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SDGs目標5「ジェンダー平等を実現しよう」中小企業ができる取り組みとは?

トークンエクスプレス編集部

最近、様々な場面で聞くようになったSDGs。日本企業、特に中小企業には関係ない話題だと思っていませんか?

SDGs(Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標)とは、2015年に国連によって定められた17の目標です。その特徴は、貧困削減や飢餓の撲滅など主に低所得国に関係する項目の他に、ジェンダー平等や気候変動など先進国も含めた世界全体が取り組むべき項目が取り入れられていることです。

その中でも、日本社会に特に関係の深い目標の1つは、目標5「ジェンダー平等を実現しよう」です。この目標は、企業が取り組むことで経営上のメリットが大きい項目でもあります。特に中小企業では、人材確保の観点からのメリットが大きいと言えます。

本記事では、どんな企業でも簡単に取り組むことができるジェンダー平等について、その定義と日本の現状、中小企業が女性を登用するメリット、企業ができる具体策をご紹介します。

目次

  1. ジェンダー平等とは?
  2. 日本の低いジェンダー平等指数
  3. 経済分野でジェンダー平等が進まない原因とは?
  4. 中小企業が女性を登用するメリットは?
  5. 中小企業ができるジェンダー平等への取り組みとは?
  6. まとめ

1. ジェンダー平等とは?

「ジェンダー平等」とは具体的に何のことでしょうか?
「ジェンダー」とは人間の社会での性別を表す言葉です。これは必ずしも生まれた時の性別と同じではありません。あくまで、その人自身が社会生活を営む上で、自分をどのように定義したいか、社会にどのように対応してもらいたいか、を表す性です。女性、男性、定義しない、など様々な選択肢があります。 

※参考資料
森山至貴(2017)『LGBTを読み解く―クィア・スタディーズ入門』筑摩書房

「平等」は、辞書では「かたよりや差別がなく、みな等しいこと」と定義されています。

つまり、「ジェンダー平等」とは、「社会生活を営む上での性別に関わらず、差別なく等しく扱われること」を指します。ジェンダー平等を目指す人のことを「フェミニスト」と呼ぶことがあります。この言葉を聞くと、1980年代ごろに起きた過激なフェミニズム運動を想像し、フェミニストと男性嫌悪を結び付ける人が多いですが、現代ではフェミニストは単に、性別に関わらず平等な扱いを求める人のことを指します。

それでは、ジェンダー平等はどのような指標で測ることができるのでしょうか?SDGs目標5「ジェンダー平等を実現しよう」には9つの小目標がありますが、そのうち企業や働き方と深く関連する小目標とその指標は、以下の通りです。

小目標:
女性が全てのレベルにおける政治や経済、公共の場での意思決定への効果的な参加と平等な機会を保証する

指標:
幹部ポジションにおける女性の割合

Goal 5 | Department of Economic and Social Affairs (un.org)(2020年12月2日最終アクセス)

2. 日本の低いジェンダー平等指数

次に、ジェンダー平等と特に経済分野での女性の活躍について、日本の状況を見ていきましょう!

日本のジェンダー指数は世界で121位、先進国では最下位

2020年に発表された世界経済フォーラムのジェンダーギャップ指数(Gender Gap Index: GGI)で、日本は121位(調査対象153ヵ国中)という低い順位を記録しました。これは表にある主な国の中で最下位です。ちなみに、スコアは1に近づくほど格差が小さいことを示しています。

その内訳を紐解いていくと、政治と経済の分野で順位が著しく低いことが分かります。政治におけるジェンダー平等指数は、国会議員における女性議員や女性大臣の割合などで計算されます。経済分野では、労働市場に参加している女性や幹部職に就く女性の割合、似たような立場の男女の賃金差、雇用以外(投資や起業など)での収入を得る割合、保険や土地、ローンなどへのアクセスがあるかどうか等が構成要素です。

日本の分野別ジェンダーギャップ指数のスコアと順位(2020年と2019年比較)

過去の日本のジェンダーギャップ指数と比較しても、年々後退していることが見てとれます。

内閣府 「選択する未来2.0」 第2回会議 参考資料(事務局資料)
(2020年12月2日最終アクセス)

女性が受ける新型コロナウィルスの影響は大

さらに、新型コロナウイルス流行の影響は至るところに及んでいますが、特に女性への影響が大きいと分析されています。国際労働機関(ILO)の報告書によると、世界的にコロナの影響で失業した女性の割合が高く、加えて一般的に子育てや介護の負担増加も懸念されています。日本でも、大きく影響を受けている飲食業界において、女性従業員の割合は約62%と高くなっています

3. 経済分野でジェンダー平等が進まない原因とは?

女性の労働力率が世間的に結婚・出産期に当たる年代に一旦低下し,育児が落ち着いた時期に再び上昇するグラフの動きをいわゆるM字カーブと呼びます。

※参考資料
内閣府男女共同参画局「第2節 女性の労働力率(M字カーブ)の形状の背景」(2020年12月2日最終アクセス)

内閣府経済社会部の資料によると、女性の就業率のM字カーブは解消しつつあるものの、30歳以上は非正規雇用の割合が大幅に増えています。ある研究結果では、女性の母体自体の少なさは新規採用の促進で乗り越えられつつあるが、昇進年次に達する女性数の少なさを克服しなければならないと分析されています。

※参考資料
森田園子(2015年)「中小企業における女性役員・取締役と女性登用 : 論点の策定に向けて」大阪樟蔭女子大学リポジトリ(2020年12月2日最終アクセス)

内閣府 「選択する未来2.0」 第2回会議 参考資料(事務局資料)
(2020年12月2日最終アクセス)

4. 中小企業が女性を登用するメリットは?

女性に継続的に就労してもらう、幹部社員に登用することで中小企業に以下のようなメリットがあります。

  1. 利益率の向上
  2. 多様な視点を得られる
  3. 女性だけでない優秀な人材の確保

1. 利益率の向上

日興リサーチセンターの調査では、女性役員がいない会社と女性役員が2名以上いる会社を比較すると、女性役員が多い企業の経常自己資本利益率が相対的に優れる傾向にあるという結果が出ました。これは、多様性が企業経営に財務的に良い影響を与えることを示唆しています。

2. 多様な視点を得られる

次に、女性がいることで、男性とは社会的に異なる役割を担う女性ならではの視点や意見を取り入れることができます。日常生活で一般的に男性よりも女性の方が買い物をすることが多いですよね?例えば、日用品や食品、衣服・化粧品など女性の目線で商品開発や流通をすることで女性客を広く取り込むことができるような商品になりやすいと言えます。


3. 女性だけでない優秀な人材の確保

女性以外の働きやすさが改善

その他にも、日本経済団体連合会の調査では、自動車・輸送機械分野において、女性目線を取り入れたことで性別を問わず働きやすくなったという事例を紹介しています。

現業系女性社員の増加を受け、男性目線(体格・体力)で設定されていた工場の作業環境を見直し、女性の体格や体力を考慮して作業環境での評価基準(押す引く力、作業高さ、手持ち重量、作業姿勢等)を改善。その結果、女性だけでなく男性の作業時間も低減し、“誰もが”より快適に働ける環境が実現。

日本経団連「ポストコロナ時代を見据えたダイバーシティ&インクルージョン推進」に関するアンケート結果
2020年10月29日発表

優秀な人材の継続的な確保

さらには、女性に継続して働いてもらうことで、優秀な人材の確保に繋がります。上のグラフで見たように、30代前半から離職し、その後非正規雇用として雇用される女性の割合が高くなっています。新卒で入社し、10年ほど働いてきた女性社員が、完全に離職するではないにしろ、非正規雇用になってしまうのはもったいないと思いませんか?

特に、人材確保に苦労している中小企業は女性のUターン再雇用を支援することで、既に自社のことをよく知っており、即戦力となる人材の確保に繋がります。さらには、女性が継続して働きやすいという点をアピールすれば、新卒で入社する優秀な女性人材の獲得も見込めます。

ミレニアル世代の意識の変化

デロイトが2018年に、日本の若い世代(1983年~1994年生まれ)に対して行った調査によると、若い世代の約半数が「企業は従業員の生活の質の向上に取り組むべき」と考えている一方、実際に従業員の生活の質向上を優先している会社は調査した企業の5分の1でした。新卒や第二新卒で就職活動をする若者が、ワークライフバランスを重視した働きやすさを求めている現状が見て取れます。

デロイト トーマツ コンサルティング合同会社「2018年 デロイト ミレニアル年次調査」
(2020年12月3日最終アクセス)

5. 中小企業ができるジェンダー平等への取り組みとは?

日本企業、特に中小企業が今から実施できるジェンダー平等への取り組みの中から、以下の3つを紹介します。

  1. 人材を段階的に育成するシステム構築
  2. 不在を補い合えるシステム構築
  3. 意識改革

1. 人材を段階的に育成するシステムの構築

前述した研究では中小企業の中での女性の活躍のためには、「段階的に育成するシステム」が必要であることが言われています。つまり、一度離職、または非正規雇用社員になった女性社員の中で優秀な人材を正規雇用として積極的に採用し、企業内でのステップアップをサポートできる体制です。

経団連の調査の中でも、以下のようなグッドプラクティスが紹介されています。

間接部門の全従業員を対象にポテンシャル評価を毎年実施しており、その中で優秀な女性従業員を確認。また、その結果も踏まえ、重要なポジションのサクセッションプランニングを実施する際に、女性の候補者を一人以上挙げることを強く推奨し、その従業員の育成計画も検討する

日本経団連「ポストコロナ時代を見据えたダイバーシティ&インクルージョン推進」に関するアンケート結果
2020年10月29日発表

2. 不在を補い合える業務の体制構築

2つ目の取り組みは、「不在を補い合える業務の体制構築」です。例えば、フレックスタイム制を利用すれば、子どもが学校に行く前や帰宅直後、夕食時などは仕事をせず、子どもが寝静まった夜に集中して仕事ができるなど、特に小さい子どもや介護が必要な家族を持つ人に効果的です。
その他、在宅勤務利用制度や時差出勤制度などもあります。新型コロナウイルス流行の影響で、活用する企業も増えたのではないでしょうか?こうした制度を利用しつつ、社員同士でオンラインツールを駆使しながらコミュニケーションを取って、不在を補えるような業務体制構築が重要です。

3. 意識改革

最後に紹介する施策は、意識改革です。いくら制度を整えても、社内に育休を取りにくい雰囲気があったり、ジェンダー役割が強調されていたりすれば、変化は起きません。中小企業は大企業に比べて、情報が全社員に行き渡りやすく、その分意識改革が行いやすいと言えます。
意識改革への取り組み事例として、経団連の調査の中では、以下3点が挙げられています。

  1. 「ダイバーシティ浸透度調査」として社員の意識調査の実施
  2. ダイバーシティについて学ぶ様々なイベントやセミナーの開催
  3. 企業文化の革新を目指す「ダイバーシティ月間」を設ける

まとめ

今回はSDGsの中でも日本の達成度が遅れている目標5「ジェンダー平等を実現しよう」に焦点を当て、ジェンダー平等の定義、日本の状況とその原因、中小企業が女性を登用するメリット、そしてその方法をご紹介しました。

ジェンダー平等はもちろん、一朝一夕で達成されるものではありません。世界経済フォーラムの調査は、世界中でのジェンダー平等の達成にはあと98年かかるとしています。

さらに、ジェンダー平等達成の取り組みには、企業のみならず政治分野での女性の活躍や家庭内での変化も必要不可欠です。

しかし、一日の大半を過ごす仕事場での達成も、ジェンダー平等の実現において大きな役割を担っています。特に中小企業では、女性の母数の割合が比較的多いため、それに応じて、役員になる可能性のある女性の割合も多いと言えます。また、その規模と一体感を活かして、大企業に比べてスピーディーに意識改革と体制構築を実施しやすいとも言えます。

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