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もてはやされるESG投資:金融業界の「ブーム」に要注意

紺野 貴嗣
本記事では、社会的インパクトと経営管理等について、弊社の最近の考えをご紹介します。

ブーム化しつつあるESG投資

持続可能な社会づくりのための世界のニュースを日々追っていますが、新型コロナウイルス感染症によってESG投資への関心が高まっているという傾向が、金融業界における新たな「ブーム」と化しつつある点が気にかかります。金融業界とIT業界は、知識集約型産業であるため、労働集約型や、資本集約型の産業に比べて、特定のキーワードをトレンド化して「ブーム」を作り、業界全体の新たなビジネスとする傾向が顕著です。

付加価値なきブームの後には失望がくる

「ブーム」を生み出してビジネスが作り出されることの弊害は、表層的なデータや誤解を招く解説によって事実を歪め、顧客に価値を与えるどころか損害をもたらす業者が出てくることです。視覚に訴える、一見わかりやすいメッセージの資料が出てきたら要注意です。例えばこちらの記事は、JPMorganやMorningstar等、一定の信用度のある媒体から情報を取ってきて綺麗なビジュアルを用いつつ、ESG投資の盛り上がりについて紹介していますが、用語の定義の無記載、データ集計方法の説明の欠如、ESG以外の投資との比較資料のなさ等から、誤解を招きやすい資料と言えます。

ESG投資が抱える課題解決が先か、失望が先か

持続可能な社会づくりのためにESG投資がトレンドではなく主流化してほしいと願う人にとっては、ブーム後に「失望」が訪れると、再浮上が難しくなるため、ブームは忌むべきものです。ESGが持つ課題を早期に解消し、「ブーム」を逆に利用して、配慮ある投資を主流化するための重要な試練の時だといえます。

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