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SDGsで新製品をリリース!その前に確認しておくべき事項とは?

トークンエクスプレス編集部

「SDGsの17ゴールと紐づけて自社の製品を開発する」ってどういうこと?って思ったことありませんか??

例えば、SDG1の「貧困をなくそう」。自社商品で達成に貢献するといっても、途方もないですよね・・・今まで多くのアクター、NGOや様々な団体が取り組んできていますが、いまだ解決されていません。他のすべてのSDGsのゴールも同様で、ずっと課題と認識されながらも解決できてこなかったものばかりです。

企業が自社の製品開発にSDGsを取り入れる場合には、自社の業種や事業の特性等を考慮し、SDGsの各課題が解決されたあとの世界観を企業が想像し、自社が今何を創造できるかを考える必要があります。

目次

  1. SDGsを念頭に製品開発する時のポイント
  2. SDGs12「つくる責任 つかう責任」対応すべきこと
  3. 事例紹介
  4. まとめ

1. SDGsを念頭に製品開発する時のポイント


SDGSを考慮にいれた製品開発に取り組む際に気を付けるポイントとして、「責任ある調達」と「資源利用と廃棄量の削減」の2点があります。
これまでの社会では、大量生産による資源利用の増大、それに伴う環境影響の拡大が確認されてきました。これが理由で、生産現場における人権問題や環境悪化も引き起こされています。
このような状況の中、企業が社会課題、つまり人権や環境に配慮しながら製品開発するにはどうすればいいのでしょうか?

SDGs12「つくる責任 つかう責任」からヒントを導くことができます。そのヒントとは、「責任ある調達」と「資源利用及び廃棄量の削減」です。
昨今の消費者や投資家の地球環境や社会のサステナビリティへの関心の高まりにより、SDGsを念頭に置いた製品が、企業の評価を高めることにつながるとも言えます。

「責任ある調達」


そもそも、大量生産・大量消費を可能にするための製品の原材料は主にどこから来ているでしょうか?多くの企業が原材料調達や生産、廃棄のサプライチェーンを世界全体に拡大しています。そして、サプライチェーンの多くが存在する途上国では、労働法の整備や環境基準などが整備されていな場合が多いのが現状です。そのため、企業はその調達のプロセスにおいて、人権や環境に対して負荷をかけない「責任ある調達」が求められます。

では、「責任ある調達」とはどういうことでしょうか?
例えば、強制労働により採取された原材料、紛争鉱物の使用の制限が挙げられます。

強制労働による原材料、紛争鉱物の使用による企業の信頼失墜

サプライチェーンのグローバル化に伴い、途上国での強制労働などの人権や紛争鉱物に関する問題が注目を集めています。例えば、ナイキイケアがサプライチェーン上での人権や環境についてNGOから激しい批判を受けたことがあります。

こうしたNGO等による指摘は、結果的に企業の信用を棄損する可能性が高く、サプライチェーン全体を管理する必要があります。
イギリスでは、企業に対して自社製品の原材料調達など供給網への注意義務や情報の透明化を求めており、これを怠った企業には罰金が科され、強制労働により原材料や商品で利益を得たとみなされた企業は、英政府の公共調達に入札できない規定が設けられるとされています。

現在、日本では類似の法整備はされていませんが、今後同様の措置が講じられる可能性はゼロではありません。罰金は科されずとも、人権問題のある材料調達が判明した場合には、企業の信用が大きく傷つきます。実際に、カジュアル衣料店「ユニクロ」を展開するファーストリテイリング社について、その製造を請け負う中国企業での労働環境についてNGOから指摘を受けています。

(参考1)強制労働(または強制的労働)とは?

ある者が処罰の脅威の下に強要され、かつ自ら任意に申し出たものではないすべての作業 または役務のことを指す。労働者に賃金その他の補償を提供してさえいれば該当しないということではなく、当然の権利として、 労働は自由に提供されるべきであり、かつ労働者は確立された規則によって自由にその職を離れられなくてはならない。 強制労働の例として、奴隷、債務労働、拉致または誘拐、人身取引などがある。また、脅迫、賃金の不払い、身体的・心理的な 拘束といったこともこれにあたる。

(参考2)紛争鉱物とは?

米国金融規制改革法(ドッド・フランク法)第1502条(紛争鉱物条項)及び最終規則では、紛争地域で産出されることの多い鉱物。資源のうち、スズ、タンタル、タングステン、金の4種の鉱物(3TG)を指定している。
紛争鉱物の採掘過程において、人権侵害等を繰り返す武装勢力が関与しているケースもある。購入することが武装勢力の資金源となり、結果として紛争に加担することが危惧されている。特に、コンゴ民主共和国およびその周辺国で採掘されるものが、世界的に問題となっている。ドッド・フランク法に基づき、米国上場企業には鉱物の使用状況の報告が義務付けられている。そのため、グローバルサプライチェーンを遡る調査により、バイヤー企業から協力を求められることがある。また、米国以外でも同様の法規制の動きがある。
(出典:グローバルコンパクト「CSR調達入門」

資源利用・廃棄量の削減

リニア・エコノミー

大量生産・大量消費の下での調達プロセスは、リニア・エコノミー(直線型経済)と言われています。これは、原材料の調達・生産・流通・消費・廃棄の過程を言います。このプロセスの中で、原材料の使えない部分や不要とされた製品たちが大量に廃棄されてきました。
では、今後の持続可能な社会の創出のために必要な新たな取り組みは、どのようなものがあるでしょうか?

サーキュラー・エコノミー


まず、今後の持続可能な社会の創出にはサーキュラー・エコノミー(循環型経済)が必要であると言われており、「製品と資源の価値を可能な限り長く保全・維持し、廃棄物の発生を最小化した経済」が目指されます。
このサーキュラー・エコノミーが最終的に目指すところは、資源利用を「クローズド・ループ」する、つまり新規の原材料調達を可能な限りゼロにすべく、完全リサイクルを目指します。
現在この分野では、これまでの3R(リデュース:減らす、リユース:繰り返し使う、リサイクル:再資源化する)の動きだけではなく、シェアリングやサブスクリプションといった循環性と収益性を両立するビジネスモデルが広がりつつあります。

このサーキュラー・エコノミーは急成長しており、EUでは「Circular Economy Finance Guidelines」が策定され、 アメリカでも大手資産運用会社BlackRockにより「Circular Economy Fund」が組成されています。日本でもmercariやairClosetなどの物のシェアリングを可能にする企業が注目を浴びています。

2. SDGs12「つくる責任 つかう責任」対応すべきこと


「責任ある調達」だけ? 「資源利用・廃棄量の削減」だけ?


ある課題に取り組んでも、他の課題に負の影響に与えてしまうことがあります。結果的にSDGs課題解決を阻むことになります。
自社のサプライチェーンを透明化して「責任ある調達」を行ったとしても、資源利用について問題があるのであれば、やはりそれは望ましい状況ではありません。
こうした状況は「SDGsウォッシュ」の類型のひとつと言われています。
NGO等からSDGsウォッシュと指摘を受けた場合には、自社の信用は棄損し、収益にも影響を与えることがあります。こうしたリスク管理の観点からも、「責任ある調達」だけではなく、「資源利用・廃棄量の削減」にも同時に取り組む必要があると言えます。

SDGsのどのターゲット・ゴールを事業戦略の射程に入れるかや、優先順位を決めるためには、自社のマテリアリティを分析する必要があります。この点については、こちらの記事に詳細が記載されています(マテリアリティ(重要性)とは?企業価値向上にマテリアルな課題を見つける方法)。

調達から販売後もカバー


企業が「責任ある調達」を実施しようとするとき、自社のサプライチェーンを始めから終わりまで全体を可視化して管理することが必要です。そうすることで、自社が調達している材料が強制労働によるものや紛争鉱物に該当するか否かを確認することができるようになりますし、環境への負荷の高い原料調達をしていないか把握することができます。「責任ある調達」を実施するためには、自社だけではなく、取引先が何をしていて、どのように運営されているかを確認する必要があるのです。

小売世界大手のウォルマート社は、ブロックチェーン技術を活用した豚肉のサプライチェーンの透明化を行い、システム会社や現地政府と協働し、原材料や識別番号、加工工場、消費期限等豚肉に関わるデータを一元管理することでリアルタイムでの追跡を可能とし、人権や環境に負荷を及ぼす調達がおこなわれないよう管理しています。
 しかし、ウォルマートのような大手小売店は、巨大なバイヤーとしての影響力を用いてサプライヤーの利益を圧迫しているとの指摘もあります。
サプライチェーンの透明化をしさえすれば「責任ある調達」を実施していると言えるわけではなく、企業が事業を行うにおいて、社会全体に与える影響について考慮すべき時代が到来しつつあると言えます。
 しかし、こうした大規模なサプライチェーンの可視化や、フェアトレードなどの認証(「他企業と差をつける!SDGsの認証制度6選」)を得た原材料を使用した製品開発は一般的にコスト高となることが多いと言えます。そのため、責任ある調達を行う場合のコスト高を企業活動のどのプロセスで吸収するかといった課題も残ります。また、販売後のサービスにおいても注意する必要があります。自社が販売した製品のロスを減らすための取組み、例えば製品のメンテナンスサービスの充実などによる長期間の製品利用が可能となる取組みを実施することで、同時に「資源利用・廃棄量の削減」に取り組む必要があります。

3. 事例紹介


「責任ある調達」や「資源利用・廃棄量の削減」について、どのような企業の取組みがあるのでしょうか?

タイガー魔法瓶株式会社


タイガー魔法瓶社の製品である「タイガー真空断熱ボトル」では4つの約束として、「No 紛争鉱物」、「No フッ素コート」、「No 丸投げ生産」、「No プラスチックごみ」を掲げています(「TIGER ステンレスボトルが「4つの約束」を宣言!」)。この約束では、最初の3つが「責任ある調達」に関するもの、4つめが「資源利用・廃棄量の削減」に関連していることが分かります。
同社でのサプライチェーンの管理に関して報告書等で公開されていないため、実際にどのようにサプライチェーンを管理して「責任ある調達」を目指しているのか詳細は明らかではありませんが、同社では「責任ある調達」と「資源利用・廃棄量削減」の双方に取り組んでいます。

株式会社ビューティフルスマイル「ロスゼロ」


株式会社ビューティフルスマイル社では、食べることができるにも関わらず、様々な理由で食べ手のもとへ届かない「ロス予備軍」の商品を消費者に届けるプラットフォームを運営しています。
日本の食品ロスは600万トン以上と言われるなか、お菓子などの加工食品は、「賞味期限までの期間の3分の1が過ぎる前に小売店に納品しなければならない」という3分の1ルールが日本では根強く、例えば、賞味期限が6カ月先なら、2カ月以内に納品できなかったものは、全てゴミとして廃棄されていると言われます。
同社ではこの3分の1を経過した商品と消費者をプラットフォーム上で繋げることで、食品のロスゼロを目指し、「資源利用・廃棄物の削減」に取り組んでいます。

4. まとめ


SDGsを経営戦略に取り入れた製品開発においては、「責任ある調達」と「資源利用・廃棄物」はおのずと企業の対応が問われます。真摯に取り組むと、追加コストの発生やメンテナンス事業などの新たなサービスを提供する必要があるかもしれません。しかし、先にご紹介した2社は、その必要性を奇貨として企業の信用向上に活かしたり、新ビジネスの創出に取り組んでいます。
このようにSDGsに取り組むということ自体が、社会の課題解決に貢献するだけではなく、新しいビジネスチャンスを捉えることができるようになるのです。

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