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大学卒業後、2009年から2017年まで独立行政法人国際協力機構(JICA)にて発展途上国の事業に対する開発金融実務に従事。 JICA退職後、コンサルタントとして中堅~大企業へ業務改革サービスを提供。その後、トークンエクスプレス株式会社を設立。 スペインIE Business School経営学修士(MBA)。" }

アパレル業界の下請の労働環境問題

紺野 貴嗣
本ブログでは、持続可能な社会のためのブロックチェーンの活用等について、原典が外国語のものを中心にご紹介してまいります。

本日は、海外ニュース(原典フランス語)をご紹介します。

記者:Max @Actuelfinanciere.fr
URL:http://www.actualitefinanciere.fr/crypto-monnaies/hm-utilisera-t-il-la-technologie-blockchain-tendance-crypto-00010776.html
掲載日:4月27日

ニュース内容

  • アパレル業界では、他の多くの分野と同様に、生産地の問題が取り沙汰され、消費者は、購入した商品がどのように生産されたかを知ることを要求し始めている。食品の販売では、この懸念は主に健康上の理由からだが、ファッション、特にH&Mなどの大型チェーンでは、先進国で販売されている衣料品を生産する繊維業の従業員の労働条件にリンクされている。
  • 最も裕福な国々の服はここ数十年でとても高い価格に達している。これは、ベトナムやカンボジアなどの第三諸国の安価な労働力によって、巨大な利益率をもたらしている。繊維労働者は非人道的な状況での労働を強いられるというリスクがある。
  • エンタープライズ向けブロックチェーンであるVeChainは、あるファストファッションの会社と協力して、販売する服の生産地を追跡すると発表した。最低限の労働基準で倫理的な生産プロセスを経たものであることを確認する。まだ確認された情報ではないが、そのファストファッションの会社とは、H&Mのことではないかと噂されている。(訳者注:H&M傘下のArketというブランドが、VeChainを実験的に導入済の由。)

トークンエクスプレス社のひとこと

下請の労働環境問題はユニクロやH&Mにとって頭痛の種

日本ではあまり話題になりませんが、衣料業界の、特に発展途上国における生産労働者の労働環境は、途上国開発の文脈では社会課題として話題になることが多いです。ユニクロも問題視されることがあります。

関連外部記事(有料記事)
海外の取引先工場 労働環境どう改善 ファストリの場合
メディア:朝日新聞デジタル
URL:https://www.asahi.com/articles/ASM724VXMM72ULZU008.html
掲載日:2019年8月5日

衣料のサプライチェーンにブロックチェーンが導入されると、会社間の取引関係が可視化されます。もし、本日ご紹介した記事のように、その取引関係が一般消費者にも閲覧できる形とするならば(そうでない形もできます)、生産労働者の労働環境に関心がある一般消費者にとっては喜ばしいことですが、例えばユニクロやH&Mのメリットにとってはどうでしょうか?ユニクロやH&Mにとってメリットのある形でないと、導入は進まないでしょう。企業の善意だけに頼るブロックチェーン導入期待は、あまり有効とは言えません。

社会問題の解決は、行政と企業が協力して取り組むべき

このような社会課題への対処におけるブロックチェーンの利用については、国際機関や各国政府が、労働者保護の責任を果たすサポート・ツールとして導入する方が自然だと思います。また、企業が社会的責任を果たすためにブロックチェーンを導入したとしても、ブロックチェーンは単なる可視化のツールであり、下請工場に対する監査等の責任から逃れることはできないでしょう。

可視化の範囲を変えることで企業にとってメリットのある使い方も

一方で、契約期間を超えた、社内での取引関係の管理にブロックチェーンを用いるという発想に立てば、企業のリスク管理の観点で合理的なブロックチェーンの使用方法となるでしょう。つまり、ブロックチェーン上のデータを一般消費者に公開しない様式です。この場合、特定の仕入先で問題が発生した場合、その影響範囲等を迅速に把握することが可能になります。

トークンエクスプレス株式会社では、国内外の持続可能な社会づくりに寄与する事業・プロジェクトの企画、構築、運用サービスを提供しています。ブロックチェーン技術に知見がありますが、その利用を前提とするものに限りません。
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