主の網羅的なリストを通じてAGへの召喚を簡素化することができます」とプロジェクトマネージャーは説明する。

トークンエクスプレス社のひとこと

    • 不動産分野とブロックチェーンは、その資産の所有権の証明や、取引の管理、取引の小口化等において相性がいいと言われており、世界中で多くの実証試験が行われています。本日ご紹介したブロックチェーンの利用が期待されているという公証制度は、取引の前提になる文書の、真正性を担保する制度ですが、不動産の分野で活用される場面も多く、不動産売買契約、不動産賃貸借契約、金銭消費貸借契約等で活用されます。
    • パリの公証人組合によってブロックチェーンの活用が検討されているというニュースが大変興味深いと思うのは、「不動産×ブロックチェーン」というブロックチェーン技術の分野で注目されている取り合わせが、一見地味な、公証分野でのブロックチェーン活用という「入口」から実現する可能性がある点です。ブロックチェーンがこれまでにない価値を提供できるのは、本質的にはデータの保全、データベースの管理方法の部分であって、そこから考えると、不動産分野でブロックチェーンを活用したいなら、公証分野を押さえるというのは、地味だけれど避けては通れない一歩だといえます。
    • 問題は公証分野の方々がブロックチェーンの活用に対して関心を持つかという点であり、一般的には結び付きにくいことではありますが、パリではそのハードルを越えることができたということで、今後の展開に期待です。

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カナダ・ケベック州の公立大、ブロックチェーンに関し公証役場と1億円規模の連携
(本ブログ5月18日記事)

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中国の裁判所、資産保全のための”電子シール”にブロックチェーン利用

本記事では、持続可能な社会づくりに関する議論やブロックチェーン活用等について、原典が英語のニュースをご紹介します。

記者:HELEN PARTZ @Cointelegraph
URL:https://cointelegraph.com/news/chinese-courts-use-blockchain-for-property-e-sealing
掲載日:7月6日

ニュース内容

    • 中国の裁判所が、ブロックチェーン技術を用いた電子シールで、資産が損害を受けないように保護する取り組みを開始。北京の海淀区にある人民法院(訳者注:中国の裁判所)の執行局が、朝陽区の財産保護を目的としたブロックチェーン技術及び監視カメラを用いてリアルタイムで物件を保護する電子シールを実装した。
    • 具体的には、物件が侵入されたり破損されたりした場合、ブロックチェーンシステムが自動的に監視モードをオンにし、財産保持者および法執行担当者に警告を通知する。システムは加害者の写真を作成し、それを関連プラットフォームに送信することもできる。
    • ブロックチェーン技術の使用により、全データの記録及びその改変を防止できる。法執行機関のスタッフは、シールされた物件の操作の履歴を確認できる。
    • 北京の裁判所が財産に電子シールを使用したのは初めてだが、中国の江蘇省(東部)、湖南省(南部)、江西省(東部)のいくつかの裁判所も、ブロックチェーン技術を用いた電子シールの使用開始を発表した。
    • ブロックチェーンとAI技術を用いた「スマートインターネットコート」を介して、310万件(2019年第2四半期)を超える中国の訴訟活動が解決されている。北京インターネット裁判所のZhang Wen代表によれば、ブロックチェーン技術の導入は、事件の証拠の収集と提供に役立つだけでなく、国の社会的信頼性も育成する。

トークンエクスプレス社のひとこと

    • 最近では香港の話題など、中国政府の強権的なスタンスがメディアで報じられることが増えたと感じます。そうした中で本日ご紹介したニュースは、「技術の信頼性はその提供者の信頼に大きく依存するものだ」と実感させてくれます。
    • 資産の保全にIoT(物件への侵入、破壊の検知)とブロックチェーンが利用されることは、一見、人為的な操作、情報の改ざんがないように見えますが、IoTとブロックチェーンを用いればそのようなプロダクトを作ることも可能というだけで、実際のプロダクトがそのような性質を備えていることを保証するものではありません。すべてはプロダクト提供者次第です。
    • ビットコインやイーサリアムといった著名な仮想通貨(暗号資産)が信頼されるのは、その開発に多様な技術者が参加し、検証される可能性を有しているためです。「ブロックチェーン = 耐改ざん性」という、技術そのものに対するイメージも、そうしたこれまでの事例の積み重ねによるものであり、昨今中国がブロックチェーンの活用を強く推進する中で、そうしたブロックチェーン技術への信頼が毀損するような事態が発生しないことを願います。
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ブロックチェーン技術でバッテリーのサプライチェーンを可視化

本記事では、持続可能な社会づくりに関する議論やブロックチェーン活用等について、海外の有識者のオピニオン(原典英語)をご紹介します。

本日は、海外有識者のオピニオンをご紹介します。

記者:PV Magazine(Alexander Preston@SAFE)
URL:https://www.pv-magazine.com/2020/07/04/the-weekend-read-adding-blockchain-to-battery-supply-chains/
掲載日:7月4日

オピニオン内容

    • 携帯電話、電気自動車、および代替エネルギーの需要が増加し続けているため、バッテリーのサプライチェーンは重要なテーマ。エンドユーザーが、バッテリーの原材料調達、加工、製造過程で環境、人道、および社会へ与えた影響を追跡することはほぼ不可能だった。ブロックチェーン技術の実装により、バッテリー材料の来歴に可視性を与えることができるようになる。
    • サプライチェーンのトレーサビリティは、責任ある調達に関する投資の観点からも重要。サプライチェーン上の多様なアクターがそれぞれ独自に記録を保持しているため、非効率で、セキュリティの問題が発生する傾向にある。しかし、ブロックチェーン技術の適用し、単一データベースにすべてを記録することで、エラー減少、リスク軽減、ビジネスプロセスの簡素化、仲介者の減少による取引コスト減も見込まれる。例えば鉱物の追跡にブロックチェーン技術を使用した成功例の1つは、ダイヤモンド業界。De Beersは、Tracr(ダイヤモンドの採掘時にデジタルバージョンが作成され、鉱山の起源から最終顧客まで追跡するシステム)を独立した企業として設立し、業界に普及。
    • ある時点のサプライチェーン関連書類は膨大。例えば、国、倉庫、港湾、処理業者等の間で材料が移送されると、相互に依存する大量の書類が作成される。手動のやり取りでは、常にエラーや破損のリスクが存在する。ブロックチェーン技術適用により、各トランザクションが瞬時にブロックチェーンに保存され、エラーがすぐに表示されるようになる。さらに、書類間の関係をすべて公開で検証することができ、ドキュメントの改ざんは事実上不可能となる。
    • ブロックチェーン技術の適用を通じて、すべての利害関係者が、あらゆる材料のライフサイクルの信ぴょう性に関する標準化されたデータへリアルタイムにアクセスできるようになる。これにより、コンプライアンスを確保のためのコスト削減や情報漏洩のリスク軽減にもつながる。

トークンエクスプレス社のひとこと

    • あらゆるモノにサプライチェーンは存在するものの、サプライチェーンの「重要性」、すなわちどの製品のサプライチェーンが特に管理を必要とするのかは、原油や軍事利用製品等、極端に重要性の高い物品を除いて、普段ほとんど意識することがないでしょう。これはサプライチェーンを「可視化」することが、これまでの技術ではとても実現できなかったからだと考えます。目の前にあるのは製品だけであり、その来歴は目に見えないからこそ、そのサプライチェーンが重要性などには思考が至らないのです。
    • しかし、ブロックチェーンという技術の誕生により、サプライチェーンの可視化が可能になりました。結果として、ブロックチェーンに載せて管理しようとする対象になったサプライチェーンが、社会的・経済的に重要なサプライチェーンなのだとわかるようになりました。これはとても興味深いことです。
    • 一方で、技術的に管理が可能になったとしても、その実践にはまだ大きなコストがかかります。多くの関係者を巻き込んでサプライチェーンのブロックチェーン管理を実現するためには、その実現によってコストを上回る大きな便益を得る旗振り役が必要です。
    • 冒頭よりお話ししている「サプライチェーンの重要性」という観点でも、結局は「誰にとって重要なのか」という視点が存在し、それが、ある特定の社会にとって重要であるという場合は公的な機関が旗を振るでしょうし、ある特定の企業にとって重要であればその企業が旗を振るということになるでしょう。

関連記事
サプライチェーンでのブロックチェーン利用はどのように広まるか
(本ブログ4月16日記事)

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中国、公式にブロックチェーン関連の新しい求人を追加

本記事では、持続可能な社会づくりに関する議論やブロックチェーン活用等について、原典がフランス語のニュースをご紹介します。

出典元:Tim Alper @Cryptonews
URL:https://fr.cryptonews.com/news/china-adds-new-blockchain-post-to-list-of-officially-recogni-6953.htm
掲載日:7月7日

ニュース内容

    • 中国当局は、同国の公式雇用リスト上にブロックチェーン関連のポストを追加した。中国共産党の公式新聞、人民日報によると、国務院の国家労働政策を担当する人事・社会保障省は、公式に認められた仕事のリストに9つの新しい公式の仕事を追加したが、その中に「ブロックチェーンアプリケーション技術者/オペレーター」も存在する。この決定は、同省が今年初めに発表した「ブロックチェーン開発者」に続くもの。新聞によると、同省の決定は北京でのブロックチェーンイニシアチブの強化の一環である。
    • 「ブロックチェーン技術者やエンジニア、ブロックチェーンアプリケーション・オペレーターの需要は中国で増加するでしょう。ブロックチェーン技術は広い可能性を持っている」と同紙は付け加えている。
    • 国営企業は中国でブロックチェーン人材を蓄積していると伝えられているが、同国の新興企業はすでに欠員補充に十分なスペシャリストを見つけるのに苦労していると訴えている。今年初め、Cryptonews.comは、デジタル人民元エコシステムの急速な拡大もあって、中国におけるブロックチェーン専門職が需要超過であると報告した。
    • Tencentやアリババなどの中国のテクノロジー大手は、同国の決済市場の約15%を占める2つの電子決済プラットフォームの運営者で、ブロックチェーン部門を拡大させている。その一方、2017年の暗号取り締まり以前に中国で設立されたいくつかの大規模な暗号資産取引所が、ここ数ヶ月間で、同国に戻ってきている。

トークンエクスプレス社のひとこと

ブロックチェーン大国は米国と中国だと言われますが、中国政府のブロックチェーン技術へのテコ入れが更に加速している模様です。政府のテコ入れの中心にあるのがデジタル人民元(ブロックチェーンを活用した電子的に発行される通貨)と言われています。昨日の日本経済新聞の特集記事にもありましたが、米中対立が表面化している中においては、米国のドル覇権への対抗措置の準備は中国の安全保障上の重要施策と言えるでしょう。

関連外部記事
米中経済の断裂不可避 中国が最悪想定あえて暴露
メディア:日本経済新聞
掲載日:7月8日

Tencentやアリババといった企業においてもブロックチェーン技術の利用事例が増えつつある中国は、ブロックチェーン活用の機会が他国よりも多い印象です。ブロックチェーンが特にユニークなのはそのデータ管理方法であり、それは技術的側面よりも運用面における新しい経験を社会にもたらすものです。ユースケースが多いということは単純にブロックチェーンの「乗りこなし方法」を早く習熟する可能性が高いということを意味し、世界中においてブロックチェーンが国家戦略上の重要技術と認識される日も近いと感じます。

関連記事
北京市、ブロックチェーン産業奨励のため新しい2カ年計画を発表
(本ブログ7月6日掲載)

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モロッコの金融包摂:国民IDへのブロックチェーンの適応

本記事では、持続可能な社会づくりに関する議論やブロックチェーン活用等について、原典が英語のニュースをご紹介します。

記者:Kareem Hussein @Morocco World News
URL:https://www.moroccoworldnews.com/2020/07/307556/how-morocco-can-apply-innovative-methods-to-advance-financial-inclusion/
掲載日:7月2日

ニュース内容

現行のモロッコ国家国家電子身分証明書(CNIE)システムが、ブロックチェーン・テクノロジーとデジタル・ファイナンスの革新的なアプリケーションを通じて再設計され、”e-CNIE”となる予定だ。ベーシック・インカムを安全に実装し、金融包摂の向上ひいては貧困削減、ジェンダー平等に寄与することが期待されている。

金融包摂

多くのモロッコ人は銀行口座をもっていない(成人29%が銀行口座を持ち、口座所有率に約25%の性差がある(世界銀行、Global Findex 2017))。モロッコの男性(15歳以上)の41.5%に対して、モロッコの女性(15歳以上)の約16.8%が金融機関またはモバイルマネーのアカウントを保有(世界銀行、 2017年)。

ベーシックインカム

ベーシックインカム(BI)とは、収入、年齢、または雇用に関係なくすべての人に与えられる現金給付のこと。貧困層に必要な収入を提供するための簡単な手段となる。不正防止ブロックチェーン・テクノロジーを使用することで、低所得世帯に必要な収入を提供でき、貧困緩和を促進できる。

モロッコの国民IDシステムの課題

約2,000万のCNIEが発行済。登録費用はMAD 75($ 7.73)と高額で貧しい家庭では作成できず、全国的なID登録を阻害。CNIEプログラムが、総人口の約60%をカバーすると推定。CNIEは出生証明書、生命証明、国籍証明書、および居住証明書の役割を果たし、銀行口座の作成に使用される。

ID登録の問題点としては、市民登録簿のデジタル化の欠如及び完全な分散化、ID番号の急増、オンラインだが非トランザクション、認証インフラストラクチャが無い、生体認証登録が不完全、国家戦略の欠如、およびCNIEスマートカードのコスト高、他の国家プログラムとの未統合などがあげられる。

豊かで経済的に包括的なモロッコのための革新的なアプローチ

モロッコは、この生体認証全国IDプログラムのインフラストラクチャとして、分散型の分散型デジタル台帳を作成・実装し、金融機関、およびモロッコ銀行の口座を各国民に提供する予定だ。ブロックチェーン技術を用いたこの革新的なアプリケーションは、経済的包摂促進、貧困緩和に貢献する。

トークンエクスプレス社のひとこと

    • 日本でマイナンバー・カードが最近になって普及しつつある一方、開発途上国ではかなり以前から国民IDを証明・管理するためのIDカードの配布を行っている国が多くあります。本日ご紹介したモロッコの事例は、その国民IDの仕組みを金融包摂(正規の金融機関によって提供される広範な金融サービスに、個人やビジネスがアクセスできる機会を有し、また利用することができる状態)に活かそうという試みに関するものです。
    • 現状の国民IDシステムの課題が具体的に書かれていますが、この記事に記載の限りだと国民IDの管理状況としては相当の課題が存在し、システムの信頼を脅かすレベルのものもあるように見受けられます。
    • ブロックチェーンによって課題の解決に期待している模様ですが、ブロックチェーンでの改善が期待されるのは、例えば中央サーバーの管理負担の軽減といった点であり、列記された課題がブロックチェーンの利用でいきなり全て改善するものではありません。トライ&エラーを重ねながらの継続的な努力が必要でしょう。
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北京市、ブロックチェーン産業奨励のため新しい2カ年計画を発表

本記事では、持続可能な社会づくりに関する議論やブロックチェーン活用等について、原典がフランス語のニュースをご紹介します。

記者:Tim Alper @Cryptonnews
URL:https://fr.cryptonews.com/news/beijing-to-set-up-blockchain-fund-and-foster-unicorn-firms-6895.htm
掲載日:7月1日

ニュース内容

    • 北京市人民政府の公式発表によると、ブロックチェーン人材育成局の設立と、業界の有望企業に投資する自治体ファンドの創設を計画している。市はまた、ブロックチェーンの分野での進歩を支援し、枠組みを整えたいと表明した。さらに、北京をブロックチェーンのイノベーション、教育、適用の“中心地”にしたいという願望を表明した。
    • 当局は、市の科学・コンピュータ委員会と経済部門に委託して、研究開発センターのネットワークを開発し、オープンソース・ブロックチェーン・コミュニティを設立した。市は、この分野で働く有望な中小企業を奨励することによって、ブロックチェーンの“ユニコーン”ビジネスを開発することを目的としている。ただし、この報告には、利用可能になる資金の正確な金額は記載されていない。
    • 資金は、首都の大学がブロックチェーン研究所を設立するだけでなく、規範の作成と共同リソースや知識を作成するために利用できる。中国政府は、このプロジェクトが2022年までに公共交通機関、水保全、貿易などの分野で目に見える結果をもたらすと予想している。
    • 企業は、オフィスレンタル補助金、訓練費用助成金、研究助成金、政府出資のパイロット・プロジェクトのサポートを受けられる。このファンドはまた、新世代のシステム・アーキテクトとブロックチェーン開発エンジニアのトレーニングにも資金を提供する。

トークンエクスプレス社のひとこと

    • 中国におけるブロックチェーン産業の動向は、Alibaba傘下のAnt Financial等の主要な企業の動きはちらほらと日本語や英語で報道されますが、ブロックチェーン分野で米国と並ぶ大国と目されるにしては、その量は多くありません。報道されたとしても少し信ぴょう性に欠けるものも混在しており、ブロックチェーン産業がどのように展開しているのか掴みづらい国の一つです。
    • 政治体制から、行政機関の政策をみることが産業の動向を伺うのに効率がよいだろうと考えられる国であるため、本日ご紹介したような地方行政機関の政策動向を伝える記事は貴重といえます。
    • 北京市はブロックチェーン分野の「ユニコーン企業」を生み出すことを目的としているということですが、これまでのユニコーン企業は、急拡大するインターネット市場において大きな市場シェアを確保する企業がなることが多く、ブロックチェーンという技術において、劇的な市場拡大が起こるのか、その市場の中で、ある部分のシェアの大半を一社が確保するという事態が起こりうるのか、大きな関心事項と言えるでしょう。
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ヘルスケア分野におけるEU主導ブロックチェーン・プロジェクトに進展

本記事では、持続可能な社会づくりに関する議論やブロックチェーン活用等について、原典が英語のニュースをご紹介します。

記者:James Bourne @Tech Forge Media
URL:https://blockchaintechnology-news.com/2020/06/pharmaledger-eu-healthcare-blockchain-use-cases/
掲載日:6月30日

ニュース内容

欧州連合(EU)主導のヘルスケア分野のブロックチェーン・コンソーシアムであるPharmaLedgerが、最初の使用例を8つ発表。(訳者注:PharmaLedgerとは、ヘルスケア分野のグローバル企業や大学等29団体が参加するコンソーシアム。3年間のプロジェクトとして2020年1月発足)。コンソーシアムのメンバーには、ファイザー、アストラゼネカ、グラクソスミスクラインの研究開発部門等が含まれている。

8つのユースケース属する領域

サプライチェーン領域:ブロックチェーンによる証明が付与されたeリーフレットが、モバイルアプリ、ウェブサイト等に配信され、製品の信憑性と透明性の評価を可能にする取り組み。eリーフレットは、リコール履歴、製品の更新情報、薬の飲み合わせ情報、環境にやさしい薬の廃棄処分に関する情報など、患者にとって価値のある機能拡大の基盤となりうる。

ヘルスケアデータ領域:GDPR(訳者注:General Data Protection Regulationの略。EUが導入する個人情報の取り扱いに関する規則)に準拠した患者の許可取り付けのための事前スクリーニングに、ブロックチェーン技術が利用される予定。これによって、患者が、誰がいつ、自身のヘルスデータへアクセスできるか等を完全にコントロールできるようになる。

臨床試験領域:「eConsent」と呼ばれるユースケースでは、デジタルベースで信頼できる同意プロセスを作成し、紙ベースのシステムを軽減し、IoTデータを高度な分析と統合する予定。

ノヴァルティス社のブロックチェーンビジネスアナリストによれば、「ブロックチェーンはデジタル社会へ信頼をもたらすのに役立つ可能性があるが、そのためには大量の採用実績と真の水平イノベーションを起こす必要がある。PharmaLedgerは、その実現に貢献している。

トークンエクスプレス社のひとこと

EUが主導するPharmaLedgerプロジェクトについては、かつて本ブログの中で取り上げたことがあります。

関連記事
EUが進める医療情報のブロックチェーン化
(本ブログ3月6日記事)

3月6日の時点では、PharmaLegerプロジェクトへ参加している企業数の多さを理由に、本プロジェクトの実行性について疑問を持っていました。その際の私の中でのイメージは、この29社が参加するプロジェクトが一つの共通の目的・目標をもってそのためのプロジェクトを一つ遂行していくイメージでした。

しかし本日ご紹介したニュースをみて、その前提が異なる可能性があることに気づきました。まだはっきりと示されてはいませんが、このコンソーシアムは、複数の重点分野を選定し、そうした分野に関するアイデアをもつ主体に資金や実データなどを提供してそのアイデアの実現をサポートし、その過程で生じる知見、経験、またはプロトコル(プログラム)を29社で共有する、という目的の団体なのかもしれません。

示されている3つの領域のうち、「ヘルスケアデータ領域」についてはブロックチェーンでしか実現できない領域だと感じますが、説明文を読む限りは、他の二つはブロックチェーン技術を用いなくても技術的には実現できそうに見えます。一般的には「サプライチェーン領域」もブロックチェーン技術を活用する優位がありうる領域なので、詳細がまだ明かされていないだけという可能性があります。今後の進展が楽しみです。

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EU、公益向けブロックチェーン利用事業6件へ計500万ユーロ拠出

本記事では、持続可能な社会づくりに関する議論やブロックチェーン活用等について、原典が英語のニュースをご紹介します。

ウェブサイト:Europien Commission
URL:https://ec.europa.eu/digital-single-market/en/news/commissions-european-innovation-council-awards-eu5-million-blockchain-solutions-social
掲載日:6月30日

ニュース内容

ヨーロッパ・イノベーション・カウンシル(EIC)賞の公益向けブロックチェーン部門が、大規模展開可能かつインパクトのある社会的課題に対するブロックチェーン事業に関し、6人の受賞者に合計500万ユーロを授与。

このEIC賞の目的は、ソーシャル・イノベーションの分野でブロックチェーンを使った取り組みをサポートすること。対象分野は、金融包摂、分散型循環経済、公共プロセスの透明性、民主的な意思決定への参加、公的記録の管理。5つの分野で5名に各100万ユーロ助成する予定だったが、43か国(うち19か国はEU域外)から176の申請があり、審査の結果同率5位で違う分野の候補者がいたため、今回は6名受賞となった。

受賞者/アプリケーション

    1. クオリティ・コントロール分野:オランダの中小企業Word Proof BVのWord Proof Timestamp Ecosystem。信頼性を証明し、情報を検証可能にするテクノロジーでインターネットコンテンツへの信頼を高める。タイムスタンプ機能により、コンテンツが改ざんされていないことを示すことが出来る。無料のブラウザプラグインとして提案。
    2. トレーサビリティとフェアトレード分野:英国の社会企業Project Provenance LtdのPPP。企業が製品のサプライチェーン全体での社会的影響の証明を可能にするプルーフ・ポイントを開発。
    3. 金融包摂分野:フィンランドの大学AaltoのGMeRitS。代替経済構造を用いた大規模な実験を実施し、さまざまな反ライバルの補償およびガバナンス構造を試して評価し、財政包摂に貢献。
    4. 援助とフィランソロピー分野:アイルランドのオックスファムとフランスのスタートアップSempoによるUnBlocked Cash Project OXBBU。より効率的で透明性が高く持続可能方法で、災害の影響を受けた人々に援助を提供するための分散型モデルを開発。
    5. 分散型循環経済分野:フランスの協同組合クレロスのCKH2020。eコマース等における消費者紛争を解決するためのプラットフォーム。ブロックチェーンを用いて、証拠の改ざんを防いだり、決定がスマートコントラクトによって自動的に施行されることを保証。
    6. エネルギー分野:イタリアのProsume社のPROSUME。DLTベースのプラットフォームで、ピアツーピアのエネルギー取引を可能にする分散型かつ自律的なデジタル市場を提供。

トークンエクスプレス社のひとこと

    • 受賞プロジェクトの説明は、記事の内容をほぼそのまま翻訳しているので、少しわかりづらい部分や情報が不足している部分がある点、ご容赦ください。
    • 注目すべきは、やはり公益向けのブロックチェーン事業に、大規模な投資がなされていることでしょう。また、その対象分野が、EUにおいて戦略的に支援すべきだと考えられているブロックチェーン用途だということもわかります。日本において政府がテコ入れしているブロックチェーン用途はデジタル・コンテンツ分野であり、未だ公益向けのブロックチェーン利用という分野は注目されていません。
    • 実際、公益向けブロックチェーン利用が民間資金だけで収益化するには相当の年月が必要だと考えられますが、政府のコミットメントの度合いによって大きな社会的果実が将来に得られうる分野です。「持続可能な社会づくりのためのブロックチェーン利用」に注目している弊社としては、日本でもその機運が盛り上がることを期待してしまいます。
トークンエクスプレス株式会社では、国内外の持続可能な社会づくりに寄与する事業・プロジェクトの企画、構築、運用サービスを提供しています。ブロックチェーン技術に知見がありますが、その利用を前提とするものに限りません。
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仮想通貨にかかる税法の変更は不要と結論付け:スイス

本記事では、持続可能な社会づくりに関する議論やブロックチェーン活用等について、原典がフランス語のニュースをご紹介します。

記者:CHRISTOPHE AUFFRAY @Cryptonaute
URL:https://cryptonaute.fr/la-suisse-conserve-son-droit-fiscal-inchange-malgre-la-blockchain-et-la-crypto-monnaie/
掲載日:6月30日

ニュース内容

    • 6月19日、スイス国連邦評議会(訳者注:スイス連邦政府において行政権を担う内閣機構)は、仮想通貨(暗号資産)に伴う税法に関する特別な変更は必要ない、と結論づけた。
    • 世界的な金融の中心地の一つであるスイスは、暗号資産大国(”Crypto-Nation”)となる野望を有する。課税変更は、投資家を敬遠させるだろう。そのため連邦評議会は「現時点では立法的に行動する必要はない。」と考えている。スイスはその経済的魅力を維持したく、これを正当化している。
    • 韓国などの他の国はまだこの可能性を検討している。例えばすぐに暗号資産を所得税の対象にする可能性がある。暗号通貨の販売、マイニング利益、さらにはICO(現在は禁止されている)にキャピタルゲインを課す規定が含まれる可能性がある。しかし、エコノミストは、税金が依然として新しい市場の発展を妨げる可能性があると信じて、このようなシナリオに対して注意を払っている。「いかなる課税や無謀な規制の導入も、業界の持続可能な成長の障害になる可能性がある」と韓国の専門家は警告する。

トークンエクスプレス社のひとこと

    • 本ブログでは珍しく、暗号資産に関するニュースを取り上げさせていただきました。というのも、スイスのようなユニークな金融産業を持つ国が、暗号資産にかかる金融サービスをどのように扱うのか、ということは、暗号資産に対する世界の姿勢、ひいては暗号資産そのものの価値に影響を与え、暗号資産のベースにあるブロックチェーン技術の技術発展にも影響を与えうると考えるためです。
    • 暗号資産はまだまだ資産クラスとしては規模が小さく、税法を変更させるほどのインパクトが起こっていないという見方もできます。
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