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大学卒業後、2009年から2017年まで独立行政法人国際協力機構(JICA)にて発展途上国の事業に対する開発金融実務に従事。 JICA退職後、コンサルタントとして中堅~大企業へ業務改革サービスを提供。その後、トークンエクスプレス株式会社を設立。 スペインIE Business School経営学修士(MBA)。" }

ブロックチェーンが問いかけるデータの共同管理におけるガバナンス

紺野 貴嗣
本記事では、弊社の最近の考えをご紹介します。

ブロックチェーンの「ガバナンス」

ブロックチェーンは、「分散型台帳技術」の中心に位置づけられるものですが、「分散」という言葉が示すように、あるデータを複数の主体で共有しながら管理することに特徴をおくものです。すなわち、ブロックチェーンを用いて何かの情報を管理したいと考え、企画した場合には、その情報をどういう主体間でどのように共有するのか検討を行う必要があります。その情報の管理について「ブロックチェーンのガバナンス」と呼称されることがあります。

ブロックチェーンのガバナンスの種類として、(1)パブリック型、(2)コンソーシアム型、(3)プライベート型という3つがあると言われています。この区分は、イーサリアムというブロックチェーンの創設者の一人であるVitalik Buterin氏も提唱しているものです。

関連外部記事
パブリックおよびプライベートブロックチェーンについて
原題:On Public and Private Blockchains
URL:https://blog.ethereum.org/2015/08/07/on-public-and-private-blockchains/
発信者:Vitalik Buterin
発信日:2015年8月7日

上記の3つのガバナンス類型において、パブリック型((1))は、ビットコインやイーサリアムのような、特定の管理主体を持たずに運用されるブロックチェーンの在り方を指します。プライベート型((3))は、一つの管理主体が存在するブロックチェーンの管理手法です。

もっとも興味深いのは(2)のコンソーシアム型で、これは複数の企業等の主体が、共同でブロックチェーンを管理する方法です。ブロックチェーンは一義的には電子データの管理のために存在していますので、ある種類の電子データを自社だけではなく他社とともに共同で管理することにメリットを見出していることになります。あるデータを共同で管理するということは、自社のみで管理するよりもコミュニケーション・コストが増しますので、そうした不便さを補って余りある共同管理の利点が見いだされたデータが、それに気づいた主体たちによって管理されていることになります。

ブロックチェーンが問いかける新時代のデータ共同管理体制

ブロックチェーン登場以前は、データベースの管理において、必ず一者以上、支配的な権限を持つ主体が存在しました。しかし、パブリック型、もしくはコンソーシアム型ブロックチェーンにおいては、支配的な権限を持つ主体がいない構造とすることが可能です。また、コンソーシアム型はパブリック型とは異なり、限られたメンバーで共同管理する体制ですので、「相手の顔が見える」管理方法といえます。

すなわち、コンソーシアム型においては、個々人には支配的権限は与えられていないけれども、相手の顔が見える中でデータの共同管理を行う。これは政治的な駆け引きを生みやすい環境であると言え、ブロックチェーンの外側、すなわち現実世界での運用体制がしっかりと定義され、透明性高く運用されないと、そもそも取り組みの価値が損なわれてしまいます。

コンソーシアム型ブロックチェーンは、価値のあるデータを、限られた主体で「持続的に」管理するためにはどうすればいいのかを、人類に問いかけていると感じます。そのため、コンソーシアム型ブロックチェーンで一定の成功を収めた事例が出た暁には、そのノウハウを世界に共有することは、大変価値のあることだと思います。

参考外部記事
ブロックチェーンのコンソーシアムには、優れたガバナンスが必要です:でもどうやって?
原題:Blockchain consortia need good governance: but how?
URL:https://www.finextra.com/blogposting/18543/blockchain-consortia-need-good-governance-but-how
発信者:Carlo R.W. De Meijer
発信日:3月15日
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