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SDGs目標1「貧困をなくそう」大企業・中小企業ベンチャー各社の取り組み事例3選!

トークンエクスプレス編集部

「貧困問題解決」という言葉を聞くと「途上国に学校を建てる」「寄付をする」といったイメージを持つ方も多いのではないでしょうか?これらは、現地のニーズに素早く応えられる貧困問題の解決策かもしれません。一方で、根本的な解決とまではいかないのが現状です。

また、民間企業1社だけですべて解決できる問題でもありません。しかし解決の道筋を作ること、貢献することはできます。たとえ限定的でも自らができることを行っていく。それが持続可能な開発目標(SDGs)の取り組みなのです。

「SDGsを取り入れたいけど、貧困の解決って壮大だなぁ。本当にうちって貧困の解決にあてはまるの?」と思った方へ、この記事ではSDGsの目標1「貧困をなくそう」に取り組んでいる企業として外務省のウェブサイトで紹介されている3つの企業をご紹介します。大企業・中小企業・ベンチャー企業から1社ずつ挙げますので、ぜひ自社でSDGsに取り組む際の参考にしてくださいね!

目次

  1. 企業がSDGs目標1「貧困をなくそう」に取り組むパターン3つ
  2. 大企業によるSDGs目標1「貧困をなくそう」取り組み事例 -パナソニック株式会社-
  3. 中小企業によるSDGs目標1「貧困をなくそう」の取り組み事例 -小川珈琲株式会社-
  4. ベンチャー企業によるSDGs目標1「貧困をなくそう」取り組み事例 -ジモティー株式会社-
  5. SDGs目標1「貧困をなくそう」大企業・中小企業・ベンチャーの事例まとめ


1. 企業がSDGs目標1「貧困をなくそう」に取り組むパターン3つ


SDGsの目標1「貧困をなくそう」に取り組んでいる企業の実例を見ていく前に、まずは一般的な企業の立場から、SDGsとの向き合い方について3つのパターンをご紹介します。

SDGsの取り組み方の3つのパターン

タイプ1

社会の一員として企業が担うべき責任(社会的責任)を果たすために、企業利益とは関係なく行う活動。伝統的なCSRを含む取り組みで、ストーリーを重視。短期間から取り組み可能。

タイプ2

中長期的な企業ブランドの向上や新規顧客層の開拓を視野に、既存事業からSDGsを見出してPRしていく活動。(比較的BtoC企業に多い傾向がある)

タイプ3

SDGsの精神に照らして、既存のビジネスを続けるうえで避けられない、事業プロセスの一環として取り組む活動(製品で使用せざるを得ないプラスチックを削減する活動など)。ESG評価を視野に入れている場合が多い。

タイプ1からタイプ3へと移っていくほど企業利益とのつながりが強くなるため、企業にとっては対応の必要性が高くなります。それに伴って企業の投資額、投資する人的資源も大きくなる傾向があります。
今回取り上げるSDGs目標1「貧困をなくそう」の事例は、すべてタイプ1のCSR活動との相性が良いものです。その理由は貧困解決をマネタイズするのは難しいため。企業は寄付などの社会貢献活動を通じて取り組むケースが主流になっています。

それではタイプ3に取り組むメリットとしてはどんなものがあるのでしょうか?

2.大企業によるSDGs目標1「貧困をなくそう」取り組み事例 -パナソニック株式会社-

大企業からは、従業員数243,450名(2021年3月31日時点)のパナソニック株式会社をご紹介します。同社はSDGsの目標1「貧困をなくそう」に向けて、2013年〜2018年にかけて10万台以上のソーラーランタンを寄贈するプロジェクトを行ってきました。その寄贈先は無電化地域である東南アジアや南アジア、サブサハラ・アフリカなど、22カ国で活動するNGOや国際機関など113団体です。

実際、ソーラーランタン・プロジェクトはどのようにして貧困状態の解決に役立っているのでしょうか?それは13,516台のソーラーランタンを寄贈したカンボジアで実施された家庭へのアンケート調査が示しています。

この調査において、同国で低所得の家庭にとって大きな負担となっている灯油ランプの燃料費が、ソーラーランタンの寄贈により50%削減されたとのことです。その費用を教育などの貧困解消につながる用途に充てられると考え、目標1に対する取り組みとしています。同社はホームページにて2団体への寄贈とそのエピソードを明らかにしています。

パナソニックの「農村地域で雇用を創出し、子どもが売られない世界をつくる:かものはしプロジェクト」

パナソニック株式会社から寄贈されたソーラーランタンは、電気が通っていない工房での作業に役立っています。雨天時や夕暮れ時など工房内が薄暗い時に使用され、製品の品質維持や働く女性の眼精疲労の改善に貢献しているといいます。

(かものはしプロジェクトの詳細については、パナソニック株式会社のこちらのサイトをご覧ください。)

SDGs目標1「貧困をなくそう」
パナソニックの「農村に暮らす貧困層の生活改善に取り組むLife With Dignityからの、ソーラーランタンの活用レポート」

同社から寄贈されたソーラーランタンは村の保健支援グループ、学校、コミュニティ学習センターなどの施設のほか、電気が通っていない農村部の貧困家庭へ配布されました。村の保険支援グループでは、村人への保健教育や夜間の緊急診療などで活用。コミュニティ学習センターでは夜に開催される読書クラスや教師の準備時間に、一般家庭では夜、子どもたちが宿題をする際や夕食の調理、夜間に家庭菜園で作業する際に用いられているとのことです。

「明るくて便利なソーラーランタン。素敵な贈り物をありがとう」配布先の家庭の一つLemさんはそんな言葉を紡いだそう。Iem Sokhornさんの家では、子どもたちの勉強や夕食時、夜に戸外のトイレに行き来するとき、早朝まだ暗い中で朝食の準備をするときなど、生活のあらゆる状況でソーラーランタンを活用しています。

以前は、Iemさんの頭にライトを巻いて明かりを照らしていましたが、十分な明るさではなく、電気代の観点から長時間の使用ができなかったそうです。1日のうちで子どもたちが勉強できるのもわずか30分程度でした。しかし現在はソーラーランタンの使用で、子どもたちは毎晩、以前より1時間も長く勉強ができるようになったといいます。

パナソニック株式会社のウェブサイトでは、印象深い現地の様子の写真などが多く掲載されておりますので、関心のある方はぜひご覧ください。

3. 中小企業によるSDGs目標1「貧困をなくそう」の取り組み事例 -小川珈琲株式会社-

中小企業からは従業員数190名(2021年8月29日時点)の小川珈琲株式会社をご紹介します。コーヒーの製造から販売までを主要事業として行う同社は、SDGsの目標1「貧困をなくそう」に向けて、以下3つの既存プロジェクトを実施、支援しています。


小川珈琲の「オランウータンコーヒープロジェクト」

「多くの人々を魅了する高品質なコーヒーが、絶滅危惧種のオランウータンとその生息地である熱帯雨林を保護し、現地のコーヒー生産者の生活を豊かにすることにつながる」

このプロジェクトは世界的に有名なロースター、バリスタ、コーヒーメーカーなどの珈琲のプロフェッショナルが、オランウータンの保護活動を行う国際NPO「PanEco」に共感したことから立ち上げられました。

オランウータンコーヒーの生産地はスマトラ島のアチェ州ガヨ地区です。小川珈琲は2017年3月にアジアで初めてオランウータンコーヒーの販売を開始しました。「一杯のコーヒーからできること」をコンセプトにオンライン&オフラインの双方で販売するほか、2018年〜は毎年8月に「オランウータンコーヒー月間」とし絵画コンクールが行われました。また、2021年にオランウータンや環境問題について考える無料講義も開かれています。

オランウータンコーヒープロジェクトは、農民によって厳格な有機栽培の生産基準に見合う高品質なコーヒー豆が生産された時、スマトラオランウータン保護プログラムから多大な努力に対するお金が支払われる仕組みです。

農林水産省によると、有機栽培とは「化学的に合成された肥料及び農薬や遺伝子組換え技術を利用しないことを基本として、農業生産に由来する環境への負荷をできる限り低減された農業」のことです。有機栽培によってコーヒー豆が生産された結果、山岳熱帯雨林やその動植物への負担が他の栽培方法に比べて断然少ないため、保護に繋がっているといいます。

同プロジェクトが貧困解決にも貢献しているとされるのは、目的が「高品質なコーヒー豆の生産を通して、オランウータンが生息する自然環境を保護する」だけでなく「現地のコーヒー生産者の生活を豊かにしていく」ことにも通ずるためです。同プロジェクトでは生産地の環境整備をサポートするだけでなく、生産者に対し生豆の売り上げから寄付をし、還元しているためです。

小川珈琲の取り組みは、自社の流通網というアセットを活用して環境保護に貢献する製品を販売することにより、環境課題の認知向上に貢献するという側面があります。

小川珈琲の「One of Loveプロジェクト」

パーカッショニストの斉藤ノヴさんと夏木マリさんが2009年に発足したのが「One of Loveプロジェクト」です。毎年6月21日の「世界音楽の日」に合わせて開催される音楽ライブと「マリルージュ」(毎月21日は「マリルージュの日」)というバラの販売収益を、途上国に寄付する活動を続けています。

目的は途上国の子どもたちの教育環境や、その母親である働く女性たちの雇用環境を整備することです。過去には、その支援金でエチオピアのバラ農園にパソコン訓練プログラムを設置したほか、学校の制服や教科書を購入・配布する費用として使われてきました。

「いつどんなときも、美味しいコーヒーを提供すること」をスローガンとする小川珈琲が同プロジェクトの支援を始めた理由は、支援対象のエチオピアも世界有数のコーヒー産地であるためです。

「生産者が大切に育てたコーヒー豆を預かって販売している」と考えている同社は、One of Loveプロジェクトの認知を広げるため2016年から毎月21日の「マリルージュの日」に、小川珈琲本店、京都三条店、OGAWA COFFEE 京都店の3店舗限定で先着10名のお客様にマリルージュの花(2019年11月より他種のバラも使用)をプレゼントしています。

公開情報から推計すると、小川珈琲はマリルージュの花を通じて少なくとも累計2,040名のお客様に対し、同プロジェクトの認知に成功していることになります。

小川珈琲の「Grounds for Healthプロジェクト」

アメリカのNPO法人「Grounds for Health」は、主にエチオピアとケニアで女性の健康促進を行っている団体です。具体的には子宮頸がん健診キャンペーンを実施するほか、現地スタッフへの教育により現地の医療従事者の自立を促しています。

小川珈琲は2009年から同団体の支援を開始しました。2019年〜3月をGrounds for Health月間とし、店頭で提供される特定メニューの売上の一部を同団体に寄付しています。

4. ベンチャー企業によるSDGs目標1「貧困をなくそう」取り組み事例 -ジモティー株式会社-

ベンチャー企業からは従業員数46名(2021年8月29日時点)のジモティー株式会社をご紹介します。同社は「必要なものを必要な人に届ける」をコンセプトに、モノの譲渡や不動産の貸し借り、求人などの情報が無料で収集できるWEB上掲示板を展開しています。

同社が提供するサイトでは、都道府県別や市町村別など地域を絞ったうえでアイテムの検索が可能です。大型家具や家電、レトルト食品やパックご飯などをはじめとした物品の譲渡が個人間で行われています。同サイトは月間約1,000万人に利用されています。

そんなジモティーがSDGs1「貧困をなくそう」へ取り組み始めたのは2018年からです。ユーザー調査で日本のひとり親世帯の約半分、約65万世帯の利用が確認できたことがきっかけでした。具体的には以下の2つを実施し、外務省のHPでもSDGsに取り組む企業として紹介されています。

①「ひとり親応援キャンペーン」(ジモティー上に掲載された物品をひとり親家庭を優先に受け渡すもの)
②貧困層の自立支援を行うグラミン日本のコーポレートサポーターへの加盟と、グラミン日本の説明会の紹介

上記①、②について、以下でより詳しくご紹介します。

①ジモティーの「ひとり親応援キャンペーン」

ジモティー上に掲載された物品をひとり親家庭優先で受け渡す「ひとり親応援キャンペーン」では、2018年8月に一般の方から1,600件の支援物品が提供されました。その提供に対して1,200件の応募があり、譲渡が成立したといいます。

続く同年10月には、協賛企業から提供された賞味期限前の食料品や在庫品、中古のパソコンやテレビなどの募集に対して約650件の応募があり、受け渡し会が実施されたと公表しています。私たち1人ひとりができる範囲での経済的な支援対策を、ジモティー上で実現できたわけです。

②ジモティーの「貧困層の自立支援」

グラミン日本と協力した貧困層の自立支援について、ジモティー株式会社は2019年1月17日〜20日の期間中、サイト上でグラミン日本の周知を実施しています。無償で約2000万回のバナー表示を行い、100名を超える方をグラミン日本の説明会へ案内しました。

グラミン日本とは貧困や生活困窮の状態にある方々に低利・無担保で少額の融資を行い、起業や就労による自立を支援する一般社団法人です。貧困・生活困窮者の間で5人1組のグループを組んでもらい、無担保で融資を行う仕組みを採用しています。

1983年にバングラデシュで、ムハマド・ユヌス博士によって始められた同モデルは、発展途上国だけでなく欧米先進国でも自立支援の功績をあげています。2006年、同氏と同銀行はノーベル平和賞を受賞しました。

同社は他にも同サイトを通じて、以下のSDGsの目標に取り組んでいます。
目標2「飢餓をなくそう」:廃棄予定や余り物の食品の地域間譲渡を促進。食品ロスの解消に貢献。
目標12 「つくる責任、使う責任」: 地域におけるリユース・リサイクル活動の促進。
目標17 「パートナーシップで目標を達成しよう」:地域に存在する顕在化しづらいニーズや情報を行き渡らせ、生活上の「物品、不動産、雇用」などさまざまな問題を地域住民・企業間で助けあえる仕組みを提供。「誰も取り残さない持続可能な社会」の実現に貢献

5. SDGs目標1「貧困をなくそう」
大企業・中小企業・ベンチャーの事例まとめ

企業による、3つのSDGsの取り組み方


タイプ1: 社会の一員として、企業が担うべき責任(社会的責任)を果たすために、企業利益とは関係なく行う活動。伝統的なCSRを含む取り組みで、ストーリーを重視。短期間から取り組み可能。

タイプ2:中長期的な企業ブランドの向上や新規顧客層の開拓を視野に、既存事業からSDGsを見出してPRしていく活動。(比較的BtoC企業に多い傾向がある)

タイプ3:SDGsの精神に照らして、既存のビジネスを続けるうえで避けられない、事業プロセスの一環として取り組む活動(製品で用いざるをえないプラスチックを削減する活動など)。ESG評価を視野に入れている場合が多い。

大企業、中小企業、ベンチャー企業から各社の取り組み事例

取り組み内容
大企業:パナソニック株式会社ソーラーランタンの寄贈
中小企業:小川珈琲株式会社3つのプロジェクトに対し、コーヒー豆の販売を通じて寄付や認知を広げるプロモーション
ベンチャー企業:ジモティー株式会社ひとり親家庭へ家電や食料品を提供するシステム構築

日本において広く浸透しつつあるSDGs。それは決して国際機関や各国政府、NGO/NPOだけが取り組んでいるわけではありません。企業も自社の商品等を通じてその達成に向けた貢献を試みていることが、今回の3社の事例からご理解いただけたのではないでしょうか?

「目標1:貧困をなくそう」に対する企業の取り組み方にはまだまだ課題が残ります。それは寄付などがどのように貧困削減へつながるか可視化しにくく、またCSRの一環で実施されることも多く、ビジネスを通じて貧困削減を行う道筋はいまだに限りがあることです。

この目標1に取り組む際にはまず「貧困は何か」を考えることから始められると良いのではないでしょうか。それに加えて実際に貧困問題の解決に取り組んでいる活動家や、関連する社会課題で悩む方からお話を聞く機会を設けてみましょう。

トークンエクスプレス株式会社には、独立行政法人国際協力機構(JICA)に長年勤め、貧困やマイクロファイナンス事業に詳しい者が在籍しています。「社会的価値をビジネスのチカラに」をスローガンに、お客様の事業に秘められた社会的価値を見出し、発信し、企業価値につなげます。

ぜひお気軽に、お問い合わせください。

※「目標1:貧困をなくそう」だけでなく、他の目標における企業のSDGsへの取り組み事例も知りたいという皆様へ。以下の関連記事にてそれらをご紹介しています。ぜひ貴社がSDGsに取り組み始める際の参考にされてください。

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