MAGAZINE 情報発信
           array(1) {
  [0]=>
  string(4) "2421"
}
           array(3) {
  ["icon"]=>
  string(69) "https://token-express.com/wp-content/uploads/2020/11/member_img01.jpg"
  ["name"]=>
  string(13) "紺野 貴嗣"
  ["description"]=>
  string(452) "トークンエクスプレス株式会社の代表。
大学卒業後、2009年から2017年まで独立行政法人国際協力機構(JICA)にて発展途上国の事業に対する開発金融実務に従事。 JICA退職後、コンサルタントとして中堅~大企業へ業務改革サービスを提供。その後、トークンエクスプレス株式会社を設立。 スペインIE Business School経営学修士(MBA)。" }

2021年3月施行、EUのESG関連規制

紺野 貴嗣

ESGやSDGsなど、持続可能な社会をつくるための取り組みは世界に広がっています。そのなかでEU(欧州連合)は、他国に先がけて具体的な打ち手をどんどん打っています。

例えば、金融規制分野では、「金融サービス部門における持続可能性関連の開示に関する規則」という規制が、2021年3月10日から施行されます

これは、金融商品を提供する業者およびフィナンシャル・アドバイザーが一般の投資家に商品を販売する際に、対象の金融商品について、持続可能性に関する情報開示を行うことを義務付ける規制です。

この記事では、「持続可能な金融(sustainable finance)」をめぐるEUの取り組みの全体像をご紹介しつつ、3月10日に施行される予定の「金融サービス部門における持続可能性関連の開示に関する規則」についてご説明します。

目次

  1. EUが実現を目指す「持続可能な金融」
  2. 持続可能な金融がEUにとって重要な理由
  3. EUの行動計画
  4. 金融サービス部門における持続可能性関連の開示に関する規則
  5. EUの取り組みが日本に与える影響
  6. まとめ

EUが実現を目指す「持続可能な金融」

EUにとっての「持続可能な金融」とは、金融セクターでの投資決定における、ESGの側面(環境、社会、ガバナンス)を勘案した検討プロセスのことを指します。この検討プロセスを広める中で、持続可能な経済活動やプロジェクトへの長期投資を増やすことを目指しています。

EUの政策においては、持続可能な金融は、環境負荷の軽減、社会的およびガバナンスの側面の配慮を実現しつつ、経済成長を支援するための金融とされています。

持続可能な金融がEUにとって重要な理由

EUは、「欧州グリーンディール」という政策目標を、2019年11月に打ち出しています。それは以下の3つの実現を目指すものです。

  • 2050年までに、欧州における温室効果ガスの正味排出量をゼロにする
  • 必ずしも資源の利用を必要としない経済成長を実現する
  • 誰も、どこも、取り残さない

さらに、EUは2015年に採択されたSDGsや気候変動に関する国際条約であるパリ協定にも責任を負っています。(日本も負っています。)

これらの対外・対内的約束を果たすために、多額の資金を動員する必要があり、そのためにEUは「持続可能な金融」の広がりを重視しているのです。例えば、SDGsを含めた2030年を期限とする気候変動とエネルギーに関する目標を達成するために、約2,600億ユーロの追加投資が必要だという立場をEUは取っています。

こうしたなかで、金融セクターは重要な役割を担うと考えられています。例えば、以下の実現への貢献が期待されています。

  • より持続可能なテクノロジーとビジネスへの投資トレンドの創出
  • 長期的に持続可能な成長への資金供給
  • 低炭素で、気候変動に強く、そして循環型の経済の創出への寄与

上記の実現に向け、EUは行動計画を打ち出しています。

EUの行動計画

持続可能な金融と、持続的な経済成長のための資金提供に向けたEUの行動計画は、3つのカテゴリに分類される、10のアクションで構成されています。

さらに持続可能な経済に向けた資本の流れ

(1) 持続可能な活動に関するEU独自の分類体系の組成
(2) グリーンな金融商品のためのEUグリーンボンド基準の策定
(3) 持続可能なプロジェクトへの投資の促進
(4) 投資助言への持続可能性性観点の盛り込み
(5) 持続可能性指標の開発

リスクマネジメントにおける持続可能性の主流化

(6) 格付や市場調査における持続可能性のより良い統合
(7) 持続可能性にかかる、資産管理者および機関投資家の義務の明確化
(8) 銀行と保険会社に課すEU健全性規制(EU PrudentialRules)への「グリーンサポーティング要素」の導入

透明性と長期主義の育成

(9) 持続可能性の開示と会計におけるルールメイキングの強化
(10) 持続可能なコーポレートガバナンスの促進と、資本市場における短期主義の弱化

金融サービス部門における持続可能性関連の開示に関する規則

本記事の冒頭でご紹介した、「金融サービス部門における持続可能性関連の開示に関する規則」は、上記10のアクションのうち、「(7) 持続可能性にかかる、資産管理者および機関投資家の義務の明確化」の中に位置づけられるものです。

具体的には、持続可能性に関するリスク(ESGに関する事件または条件が発生した場合、投資の価値に重大な悪影響を与える可能性)の情報、持続可能性に負の影響を与えるような事項に関する情報、環境または社会面での特徴に関する情報などを、金融商品提供者やアドバイザーが提供することを求めています。

この規制は、持続可能な社会のための配慮に関する企業活動について、企業の情報開示のルールが定まっていない状況でも、金融商品提供業者やフィナンシャル・アドバイザーを介して、一般の投資家が持続可能な社会の実現に寄与する投資を行えるようにするための規制です。

EUの取り組みが日本に与える影響

持続可能な成長のための金融については、EUが他国よりも一歩も二歩も進んでいる印象です。これは、理想主義的な理念に基づく行動というよりも、短期的な財務的リスクのみならず、世界の金融界の大きな潮流の変化を先取りする、戦略的な行動と言えます。

日本がこの分野では追従者であることを否定することはできません。EUでどんどん前進する仕組みが世界の金融界のトレンドを変えるころ、日本の金融業界は急き立てられるようにEUが敷いたレールに乗らざるを得なくなる可能性が高いです。

また、こうした規制の変更は、新たな市場プレイヤーを生み出します。欧州から新たなゲームの支配者が出てくるかもしれません。いずれ世界全体に及ぶであろうこの動きから目を離すことができません。

まとめ

本記事では、ESGやSDGsなど、持続可能な社会づくりに注目が集まる中で、特に持続可能な金融の実現・促進に向けて環境整備を進めるEUの取り組みの全体像をご紹介しました。

また、その具体的な一つとして、2021年10月に施行される予定の、「金融サービス部門における持続可能性関連の開示に関する規則」を例に挙げ、EUが着実に歩を進めている様をご紹介しました。

日本の金融環境は、持続可能な金融の側面では遅れていると言わざるを得ません。一方で、EUが形作る制度の枠組みが、将来的に日本の金融環境に影響を与えることは確実です。日本の金融機関や企業の経営者には、EUが環境整備を進める中で、EUの金融機関や企業がどのようにそれに対応していくのか、今から情報収集しておくことが求められています。

持続可能な社会づくりへの貢献を、収益につながる形で自社の経営戦略に盛り込むには

社会的価値を資源として収益をうむ事業の構築サービス等を提供するトークンエクスプレス株式会社に、お気軽にご連絡ください。

(2020年10月5日初稿リリース)
(2021年1月12日更新)

CONTACT お問い合わせ

弊社は、「<社会的価値>をビジネスのチカラに」をスローガンに、御社のビジネスにおいて、社会課題の解決に寄与する側面の見える化・拡大・発信をお手伝いし、利益増大に貢献します。
まずはお気軽にお問い合わせください。

トップへ戻る